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ケネディ宇宙センターに到着していた! 12月打ち上げの改良型“シグナス”補給船

2015年09月12日 | 宇宙へ!(民間企業の挑戦)
無人補給船“シグナス”運用4号機の部品が、
ケネディ宇宙センターに到着しているそうです。

今後、他の部品も続々と到着し、
今年12月の打ち上げ向けた準備が始まることになります。

無人補給船“シグナス”

“シグナス”は、アメリカのオービタルATK社が開発した無人の補給船で、
国際宇宙ステーションに物資を届けることを任務としています。

到着したのは“与圧貨物モジュール”と呼ばれる部分。

内部は1気圧の空気で満たされていて、国際宇宙ステーションに結合したあとは、
宇宙飛行士が中に入って貨物を運び出すことができます。

“シグナス”全体を開発したのはオービタルATK社なんですが、
この与圧貨物モジュールは、欧州のタレス・アレーニア・スペース社が製造。

同社はスペースシャトルに搭載されていた、
与圧コンテナの“多目的補給モジュール”も開発・製造した実績があり、
その技術が活かされているようです。

改良型“シグナス”補給船

“シグナス”は、商業補給ミッション(3回)と実証ミッション(1回)を合わせると、
これまでに4機が打ち上げられています。

ただし、今回のミッションから“改良型シグナス”が、
運用されることになるんですねー

改良型では、機体の全長が長くなり、
物資の搭載量は従来型の2トンから、最大3.5トンにまで増加。
シグナナス補給船(左)と改良型シグナス補給船(右)

また、それに合わせて、
エンジンや太陽電池が搭載されているサービス・モジュールも、
大型の円形太陽電池パドルが搭載されるなどの改良が施されています。

現在のところ、打ち上げ予定は今年の12月。

ただ、“シグナス”を打ち上げる“アンタレス”ロケットは、
前号機で失敗し、いま改良が行われている最中…

なので打ち上げには、
ユナイテッド・ローンチ・アライアンス社の“アトラスV”ロケットが、
使われることになります。

“アトラスV”は、“アンタレス”よりも打ち上げ能力が大きいので、
“改良型シグナス”の最大積載量になる3.5トンいっぱいまでの補給物資が、
運べるそうです。

現在オービタルATK社は、
前回打ち上げに失敗した“アンタレス”の改良だけでなく、
その失敗で損傷を受けた、
バージニア州ワロップス島の中部太平洋地域宇宙港の発射施設の修理も行っています。

発射施設の修理は今年の秋ごろに完了する予定で、
“改良型アンタレス”も2016年には初打ち上げを実施するそうです。

あと、2機目の“改良型シグナス”も、
2016年に“アトラスV”で打ち上げられることになっています。


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