小学生の頃、自分の自転車を買ってもらうことはとてつもなく嬉しかった。
当時の「変速車」には、荷台のところに「フラッシャー」(=車で言えばテールランプ)が付いていた。
自転車にそんな機能は必要かどうかが問題ではないのだ。
それがカッコいい!と胸を躍らせていたのだ。
(転唐キると脆くも割れてしまったりしたのだが・・・)
自分で自由になる乗り物を手に入れることで活動範囲がどんどん広がる楽しさがあった。
そして何よりも“宝物”としてもの凄く大事にしていた。
街中の自転車屋さんに、自転車の修理を依頼に行ったので世間話を聞いていると「今の高校生は3年間で“使い捨て”してしまう。」とのこと。
見ると店頭には高校の通学シールを貼った通学自転車がずらりと並んでいる。
中古車で販売するにも「新車で一万円台」もあり、採算も合わないとのこと。
「自転車よりも(欲しいモノは)携帯の方が断然大事」なのだそうだ。
なんだか、ちょっと違う気がするけどなぁ~などと思いつつ、「戦後すぐにココに来て商売やっているけど、この学区には子供が一人しかいないしねー」と今の経営環境を語ってくれた。
しばらく作業を見ながら話していて、修理とメンテナンスが終わった「息子のお下がり」MY自転車に颯爽と乗り込むのであった。