宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

直径50億光年のリング状に分布する9つのガンマ線バースト

2015年09月27日 | 宇宙 space
約70億光年彼方の宇宙で、
9つのガンマ線バーストが直径50億光年のリング状に存在しているようすが、
明らかになったんですねー
70億光年の距離に位置するガンマ線バーストの分布図。
中央が発見された9つのガンマ線バースト。


ガンマ線バーストは、太陽が100億年かけて放つエネルギーを、
ほんの数秒で放出する宇宙で最も明るい現象です。

その明るさのおかげで、
ひじょうに遠いところで発生しても検出することができます。

今回の研究で発見したのは、
約70億光年彼方でリング状に分布している9つのガンマ線バースト。

リングの直径は、夏の大三角がすっぽり入る位いの差し渡し36度で、
実際の宇宙空間では、約50億光年に相当するんですねー!

そして偶然こうした分布となる可能性は、2万分の1しかないそうです。


宇宙の原理に合わない構造

宇宙を大きなスケールで見ると、
その構造は一様で、物理的性質が方向によって違わないとされています。

“宇宙原理”と呼ばれるこのモデルは、
マイクロ波観測衛星“WMAP”や“プランク”による、
初期宇宙やマイクロ波背景放射の観測結果からも支持されています。

でも“宇宙原理”に従えば、
宇宙最大の構造は12億光年が限度になることに…

今回発見されたリングは、その予測より5倍も大きいんですねー

銀河形成や大規模構造に関する既知のプロセスで、
今回見つかったような構造が形成され得るのか、
それとも宇宙の進化に関する理論をくつがえす必要があるのか、
引き続き研究は続けられるようです。


こちらの記事もどうぞ ⇒ 衛星“プランク”がとらえたリングと巨大ループ