宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

5つの惑星の大気に水の兆候

2013年12月15日 | 宇宙 space
ハッブル宇宙望遠鏡による赤外線観測から、5つの系外惑星の大気に水の痕跡が見つかりました。
複数の惑星を詳細に調べることで、それぞれの大気の個性も見えてきそうです。

惑星(手前)の表面の大気を通して見える主星(奥側)の光を分析することで、
大気の成分を推定できる。

水の兆候が見つかったのは、
それぞれ異なる恒星のごく近くを回る、巨大ガス惑星“ホットジュピター”です。
これらの惑星は、公転のたびに地球から見て恒星“主星”の手前を通過するので、惑星の大気を通して見える主星の光が分析できるんですねー
そして、惑星の大気に含まれる水が、光の一部を吸収するという痕跡を探っています。

その結果、“WASP-12 b”、“WASP-17 b”、“WASP-19 b”、“HD 209458 b”、“XO-1 b”の5つの惑星から、かすかですがはっきりとした水の兆候を見つけることができました。





地球の大気を通りぬけてきた太陽の光にも、水や酸素の存在が刻まれている。



系外惑星の大気の水については、これまで数例が報告されていたのですが、
複数の惑星に関して、その兆候の強さまで比較測定するのは初めてのことなんですねー

“WASP-17 b”は大きくふくらんだ大気を持っていること、“HD 209458 b”は5つの中でも水の痕跡がとりわけ強く現われていることも分かってきました。

温度環境など異なるタイプの惑星において、大気に含まれる水の量がどのように違ってくるのか?
今回の成果は、そういった比較研究の第一歩になるそうですよ。