モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

「幸せを呼ぶ青い蜂」ナミルリモンハナバチが吸蜜する花に集まる昆虫たち。なんと寄生蜂がゾロゾロ(妻女山里山通信)

2024-08-25 | アウトドア・ネイチャーフォト
 絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)の撮影は過酷ですが、姿を消す時間があります。そんなときは、ブルービーが吸蜜する花に集まる昆虫たちを撮影することもあります。そんな虫たちを集めてみました。驚きの結果が。

 マウンテンミント(ピクナンテヌム:シソ科)で吸蜜中なのは、ハラアカヤドリハキリバチ。この蜂もナミルリモンハナバチと同様に労働寄生をします。

 オオハキリバチの巣に侵入し、オオハキリバチが幼虫のために保存していた餌に産卵し、巣を乗っ取ります。その際に、卵は噛み潰し、幼虫は外に捨てます。オオハキリバチは知らずにせっせと餌を運びます。

 ジガバチ。狩蜂の一種で、地面に穴をほって巣を作ります。蛾の幼虫を狩って巣に運び卵を幼虫の体に産み付けます。孵化したジガバチの幼虫は蛾の幼虫を食べて成長します。

 キオビツチバチ。触覚が長いのでオス。メスはコガネムシの幼虫に卵を産み付け、孵化した幼虫はコガネムシの幼虫を食べて育ちます。

 オオモンツチバチ。これも土の中のコガネムシ類の幼虫に卵を産み付ける寄生蜂です。 コガネムシの幼虫をにおいで探して土に潜り、幼虫を見つけると毒針で幼虫を麻痺させ産卵をします。この花園には、なぜか寄生蜂ばかりが集まっています。

 オオハナアブ。複眼がついているのでオス。複眼に独特の文様があります。幼虫は水中で生活し、落ち葉や昆虫の死骸などの腐食物を食べます。

 ツマグロヒョウモンのオス。ツマグロヒョウモンは我が家の庭にも来ます。

 ヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)。タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科。食草はイネ科のススキ、カヤツリグサなど。

 ベニシジミ(紅小灰蝶)。幼虫の食草は、タデ科のスイバやギシギシなど。翅の表が少し見えていますが、夏型は少し黒っぽい。

 特定外来生物のアカボシゴマダラ。国立環境研究所のサイトによると、「“放蝶ゲリラ”による人為的な放蝶によると考えられている。」とあります。タテハチョウ科は、植物防疫法で検疫有害動物に指定されています。ゴマダラチョウやオオムラサキと競合するので、それらの減少を招く危険性があります。まずいことに産卵中?

「茶臼山動植物園案内図」植物園は下部が恐竜園で上部が植物園と森の中にはアスレチック。長いローラー滑り台もあります。距離は2キロもあり高低差も200mほどあります。33haもあるので、ナミルリモンハナバチがどこにいるのかを特定するのは極めて困難でした。

 ログハウスの休憩所と北口のロープーウェイ。上の南口から入る人が多いのですが、レッサーパンダにすぐ会えるので実は北口がお勧めです。リニューアルしたオランウータンとライオンは大人気の様です。

 北東の眺め。エムウェーブの奥に小布施の雁田山が見えます。善光寺平には高層ビルがないのがいいですね。高いところに住みたければ周囲の里山の上に住めばいいのです。毎日素晴らしい夜景が見られます。

 最後に、「幸せを呼ぶ青い蜂」ナミルリモンハナバチ、通称ブルービー。最初に見かけてから、集まる場所を見つけるのに3年かかりました。

幸せを呼ぶ青い蜂・絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)2024(妻女山里山通信):8月2日の記事。

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、都合によりリンク先の楽天ブログに移転しました。

インスタグラムはこちらをクリックツイッターはこちらをクリックYouTubeはこちらをクリック。米子大瀑布、絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ・キバネツノトンボ・北信流など。これからどんどんアップしていきます。
 
もう一つの古いチャンネルはこちら。76本のトレッキングやネイチャーフォト(昆虫や粘菌など)、ブラジル・アマゾン・アンデスのスライドショー

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。掲載の写真は有料でお貸しします。他のカットも豊富にあります。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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幸せを呼ぶ青い蜂・絶滅危惧種のナミルリモンハナバチの撮影に二度三度。ツマグロヒョウモンのメス(妻女山里山通信)

