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宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

宇宙で最も寒い場所

2013年11月09日 | 宇宙 space
原子すら凍ってしまう、宇宙で最も寒い場所。
それは摂氏マイナス272度という、超低温の天体である“ブーメラン星雲”なんですねー









宇宙で最も低温の天体“ブーメラン星雲”
ヨーロッパ宇宙機関が2003年に公開






“ブーメラン星雲”は、地球から約5000光年離れたケンタウルス座にあり、
温度は、絶対零度からわずか1度高いだけの摂氏マイナス272度。

ビッグバン後の冷却し始めた頃の宇宙に放射された、
宇宙背景放射の温度よりも低いんですねー

この星雲は、比較的若い惑星状星雲で、
外郭が輝いているのは、寿命を迎えつつある太陽に似た恒星の外層から、
イオンが放出されているからです。

なんで温度が低いのかとというと、
急速に拡大を続ける過程で、エネルギーを使い果たしてしまったから…
その結果引き起こされる冷却効果によって、周囲よりも低い温度を保っているようです。


今回、新たにこの星雲の姿をとらえたのは、南米チリにある巨大電波望遠鏡“アルマ”です。

2002年から、南米チリのアタカマ砂漠に建設が始まったのが、
アタカマ大型ミリ波干渉計
(Atacama Large Millimeter/submillimeter Array = ALMA:アルマ望遠鏡)です。

東アジア(日本・台湾)、北米(アメリカ・カナダ)、ヨーロッパの国際共同プロジェクトで、
アタカマ砂漠の標高約5000メートルの高原に、高精度パラボラアンテナを合計66台設置し、
それら全体をひとつの電波望遠鏡として観測可能な開口合成型電波望遠鏡として活用します。

今年の秋に全てのアンテナが揃い、
世界最高の解像度を誇る巨大電波望遠鏡の性能をフルに発揮した観測が始まるそうです。