宇宙のはなしと、ときどきツーリング

モバライダー mobarider

銀河は円盤から楕円に形を変えている

2015年09月09日 | 宇宙 space
宇宙に存在する多くの銀河が、
過去80億年ほどの間に、劇的な形態変化を遂げているという、
研究が結果が発表されました。

これらの銀河は、丸い円盤から楕円形へと形を変化させたそうです。
ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した渦巻銀河“NGC 7714”


恒星の数から分かったこと

今回の研究では、
現在観測可能な宇宙に存在する数十億個の銀河のうち、
約1万個の銀河に関する観測データを詳細に調べた後、
“ハッブル宇宙望遠鏡”と赤外線天文衛星“ハーシェル”を用いて、
宇宙史をさかのぼる遠方銀河の観測を行っています。

観測の結果、
約137億年前のビッグバンの後に形成された恒星の83%は、
当初、回転している平らな円盤形の銀河に集まっていました。

でも現在では、これらの円盤形の銀河内には、
宇宙に存在する恒星の49%しか位置しておらず、
残りは楕円形の銀河内に位置しているんですねー

この結果が意味するのが、
円盤形の銀河が大規模な形態変化を経て、
楕円形の銀河になったということ。

宇宙に存在する恒星の大半は、
120億~80億年前の間に形成されたと考えられています。


どのような形態変化だったのか

形態変化があったとする観測結果については、2つの説があります。

1つは、円盤形の恒星集団2個が互いに接近しすぎて結果、
重力で合体して無秩序な星の塊になり、楕円銀河が形成されたという説。

もう1つは、円形の平坦な銀河内にある恒星が、徐々に中心方向に移動して、
無秩序な、ほぼ楕円形の恒星集団が形成されたという説です。

このような銀河の形態変化は、
これまで、すでに理論化されていました。

でも今回の研究では、
“ハッブル”と“ハーシェル”を合わせて用いることで、
変化の過程を正確に測定することに初めて成功しているんですねー

そして、銀河は宇宙を構成する基本要素なので、
この形態変化は、宇宙の姿と性質における、
過去80億年間での最も重大な変化を表しているそうですよ。


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