アルマ望遠鏡が、
これまでに観測された「普通の銀河」のうち最も遠い銀河に、
星の材料になるガスの塊を検出しました。
このことは、宇宙初期の普通の銀河が、
「ただのかすかな点」以上のものとして観測された、
初めての例になるんですねー
目立たない普通の銀河を探す
ビッグバンから数億年後のこと…
宇宙最初の銀河が形作られたとき、宇宙は水素ガスの霧で満ちていました。
でも、天体が増えていくにつれて光によって霧が一掃され、
紫外線が遠くまで届く透明な宇宙へと変貌していきます(宇宙の再電離時代)。
こうした電離の原因となった、最初の銀河について分かっていることはほとんどなく、
今までは、ただのかすかな「しみ」としてしか撮影できていませんでした。
今回の研究では、
星が形作られている途中のガス雲に含まれる電離炭素のかすかな輝きを探すため、
アルマ望遠鏡を用いて観測を行っています。
普通の銀河こそが宇宙再電離の原因であり、
今の宇宙に数多く存在する銀河のもとになったという考えから、
クエーサーや星形成銀河ではなく、
目立たない一般的な銀河に注目していたんですねー
そしてビッグバンから、
わずか約8億年の頃の宇宙に存在する銀河“BDF 3299”に、
かすかながら確実な炭素原子からの電波がとらえられます。
今回の結果は、いわゆる普通の銀河からの放射としては、
ビッグバンから10億年以内という、今までで最も遠くで電波を検出した例になり、
最初の銀河が形成される過程を見る、チャンスを与えてくれるものになりました。
最初の銀河の内部構造
今回の観測で、最初の銀河を単なる小さな点ではなく、
中に構造を持つ天体として、初めて見ることが出来たんですねー
炭素の放射は、銀河の中心ではなく片側から発せられていて、
中心の雲が破壊されているためではないかと考えられています。
炭素の放射は、
銀河間空間から降り注ぐ、新鮮な冷たいガスの存在を示していて、
一方で銀河の中心部では、新しい星からの強烈な放射と超新星爆発の影響によって、
過酷な環境が作られ、ガスの破壊が起こっているようです。
予測・仮説の検証を可能にするアルマのデータ
さらに、アルマ望遠鏡による観測と、
コンピュータ・シミュレーションを組み合わせることで、
銀河の内部で起こっているプロセスを詳細に知ることができました。
計算による予測と観測結果を比較した結果、
“BDF 3299”は再電離を引き起こした典型的な銀河らしいことが、
明らかになります。
これまで、星間物資や再電離の原因天体については、
何年も理解しようとしてきたのですが、アルマ望遠鏡のデータにより、
これまでの予測や仮説を検証することができるようになってきたんですねー
そして、エキサイティングな発見があると同時に、
新たな疑問も生まれてきています。
このような観測によって、
宇宙における最初の星や銀河の形成についての多くの問題が、
明らかにされていくんでしょうね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 原始宇宙で、銀河の作られる様子
これまでに観測された「普通の銀河」のうち最も遠い銀河に、
星の材料になるガスの塊を検出しました。
このことは、宇宙初期の普通の銀河が、
「ただのかすかな点」以上のものとして観測された、
初めての例になるんですねー
目立たない普通の銀河を探す
ビッグバンから数億年後のこと…
宇宙最初の銀河が形作られたとき、宇宙は水素ガスの霧で満ちていました。
でも、天体が増えていくにつれて光によって霧が一掃され、
紫外線が遠くまで届く透明な宇宙へと変貌していきます(宇宙の再電離時代)。
こうした電離の原因となった、最初の銀河について分かっていることはほとんどなく、
今までは、ただのかすかな「しみ」としてしか撮影できていませんでした。
今回の研究では、
星が形作られている途中のガス雲に含まれる電離炭素のかすかな輝きを探すため、
アルマ望遠鏡を用いて観測を行っています。
普通の銀河こそが宇宙再電離の原因であり、
今の宇宙に数多く存在する銀河のもとになったという考えから、
クエーサーや星形成銀河ではなく、
目立たない一般的な銀河に注目していたんですねー
そしてビッグバンから、
わずか約8億年の頃の宇宙に存在する銀河“BDF 3299”に、
かすかながら確実な炭素原子からの電波がとらえられます。
銀河“BDF 3299”(中央)。 アルマ望遠鏡の観測画像とヨーロッパ南天天文台“VLT”による 可視光画像とを合成。 |
今回の結果は、いわゆる普通の銀河からの放射としては、
ビッグバンから10億年以内という、今までで最も遠くで電波を検出した例になり、
最初の銀河が形成される過程を見る、チャンスを与えてくれるものになりました。
最初の銀河の内部構造
今回の観測で、最初の銀河を単なる小さな点ではなく、
中に構造を持つ天体として、初めて見ることが出来たんですねー
炭素の放射は、銀河の中心ではなく片側から発せられていて、
中心の雲が破壊されているためではないかと考えられています。
炭素の放射は、
銀河間空間から降り注ぐ、新鮮な冷たいガスの存在を示していて、
一方で銀河の中心部では、新しい星からの強烈な放射と超新星爆発の影響によって、
過酷な環境が作られ、ガスの破壊が起こっているようです。
予測・仮説の検証を可能にするアルマのデータ
さらに、アルマ望遠鏡による観測と、
コンピュータ・シミュレーションを組み合わせることで、
銀河の内部で起こっているプロセスを詳細に知ることができました。
計算による予測と観測結果を比較した結果、
“BDF 3299”は再電離を引き起こした典型的な銀河らしいことが、
明らかになります。
これまで、星間物資や再電離の原因天体については、
何年も理解しようとしてきたのですが、アルマ望遠鏡のデータにより、
これまでの予測や仮説を検証することができるようになってきたんですねー
そして、エキサイティングな発見があると同時に、
新たな疑問も生まれてきています。
このような観測によって、
宇宙における最初の星や銀河の形成についての多くの問題が、
明らかにされていくんでしょうね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 原始宇宙で、銀河の作られる様子