そよ風つうしん

小さな自然の発見をご紹介してきましたが、転居で環境が激変。内容を一部変更し日々の雑感を綴ったりもしています

雪の結晶に想う

2008年01月25日 | ポエム&好きな言葉
これは今朝の北側の窓からの眺めです。
昨夜降り積もった雪が朝日に照らされて、普段とはちょっと違った風景になりました。

昨日も、風が強くて一日雪が舞っていました。
積もりはしないのですが、風に吹き飛ばされたかたまりが、フワフワとベランダに飛び込んできます。

気温が高かったので六花は見えないだろうと思いつつ、少し写してみました。

落ちながらも融けているのでしょうが、目の前で、あっというまに姿を変えていく、その速さが口惜しかったです。

雪というよりも、氷の芸術作品と呼ぶほうがふさわしいでしょうか?



こんな繊細なガラス細工が、壊れずに落ちてくる・・・・

天は、時に思わぬ贈り物を届けてくれますね。


雪といえば、思い出すのは三好達治の詩です。
中学校の教科書で習ったような記憶があります。

   
    < 雪 > 三好達治

太郎を眠らせ、 太郎の屋根に雪降りつむ

次郎を眠らせ、 次郎の屋根に雪ふりつむ


こんな短い詩ですが、深い雪に閉ざされた、北国の風景が瞼に浮かびます。
すごいなあと思うのです。
たった、これだけの言葉で・・・

学校で習って以来すっかりこの詩人が好きになりました。
その後に読んだ本の中にあった詩の、書き出しのこんな言葉が私の心をとらえました。

しばしば引用されているので、ご存知の方も多いことでしょう。



ああ智恵は かかる静かな冬の日に
 
それはふと思ひがけない時に来る
 
人影の途絶えた境に

山林に
  
たとへばかかる精舎の庭に

前触れもなくそれが汝の前に来て

かかるとき ささやく言葉に信をおけ

「静かな眼 平和な心 その外に何の寶(たから)が世にあらう」

< 冬の日・三好達治> より抜粋  (旧仮名遣いはそのままにしています)


心に大きな苦しみを抱えて、古いお寺の庭に立っていた作者のこころに、やわらかな木漏れ日といっしょに 天から何者かがささやく言葉が聞こえてきたようです。

この世で本当に大切なものは何であるか・・・それを求めてもがいていた私に、答えを教えてくれた一編の詩です。

特に最後の一行は、手帳に書き止めて、忘れないように時々口ずさんでいます。




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コメント (4)
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