1969年、私は東京で浪人生活を始めた。まだ18歳だった。
「18歳が最も美しい季節であったなんて、誰にも言わせるわけにはいかない。」P.ニザン改
予備校が御茶ノ水にあったから、4/28は御茶ノ水に居た。6月、新宿は通学経路上だったから、西口広場にも時々は覗きに行けた。日比谷公園も初秋に何かの集会を覗きに行った記憶がある。でも11月ともなると、最後の追い込みで、不得意科目の勉強に集中しようと努力していた。
あの頃はナイーブというか無知というか、関西風に言えばアホだったのだろう。
20年後の1989年初めに川本三郎さんのこの本に出会った。会社の意向など無視して、自分で勝手に設定した1年半のサバティカルイヤーも終わった私は、もう分別ざかりを過ぎ、普通の会社員生活に戻っていた。
そして今日、観客の余り居ない鴨居のシネコンで妻夫木聡主演の「マイ・バック・ページ」を見た。本の内容を忠実に再現する映画で、40年前のことを色々と思いださせる映画だった。
欲を言えば、CCR以外のあの頃の音楽をもっとバックに流して欲しかったが、版権の関係で無理だったのだろうか。それから、山本義隆役はもっとずっとかっこ良くて、背の高い、ギョロ眼の俳優にやってもらいたかったな。
ああ、でも、試験前とか、旅行前とか、準備をきちんとしなくては、という時に限って、本を読み始めたり、映画を見に行ったり、ブログを書いたり、準備とはなにか別のことをはじめてしまう、この癖は直さないといけない。