2024-08-21 | アウトドア・ネイチャーフォト
 絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)の撮影に再び訪れ、翌日も訪れました。3分撮影しては3分休憩の繰り返しで2時間。撮影中はたびたび息を止めるので3分が限界です。まるでウルトラマンの様。ブルービーの生態などの詳しい説明はひとつ前の記事を読んでください。
  持参するお茶は、自分で淹れたノンカフェインのルイボスティーかマテ茶、タンポポ茶のいずれか。ルイボスティーはポリフェノールが豊富で、活性酸素の抑制や除去などの効果が。マテ茶は鉄分やビタミンが豊富で、飲むサラダといわれます。タンポポ茶は解毒作用、利尿作用があり、カナダの研究チームにより制癌作用があることが分かっています。麦茶は雑菌が繁殖しやすいので持っていきません。

 ロシアンセージ(シソ科)で吸蜜するブルービー。

 吸蜜中のブルービーを邪魔するシーン。他にいくらでも花があるのにちょっかいを出します。それとも求愛行動?

 マウンテンミント(ピクナンテヌム:シソ科)で吸蜜中。

 この日も風があって花が揺れるので羽ばたいています。

 花が極小なので蜜も少ない。

 風がやんで花の揺れがおさまると羽ばたくのを止めます。

 口吻は割りと太め。

 右の翅の先端が少し欠けています。この形で個体識別ができます。

 翅の欠けが上と違うので別の個体です。左後脚を左の花によいしょと。

 左の触覚が欠けた個体。5つ後のカットでも出てきます。

 口吻の先が見えます。別のカットでは2つに割れているものも。

 後ろ脚には鋭いトゲが見えます。

 右の翅の欠けがさっきとは違います。

 割りと太い触覚。

 5カット前の触覚が欠けた個体。

 脚の先端の爪を花にひっかけて吸蜜。

 口吻の先が割れている様に見えるカットもあるので、オオムラサキの様に2本の樋(とい)状のものが合わさって筒になっているのでしょうか。

 口吻は牙の間から伸びていて繊毛があるのが見えます。

 翅は茶色に見えますが、2022年8月の記事を見ると青く写っています。翅も構造色なのでしょうか。

 顎の牙の形がよく分かります。

 マクロレンズのゴムフードから5センチぐらいに近づいても逃げません。

 首は意外に細く黄色い。

 最後にツマグロヒョウモンのメス。3頭ほど舞っていました。2時間で500カット余りの撮影。シャッターチャンスも限られますが、使えるのは5%もありません。過酷な三回目の撮影。流石に過労気味です。

幸せを呼ぶ青い蜂・絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)2024(妻女山里山通信):8月2日の記事。

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幸せを呼ぶ青い蜂・絶滅危惧種のナミルリモンハナバチを探してロシアンセージ、マウンテンミント、キャットミントの花園へ(妻女山里山通信)

2024-08-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 絶滅危惧種のナミルリモンハナバチを求めて8月2日に撮影した場所へ登ったのですがいません。ナミハンミョウもいませんでした。そこで数年前に初めて目撃した茶臼山自然植物園のある場所へ。やはりいません。そこで、ブルービーが吸蜜できる小さな花が咲く場所へ行ってみました。これが大当たり、たくさんの昆虫がいて最初は分かりませんでしたが、よく見るとブルービーが5、6匹いました。しかし撮影条件は最悪でした。
 ナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)は、「幸せを呼ぶ青い蜂」といわれ、ブルービー(Blue Bee)の愛称を持つ。全国的に減少傾向で、県によって絶滅危惧Ⅰ類、絶滅危惧Ⅱ類、準絶滅危惧種に指定されています。長野県では準絶滅危惧種に指定されています。

 ロシアンセージ(シソ科)で吸蜜するブルービー。ナミルリモンハナバチは、コシブトハナバチ類(スジボソフトハナバチ)やケブカハナバチ類の巣に寄生(労働寄生)し、幼虫は巣に貯えられた花粉などを横取りして育つという珍しい生態をしています。寄生のために卵の数が制限されることも数が増えない理由の様です。

 マウンテンミント(ピクナンテヌム:シソ科)で吸蜜中。いずれも花が極小なためすぐに別の花へ飛び移ってしまうため撮影は大変です。おまけに北風が吹いて花が揺れます。さらに背中に激熱の直射日光が。カメラもすぐにヒートアップ。この夏最悪の撮影条件でした。

