宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

国際宇宙ステーション排熱システムの異常で、補給船の打ち上げは延期へ

2013年12月19日 | 宇宙 space
12月11日に発生した国際宇宙ステーション(ISS)の熱制御用外部排熱システム(ETCS)の異常。
これにより、冷却系統の一部が、設定された限界温度に達したため、自動的に機能を停止したんですねー

NASAによる原因究明では、ETCSの冷媒を、冷却用ラジエータへ流す量を調整する弁がうまく機能していないことが分かりました。
引き続き、NASAでは対応処置を行っていて、当面の対策としては地上からの操作で、別の弁を使って流量の調整を試みています。

不具合が起きた冷却系統は、ISSの機器で発生した熱を放熱するためのもので、冷媒としてアンモニアが循環しています。

でも、この応急処置ではISSの機器すべてを、使用することはできないんですねー

なので、結合モジュールの“ハーモニーノード”、ヨーロッパ実験棟“コロンバス”で重要ではない機器の電源を落としています。
日本の実験棟“きぼう”は、2系統のうち1系統の電源のみを使用して運用している状態です。

不具合が起きた冷却系統は、以前にも同様に故障を起こしていて、
2013年8月には、宇宙飛行士が船外活動を行って部品を交換、修理しています。

この不具合により、クルーの安全性、搭載機器の健全性に問題はないのですが、
オービタル・サイエンシズ社の“シグナス補給船”の打ち上げは、1月中旬以降に延期になるようです。

“シグナス補給船”の打ち上げは、9月の初打ち上げに次いで2回目。
今回の補給ミッションは42日間を予定していて、約2000キロの補給物資を運ぶことになります。

ETCS不具合復旧については、21日以降に3回の船外活動を行い修理するそうですよ。