すばる望遠鏡の観測データから、チリに覆われた銀河“DOG”の探査が行われ、
新たな“DOG”が48個発見されました。
“DOG”の赤外線光度は、太陽の10兆倍以上にもなると推定されていて、
急成長を遂げつつあると考えられているんですねー
銀河とその中心の超大質量ブラックホールの進化を知る上で、
大きな手がかりになるそうです。
銀河の進化を理解する
ほぼすべての銀河の中心部には、
太陽の10万倍から10億倍もの質量を持つ、
超大質量ブラックホールが存在しています。
ブラックホールの質量と銀河の質量には強い相関が見られので、
銀河と超大質量ブラックホールは、
お互いに影響を及ぼし合いながら成長(共進化)してきたと考えられています。
そして、銀河進化を理解するのには、
銀河に影響を及ぼす超大質量ブラックホールが、
銀河とどのような物理過程を経て共進化しているのかを、
知ることが必要不可欠になります。
チリに覆われた銀河
今回の研究では、共進化を調べるため、
“DOG(Dust Obscured Galaxy)”と呼ばれるチリに覆われた銀河に注目。
“DOG”は可視光線では極めて暗いんですが、
赤外線で見ると明るいという特徴を持っています。
その中心のブラックホールは、
今まさに急成長をしているような「成長期ブラックホール」であることが、
理論的研究から期待されています。
また“DOG”の多くが、
銀河の星生成活動が最も活発だったと考えられている時代(80~100億年前の宇宙)に、
集中的に存在していたことも知られています。
なので“DOG”と中心のブラックホールは、
両者が共に急成長しているような興味深い段階にあり、
共進化の物理を理解する上で重要な「共進化途上期」にあると期待できるんですねー
でも“DOG”は、
可視光線で非常に暗い上に空間個数密度も低いので、
可視光線での探査で多数の“DOG”を発見し、
その統計的性質を明らかにすることは困難でした。
そこで今回の研究では、
すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ“HSC”で得られた初期データを用いて、
“DOG”を探査。
“HSC”による広視野で高感度の観測と、
NASAの赤外線天文衛星“WISE”などによる赤外線データを比較することで、
新たに48個の“DOG”を発見しています。
HSCによる今後の観測に期待
発見された“DOG”の赤外線光度は、太陽の10兆倍以上にもなると推定され、
“DOG”が極めて明るい天体種族であることが分かりました。
さらに、“DOG”の明るさの波長依存性や個数密度の光度依存性などを踏まえると、
赤外線で極めて明るい“DOG”の中心部には、
急成長を遂げつつある超大質量ブラックホールがあると考えられるんですねー
この成果は、銀河と超大質量ブラックホールの共進化の謎を解明する上で、
観測的視点から、これまでにない大きな手がかりを与えてくれるかもしれません。
特に、赤外線で非常に明るいチリに覆われた銀河に、
本当に活動的なブラックホールが存在しているのかどうかは、
これまで謎でした。
でも今回の研究によって、その存在を確認することができました。
“DOG”探査という点では、現状HSCの独壇場と言える状態にあるので、
今後HSCの観測から、数千個の“DOG”の発見が見込まれています。
そのデータに対してX線などの多波長データを使用し、
“DOG”やその中心のブラックホールの性質がより詳細に分かるといいですね。
こちらの記事もどうぞ ⇒ 太陽1億4000万個分もある!? 銀河中心の超大質量ブラックホール
新たな“DOG”が48個発見されました。
“DOG”の赤外線光度は、太陽の10兆倍以上にもなると推定されていて、
急成長を遂げつつあると考えられているんですねー
銀河とその中心の超大質量ブラックホールの進化を知る上で、
大きな手がかりになるそうです。
銀河の進化を理解する
ほぼすべての銀河の中心部には、
太陽の10万倍から10億倍もの質量を持つ、
超大質量ブラックホールが存在しています。
ブラックホールの質量と銀河の質量には強い相関が見られので、
銀河と超大質量ブラックホールは、
お互いに影響を及ぼし合いながら成長(共進化)してきたと考えられています。
そして、銀河進化を理解するのには、
銀河に影響を及ぼす超大質量ブラックホールが、
銀河とどのような物理過程を経て共進化しているのかを、
知ることが必要不可欠になります。
チリに覆われた銀河
今回の研究では、共進化を調べるため、
“DOG(Dust Obscured Galaxy)”と呼ばれるチリに覆われた銀河に注目。
“DOG”は可視光線では極めて暗いんですが、
赤外線で見ると明るいという特徴を持っています。
その中心のブラックホールは、
今まさに急成長をしているような「成長期ブラックホール」であることが、
理論的研究から期待されています。
また“DOG”の多くが、
銀河の星生成活動が最も活発だったと考えられている時代(80~100億年前の宇宙)に、
集中的に存在していたことも知られています。
なので“DOG”と中心のブラックホールは、
両者が共に急成長しているような興味深い段階にあり、
共進化の物理を理解する上で重要な「共進化途上期」にあると期待できるんですねー
でも“DOG”は、
可視光線で非常に暗い上に空間個数密度も低いので、
可視光線での探査で多数の“DOG”を発見し、
その統計的性質を明らかにすることは困難でした。
そこで今回の研究では、
すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ“HSC”で得られた初期データを用いて、
“DOG”を探査。
“HSC”による広視野で高感度の観測と、
NASAの赤外線天文衛星“WISE”などによる赤外線データを比較することで、
新たに48個の“DOG”を発見しています。
“DOG”の波長別画像。 左:可視光線(すばる望遠鏡の超広視野主焦点カメラ“HSC”) 中央:近赤外線(ヨーロッパ南天天文台ビスタ望遠鏡) 右:中間赤外線(NASAの赤外線天文衛星“WISE”) |
HSCによる今後の観測に期待
発見された“DOG”の赤外線光度は、太陽の10兆倍以上にもなると推定され、
“DOG”が極めて明るい天体種族であることが分かりました。
さらに、“DOG”の明るさの波長依存性や個数密度の光度依存性などを踏まえると、
赤外線で極めて明るい“DOG”の中心部には、
急成長を遂げつつある超大質量ブラックホールがあると考えられるんですねー
この成果は、銀河と超大質量ブラックホールの共進化の謎を解明する上で、
観測的視点から、これまでにない大きな手がかりを与えてくれるかもしれません。
特に、赤外線で非常に明るいチリに覆われた銀河に、
本当に活動的なブラックホールが存在しているのかどうかは、
これまで謎でした。
でも今回の研究によって、その存在を確認することができました。
“DOG”探査という点では、現状HSCの独壇場と言える状態にあるので、
今後HSCの観測から、数千個の“DOG”の発見が見込まれています。
そのデータに対してX線などの多波長データを使用し、
“DOG”やその中心のブラックホールの性質がより詳細に分かるといいですね。
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