 長い口吻で吸蜜。しかし花が極小なのですぐに蜜がなくなるのでしょう。滞在時間は1秒もありません。

 風で木陰になったりして撮影条件がコロコロ変わります。他の昆虫に邪魔されたりして突然飛び立つことも。

 風で揺れるのと花が小さいので安定しないのか、ほとんど羽ばたいていました。ミツバチの仲間なので1秒間に100〜250回ぐらいでしょう。縦横にある飛翔筋が交互に収縮と伸張を繰り返し、高速で羽ばたくのです。そのためブ〜ンという羽音がします。
 昆虫が翅を動かして飛ぶ構造は主に二つあり、トンボの翅は4枚が複雑な動きをしてホバリングや少しなら横移動、後退もできます。筋肉が4枚の翅の基部につながっていて、それぞれを別々に動かせます。これを直接飛翔筋型昆虫といいます。蜂のように、筋肉が翅ではなく外骨格につながっていて、筋肉を交互に収縮させて、外骨格全体を変形させて飛ぶのを間接飛翔筋型昆虫といいます。外骨格の反動を使うので1秒間に1000回以上の羽ばたきができるのです。

 長い口吻は、黒とべっ甲色の縞模様。

 シャッタースピードを少し上げてもこんなものです。脚は花についてますが、実際はホバリングでバランスをとる状態。

 あまりの暑さと疲労で展望台へ。最高気温は34.5度。山の上は29度ぐらいで風が吹くと気持ち良いのですが、なにせ直射日光がきつい。蝉はヒグラシとアブラゼミに加えてミンミンゼミも鳴き出しました。お母さんと低学年の少年と年長さんの女の子が昆虫採取に来ました。ブルービーの写真を見せて、ミヤマクワガタがいる近くの森を教えてあげました。吉田拓郎の「夏休み」が脳内を流れるひとときでした。万葉集から・・・。
「ひぐらしの 鳴きぬる時は をみなへし 咲きたる野辺を 行きつつ見べし」秦忌寸八千島:巻17-3951
(ひぐらしが切なく鳴く時は、女郎花の咲いている野辺を歩きながら、花を見るのがよいですね)越中富山で詠まれた歌。
「黙(もだ)もあらむ 時も鳴かなむ ひぐらしの 物思ふ時に 鳴きつつもとな」詠み人知らず:巻10-1964
(のんびりと気持ちがくつろいでいる時にでも鳴いてほしいひぐらしが、考え事をしている時にやたらと鳴いて落ち着かない)


 展望台へ下る前に撮影したオオモンツチバチ。土の中のコガネムシ類の幼虫に卵を産み付ける寄生蜂です。 コガネムシの幼虫をにおいで探して土に潜り、幼虫を見つけると毒針で幼虫を麻痺させ産卵をします。別名はコガネバチで、『ファーブルの昆虫記』にも出てきます。
 
 人を襲うことはほとんどありませんが、毒針を持っているので要注意。

 今回ナミルリモンハナバチが吸蜜していた三種類の花。左からロシアンセージ、マウンテンミント、キャットミント。いずれもシソ科です。

 ナミルリモンハナバチが吸蜜しない花たち。左からオイランソウ(花魁草・フロックス)。毒草です。ムクゲ(木槿・赤花笠)。ブッソウゲ(仏桑花・ハイビスカス・アメリカフヨウ)。いずれも花が大きすぎて吸蜜できません。

 午後1時。さすがに限界なので下ります。恐竜公園の一番上辺り。長男が4歳の頃、これの口から顔を出したら、1歳の次男が兄ちゃんが食べられたとギャン泣きした思い出。

 りんご畑の上から妻女山山系と奥に鏡台山。左奥には保基谷岳や菅平の大松山。とりあえず温泉へ向かいました。現在善光寺平では、川中島白桃の出荷が最盛期です。ブドウも出始めました。
幸せを呼ぶ青い蜂・絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)2024(妻女山里山通信):8月2日の記事。

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アオイトトンボ、ミカドフキバッタ、クマバチ、シオカラトンボ。ピラミッドアジサイ、ハナトラノオ、コオニユリ。「やたら漬」(妻女山里山通信)

2024-08-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 絶滅危惧種のナミルリモンハナバチを求めて登ったのですがいませんでした。ではとナミハンミョウの生息地へ。やはりいませんでした。仕方なく山を下って、茶臼山自然植物園へ。
 今回は、紺と白のボーダー柄のTシャツで。シマウマのボーダー柄には虫よけの効果があるそうで、黒牛に白い縞を描いたら虫が70%減ったそうです。アブには取り憑かれませんでした。白いTシャツは目一杯集られます。黒は蜂に襲われます。山へ行くときはマリンファッションがおすすめ。

 アオイトトンボ(青糸蜻蛉)アオイトトンボ科アオイトトンボ属。胸部が撮影の角度でメタリックブルーではなくゴールドに見えます。昨年はもっと色々な種類のイトトンボが見られたのですが、今年は本当に少ない。

