宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

プログレスM21-M補給船打ち上げ 新型ドッキングシステムを搭載

2013年12月02日 | 宇宙 space
ロシア宇宙局は11月26日、国際宇宙ステーションへの補給物資を搭載した、プログレスM-21M補給船を打ち上げました。

同機には、将来のプログレスやソユーズ宇宙船での使用を見越した、新型のランデブー・ドッキング・システムが搭載されていて、
今回、国際宇宙ステーションへの接近時に試験が行われるんですねー

プログレスM-21Mを搭載したソユーズUロケットは、11月26日にカザフスタン共和国にあるバイコヌール宇宙基地から打ち上げれ順調に飛行。
約9分後には、プログレスを軌道に投入しています。

プログレスM-21Mには、国際宇宙ステーションへ補給するための水や推進剤、酸素、そして滞在している宇宙飛行士のための食料や衣類など、合計2398キロの補給物資が搭載されています。
そして、今月の30日にロシアのサービスモジュール“ズヴェズダ”にドッキングする予定になっています。


今回のプログレス補給船の特徴は、何といってもクールスNAと呼ばれる新型のランデブー・ドッキング・システムが搭載されていることです。

クールスNAは、現在のプログレス補給船やスユーズ宇宙船が使用している、クールスAを代替するものです。
クールスAを構成する6基のアンテナのうち、2A0-YKAと3基のAKR-YKAアンテナが、A0-753と呼ばれる1基のアンテナに代えられています。

これにより外見がすっきりしたのですが、もちろん利点はそれだけではないんですねー

消費電力が少なくなったことと、
2A0-VKAとAKR-VKAでは展開式だったのが、A0-753は機体に固定されているので、展開機構に起因する問題が起こらなくなります。

プログレスはM-19Mの時に、アンテナの1つが展開しないまま国際宇宙ステーションとのドッキングを強行したことがあります。

アンテナが閉じたままドッキングすると、国際宇宙ステーション側の何らかの部品と干渉して、損傷を与えたり、ドッキングが妨げられるのではないか、っと心配されたことがありました。
なので、このような心配は今後は起こらなくなるんですねー


またクールスAはウクナイナの企業が製造していて、これまでロシアに対して価格をつり上げるということあったそうです。
でも、今回のクールスNAはロシア製なので、ウクライナへの依存から脱却できることになります。

クールスNAは2012年に、プログレスM-15Mで初めて試験されています。
このときの結果をもとに改良が加えられ、今回のプログレスM-21Mでの正式採用となったわけです。

今後はプログレス補給船での実績を積んだ後、
いずれ有人のソユーズ宇宙船にも搭載されるようです。