信州大学の市民教養教室で開催された、「ハザードマップを持って巡る地形と地質」なる催しに5/14㈰参加した。案内役はブラタモリでも有名になった信大の大塚特任教授だ。
あいにくの雨の中、長野道で長野市の地附山へ。
ここは1985年7/20に大規模な地滑りが発生し26人が亡くなられた現場である。
多くの方が無くなったが、そのすぐ後に日航機の墜落でその20倍の方が亡くなったので、あまり記憶に残らなかった事故だった。
地滑りのメカニズムとしては、滑りやすく水を通しにくい粘土層とその上の水を通しやすくやわらかな凝灰岩があり、そこに長梅雨の雨が浸透/溜まって山の斜面を滑り落ちたもの。
これが、原因の一つ、裾花凝灰岩。
そこここにこの凝灰岩の露頭があり、その周辺にはボロボロ崩れる凝灰岩の風化した土がある。
崩れ落ちた現場で見ても、それほど急な傾斜とは思えず、普通のなだらかな山なのだが、条件が整うと、崩れるというより、山の数分の一が一体になって、斜面を流れ落ちるのだそうだ。被害直後の写真には、山の表層とその森林がかなり残っているし、この時、地滑り事前調査の為、現場入していた県職員は流れ落ちる樹木にしがみついて助かったとのこと。
現場は今は公園となっており、さらに地滑りが進まないように、粘土層の下の固い地盤まで数十mの鋼製パイルを打ち込み、
地滑りの原因となる水を抜くように、四方八方に排水トンネルを巡らせて集水タンクに集めて排水しているらしい。
しかし、現場を眺めても、地図を見ても、事前にここが地滑りを起こすとは、専門家には分かっても、にわかタモリには分かんないよね。と言うのが私の感想。
地附山の場所と地形は添付の地図をダブルクリックして拡大してみてください。