 ミカドフキバッタ(ミヤマフキバッタ)。翅が短いフキバッタの一種で飛べません。後脚の腿節下面が赤い。フキやクズ、イタドリなどの葉を食べます。

 ピラミッドアジサイ。日本の山に自生するノリウツギの仲間。和名をミナヅキ(水無月)といい中国と日本が原産地だそうですが、花房が全て装飾花化した園芸品種です。背が高くボリュームが有り見栄えがします。

 クマバチ(熊蜂)。木に縦に穴を開けて仕切りを作り、花粉団子を入れて卵を産み付けます。翅があまりに小さいため航空力学的に飛べないといわれたこともありますが、レイノルズ数の理論で飛べることが分かりました。流体力学において慣性力と粘性力との比で定義される無次元量のことなんですが、わかりやすく言うと、クマバチにとって空気はサラサラではなく、人間にとっての水みたいな粘性(抵抗)があって、充分に飛べるということです。

 クマバチが吸蜜していたのは、シソ科のハナトラノオ(花虎の尾)。別名はカクトラノオ。北アメリカ原産でフィソステギア・ローズクイーン。花言葉は「希望」「望みの達成」。

 シジミチョウはヤマトシジミが何頭か見られただけ。猛暑のためか昆虫そのものが少ない。

 葉の付け根に珠芽(むかご)が無いのでコオニユリ。コオニユリの百合根は非常に美味しく道の駅で売られていたりしますが高価です。

 妻女山と斎場山方面の眺め。下から涼しい風が吹き上げてきました。

 シオカラトンボ(塩辛蜻蛉)のメス。複眼が茶褐色で、腹部の第8節が横に膨らんでいる様にも見えるのでメスのムギワラトンボ。止まっているのは、ベルカシア・アンプレ・クリカウリス。

 眼下はリンゴ畑。青いリンゴがなっています。

 目を上げると遠くに奇妙山。奥の根子岳と四阿山は雲の中。昼のチャイムが鳴ったので、とりあえず温泉へ向かいます。

「やたら漬」信州北部、主に飯綱町を中心に伝わる郷土料理。畑のナス、キュウリ、ミョウガ、ボタンコショウ、大根の味噌漬けを微塵切りにした早漬け料理。今回は、紫蘇の実の塩漬け、青紫蘇の葉を入れ、あご出汁のめんつゆを加えています。
 我が家は昔、飯綱町の叔母から母が教わり妻へと伝わりました。入れる野菜や味付けは家庭によって色々。ご飯はもちろん冷奴や素麺、冷や麦にも。ボタンコショがなければ万願寺トウガラシでも。大根の味噌漬けは昨年の冬に漬けました。やたら野菜を入れるとかやたら刻むとかやたら美味しいとか、語源は様々。コツは、食べる直前に作ること。時間が経ったらおやきとかに。トマト入れたり新感覚のやたら漬けもあります。あご出汁のめんつゆを入れたのは、野菜だけだと旨味成分がないから。塩昆布を入れるとグッと美味しくなります。

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猛暑日の妻女山里山デザイン・プロジェクトは、倒木処理と除草。昼はアヒージョとカンパーニュ(妻女山里山通信)

2024-08-04 | アウトドア・ネイチャーフォト
 長野市の最高気温が36度の猛暑日。妻女山里山デザイン・プロジェクト(妻女山SDP)は、倒木処理や除草をしました。9時半頃の山上は27度。なんとか作業はできました。

 まず林道脇に市が切って転がしておいた5mほどの落葉松を玉切りして処理。上が折れた立ち枯れの落葉松を発見。いつ倒れるかも知れず危険なので伐倒します。

 受け口を作ります。

 慎重に切っていきます。

 安全に伐倒できました。メンバーは全員がチェーンソーを使えますが、やり方を熟知した上で更に伐採時は周囲の状況を把握しないといけません。林業の労働災害発生率は、全産業平均の約10倍です。最近はハーベスタなどの最新機器やドローンも使われていますが、それでも安全対策は最も大事です。

 玉切りして足で蹴飛ばして転がします。

 林道脇に持ち上げて。

 転がり落ちる危険があるので玉切りします。

 これで大丈夫でしょう。

 伐倒した落葉松は樹齢が50年以上でした。ここは桑畑だったところです。養蚕が終わり、かわりに落葉松を植林したのがその頃。我が家の山もそうでした。売ればいいのですが1本数百円にしかなりません。なので放置林になっているのです。まあ二酸化炭素は吸収してくれますが。里山が荒れ放題なのはお金にならないからです。我々も無償で里山保全をしていますが、限界があります。

