地球以外の太陽系の天体に、
現在も、原始的な生命を育むことができる環境があるようです。
その場所は、土星の衛星エンケラドスの地下海。
地球の海底と同じように、
地下海の岩石の割れ目から、熱水を噴出している可能性が高いことが、
今回の研究で分かってきたんですねー
生命を育む熱水環境
初期の地球の海底熱水噴出孔は、
生命誕生の場の有力候補になっています。
現在も、そこで得られる熱エネルギーを使って微生物が生息しています。
今回の研究の成果は、生命を育みうるような似た熱水環境が、
現在の太陽系に存在することを、初めて実証したこと。
長い太陽系探査史でも、
画期的な発見といえるんですねー
間欠泉が教えてくれる内部の様子
エンケラドスは土星の氷衛星のひとつで、直径500キロほどあります。
厚さ30~40キロの氷層の下に、深さ10キロほどの液体の地下海を持ち、
氷層の割れ目から、海水がプリュームと呼ばれる間欠泉として噴出しています。
NASAが1997年に打ち上げた土星系探査機“カッシーニ”は、
現在も観測中で、エンケラドスのプリュームの中を通過し、
塩分や二酸化炭素、アンモニア、有機物が含まれていることを明らかにしています。
さらに重力データから、南極周辺の地下に広大な地下海が存在し、
岩石からなるコアと接していることも分かりました。
地下海が存在する天体は、
木星の衛星エウロパなど、これまで複数見つかっているのですが、
厚い氷層に阻まれて、地下海を直接調べることは困難でした。
その点、エンケラドスは、海水を宇宙空間に放出するので、
内部の様子を直接調べる機会を与えてくれる特異な天体でした。
“カッシーニ”が2005年に、このプリュームを発見してから、
エンケラドスに関する知見が増えるたびに、生命存在の期待も高まってきたんですねー
生命に必須の3大要素が存在
でも、太陽光が届かない地下海に、生命が利用できるエネルギーは存在するのか?
っという疑問は残り、生命の可能性の議論も空想の域を出ませんでした。
今回の研究では、
“カッシーニ”のデータから、プリュームとして放出される海水中に、
岩石を構成する2酸化ケイ素のナノシリカ粒子が含まれていることを見つけています。
日本のチームは海洋研究開発機構の装置で、
エンケラドス内部の環境を再現する熱水反応実験を実施。
ナノシリカ粒子を生成するためには、岩石からなるコアと地下海の海水が、
現在も90℃を超える高温、pH8~10のアルカリ性で反応していることになります。
そして、探査と実験の結果を総合。
研究グループは、
エンケラドスの海底に、地球の海底熱水噴出孔に似た熱水環境は広範囲に存在し、
それが現在でも活発に活動している。
という内部モデルを提唱したんですねー
今回の研究では、
エンケラドスには、液体の水、有機物、エネルギーという生命に必須の3大要素が、
現在でも存在していることを示しています。
そこには原始的な生物がいるかもしれません…
35億年前の火星表面に、液体の水が存在していたことは確実視されています。
でも、現在の火星は寒冷で乾燥していて、
生命を育みうる環境が存続しているか、はっきりしていません。
なので、地球以外で生命を育みうる環境が、
エンケラドスに現存することが実証されたことは、
地球外生命の発見に向けて大きな飛躍になるんですねー
太陽系での生命探査は、
土星の衛星エンケラドスという新しい候補を得ました。
今後、大きな広がりを見せるてくれることに期待したいですね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 木星最大の衛星ガニメデにも地下海が存在する
現在も、原始的な生命を育むことができる環境があるようです。
その場所は、土星の衛星エンケラドスの地下海。
地球の海底と同じように、
地下海の岩石の割れ目から、熱水を噴出している可能性が高いことが、
今回の研究で分かってきたんですねー
![]() |
エンケラドスの南極付近の 割れ目から噴出するプリューム。 探査機“カッシーニ”が撮影 |
生命を育む熱水環境
初期の地球の海底熱水噴出孔は、
生命誕生の場の有力候補になっています。
現在も、そこで得られる熱エネルギーを使って微生物が生息しています。
今回の研究の成果は、生命を育みうるような似た熱水環境が、
現在の太陽系に存在することを、初めて実証したこと。
長い太陽系探査史でも、
画期的な発見といえるんですねー
![]() |
エンケラドスの内部構造。 地下の海の水が氷の層を通過して、表面に噴出している。 |
間欠泉が教えてくれる内部の様子
エンケラドスは土星の氷衛星のひとつで、直径500キロほどあります。
厚さ30~40キロの氷層の下に、深さ10キロほどの液体の地下海を持ち、
氷層の割れ目から、海水がプリュームと呼ばれる間欠泉として噴出しています。
NASAが1997年に打ち上げた土星系探査機“カッシーニ”は、
現在も観測中で、エンケラドスのプリュームの中を通過し、
塩分や二酸化炭素、アンモニア、有機物が含まれていることを明らかにしています。
さらに重力データから、南極周辺の地下に広大な地下海が存在し、
岩石からなるコアと接していることも分かりました。
地下海が存在する天体は、
木星の衛星エウロパなど、これまで複数見つかっているのですが、
厚い氷層に阻まれて、地下海を直接調べることは困難でした。
その点、エンケラドスは、海水を宇宙空間に放出するので、
内部の様子を直接調べる機会を与えてくれる特異な天体でした。
“カッシーニ”が2005年に、このプリュームを発見してから、
エンケラドスに関する知見が増えるたびに、生命存在の期待も高まってきたんですねー
生命に必須の3大要素が存在
でも、太陽光が届かない地下海に、生命が利用できるエネルギーは存在するのか?
っという疑問は残り、生命の可能性の議論も空想の域を出ませんでした。
今回の研究では、
“カッシーニ”のデータから、プリュームとして放出される海水中に、
岩石を構成する2酸化ケイ素のナノシリカ粒子が含まれていることを見つけています。
日本のチームは海洋研究開発機構の装置で、
エンケラドス内部の環境を再現する熱水反応実験を実施。
ナノシリカ粒子を生成するためには、岩石からなるコアと地下海の海水が、
現在も90℃を超える高温、pH8~10のアルカリ性で反応していることになります。
そして、探査と実験の結果を総合。
研究グループは、
エンケラドスの海底に、地球の海底熱水噴出孔に似た熱水環境は広範囲に存在し、
それが現在でも活発に活動している。
という内部モデルを提唱したんですねー
今回の研究では、
エンケラドスには、液体の水、有機物、エネルギーという生命に必須の3大要素が、
現在でも存在していることを示しています。
そこには原始的な生物がいるかもしれません…
35億年前の火星表面に、液体の水が存在していたことは確実視されています。
でも、現在の火星は寒冷で乾燥していて、
生命を育みうる環境が存続しているか、はっきりしていません。
なので、地球以外で生命を育みうる環境が、
エンケラドスに現存することが実証されたことは、
地球外生命の発見に向けて大きな飛躍になるんですねー
太陽系での生命探査は、
土星の衛星エンケラドスという新しい候補を得ました。
今後、大きな広がりを見せるてくれることに期待したいですね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 木星最大の衛星ガニメデにも地下海が存在する