X線天文衛星“すざく”が、超新星残骸“3C 397”から大量のニッケルを検出しました。
このことは、陽子と電子が合体する“電子捕獲”が、
Ia型超新星爆発で起こることを示す初の観測的証拠になるそうです。
今回の研究では、JAXAのX線天文衛星“すざく”を使って、
わし座の方向約3万3000光年彼方にあるIa型超新星残骸“3C 397”を観測。
Ia型超新星とは、恒星の燃えカスである白色矮星を含む連星系での、
爆発的核融合による超新星爆発です。
この爆発では、ケイ素やカルシウム、鉄など、
私たちの人体と生活に欠かせない元素が生成されるんですねー
今回“すざく”は“3C 397”から初めて、
クロム、マンガン、鉄、そしてニッケルによる輝線の検出に成功。
とりわけニッケルの全質量は、太陽の重さの1割に相当し、
この量は、過去に観測された他の超新星残骸と比べて、3倍から5倍という膨大なものになります。
白色矮星は、主に炭素と酸素で構成されています。
通常の元素は、
それぞれ陽子と中性子の数は等しいのですが(炭素は6個ずつ、酸素は8個ずつ)、
超新星爆発時に、それらを材料にした核融合で生成されたはずのニッケルは、
陽子よりも中性子の数が2個多いんですねー
この差分の中性子は、どこから来たのか?
ネオンの同位体22Ne(陽子10個、中性子12個)など、
中性子を多く含む元素も、その供給源になります。
でも、白色矮星に含まれる量はわずかで、
今回検出された大量のニッケルを生成するには、とても足りません。
なので、「中性子が新たに作られている」と考えることが出来き、
そのプロセスが、陽子が電子を飲み込む“電子捕獲”になるんですねー
“電子捕獲”は、特に高温・高密度の極限環境でのみ起こる、
超新星核融合の最終プロセスになります。
Ia型超新星で“電子捕獲”が起こることは、
日本の理論天文学者を中心に、古くから提唱されてきました。
それが、今回の研究で初めて、
その確かな証拠をとらえたことになるんですねー
このことは、陽子と電子が合体する“電子捕獲”が、
Ia型超新星爆発で起こることを示す初の観測的証拠になるそうです。
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“すざく”がとらえた超新星残骸“3C 397”のX線画像。 可視光と赤外線の背景画像と合成。 |
今回の研究では、JAXAのX線天文衛星“すざく”を使って、
わし座の方向約3万3000光年彼方にあるIa型超新星残骸“3C 397”を観測。
Ia型超新星とは、恒星の燃えカスである白色矮星を含む連星系での、
爆発的核融合による超新星爆発です。
この爆発では、ケイ素やカルシウム、鉄など、
私たちの人体と生活に欠かせない元素が生成されるんですねー
今回“すざく”は“3C 397”から初めて、
クロム、マンガン、鉄、そしてニッケルによる輝線の検出に成功。
とりわけニッケルの全質量は、太陽の重さの1割に相当し、
この量は、過去に観測された他の超新星残骸と比べて、3倍から5倍という膨大なものになります。
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“すざく”が観測した“3C 397”のX線スペクトル。 |
白色矮星は、主に炭素と酸素で構成されています。
通常の元素は、
それぞれ陽子と中性子の数は等しいのですが(炭素は6個ずつ、酸素は8個ずつ)、
超新星爆発時に、それらを材料にした核融合で生成されたはずのニッケルは、
陽子よりも中性子の数が2個多いんですねー
この差分の中性子は、どこから来たのか?
ネオンの同位体22Ne(陽子10個、中性子12個)など、
中性子を多く含む元素も、その供給源になります。
でも、白色矮星に含まれる量はわずかで、
今回検出された大量のニッケルを生成するには、とても足りません。
なので、「中性子が新たに作られている」と考えることが出来き、
そのプロセスが、陽子が電子を飲み込む“電子捕獲”になるんですねー
“電子捕獲”は、特に高温・高密度の極限環境でのみ起こる、
超新星核融合の最終プロセスになります。
Ia型超新星で“電子捕獲”が起こることは、
日本の理論天文学者を中心に、古くから提唱されてきました。
それが、今回の研究で初めて、
その確かな証拠をとらえたことになるんですねー
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Ia型超新星における核融合反応。 |