 その脇に立ち枯れの栗の木があったのでこれも切りました。これでここの作業は終了。約30分かかりました。取り敢えず長坂峠に登って休憩。

 次に長坂峠南面の除草。ノイバラとヨウシュヤマゴボウを刈ります。ここはイノシシの通り道なので藪にすると隠れ場所になって危ないので除草します。オオムラサキの幼虫の食樹のエノキがあるので、その周囲も綺麗にします。30分たらずで終了。帰りにここで読者のSさんと邂逅。タマムシの撮影をしていました。

 貝母の群生地のある陣場平へ。ここはアカネとか在来種の植物もあるので、貝母群生地の中のヒカゲイノコズチとイネ科の植物だけ除草します。ものすごい数のクロメマトイにまとわりつかれます。オニヤンマくんもクロメマトイには全く効きません。タオルを振り回すといなくなりますがいっ時です。ゴーグルをしていないと目に飛び込んできます。
 ハッカオイルは一時的に有効です。ゴーグルやモスキートネット付きの帽子が有効です。もう一つ、昨年試して効果抜群だったのが、濃紺と白のマリンボーダー柄のTシャツ。ある酪農家が黒い牛に白のストライプを描いたら70%虫が減ったそうです。シマウマに虫が寄り付かないことから判明したそうです。有害帰化生物のアカボシゴマダラが一頭。

 イネ科の植物は株になるのでヤマグワで根こそぎ掘り起こしました。20分ほどで終了。樫の木のベンチでしばし休憩。蝉の声だけ。樹液バーにも何もいませんでした。昨年に続き猛暑で昆虫がほとんど見られません。ただ長いスパンでは地球は寒冷化に向かっており、その過程でドラスティックな気象変動が起きると。縄文海進の際はもっと高温でした。全てをCO2のせいにするのは、政治的経済的な思惑によるものです。テレビなんぞに出ない本物の気象専門家は(たとえば東大のある名誉教授)最新のミランコビッチ・サイクルなどで語っていますが、マスゴミは全く取りあげません。SDGsも本当は非常に胡散臭いのです。メガソーラーは上海電力が膨大な二酸化炭素を出して製造しているものです。二酸化炭素の売買(排出権取引)も実は問題が多い。メガソーラーで阿蘇山や釧路湿原が壊滅の危機。自然災害に弱く破壊されたら、カドミウム、カドミウムテルル、鉛、ヒ素などが流出し回収は不可能です。要するに全て利権、金なのです。テレビや新聞は信用してはいけません。全て利権巨大企業をスポンサーにしています。コロナワクチンもそうです。

 最後は昼に使わせてもらうKさんのログハウスへ。まず除草します。階段も腐ってきているのでなんとかしないといけません。

 綺麗になりました。藪にしておくと野生動物が来ます。5月にはキツネがいました。淡竹の季節には親子連れの熊も来ます。熊に顔を引っかかれたが命に別条はないと報道されますが、顔面の骨が砕かれます。熊は臆病なのでまず出会わない用意が必要です。生まれて間もない子連れの熊には熊鈴は役に立ちません。前もってホイッスルや爆竹で逃げる時間を与えることです。藪を近づいてくる熊を三回ほど追い払ったことがありますが、お互い見えていないからできることです。目があったら限界距離以上だったら後ろ向きにしずしずと逃げる。限界距離以内だったら前蹴りか目をナイフやカマで刺す。爪が来る前に。死んだふり?やったことがないので分かりません。

 まず掃除をして昼餉の用意。今回はアヒージョとカンパーニュなど。不思議なことにログハウスの中にはクロメマトイは入って来ません。

 殻付きの有頭海老。帆立貝、タコ、マッシュルーム、ブロッコリーなど。他に焼きトウモロコシ。ゆるゆると時が流れていきます。山上も30度を超えました。2時頃に下山して解散。さすがに疲れました。私は自宅に戻ってぬるい温泉へ。

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『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。掲載の写真は有料でお貸しします。他のカットも豊富にあります。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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幸せを呼ぶ青い蜂・絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)2024(妻女山里山通信)

2024-08-02 | アウトドア・ネイチャーフォト
「幸せを呼ぶ青い蜂」といわれ、ブルービー(Blue Bee)の愛称を持つナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)。全国的に減少傾向で、県によって絶滅危惧Ⅰ類、絶滅危惧Ⅱ類、準絶滅危惧種に指定されています。長野県では準絶滅危惧種に指定されています。

 ナミルリモンハナバチは、学名をThyreus decorusといい、ハチ目ミツバチ科ルリモンハナバチ属の昆虫です。成虫の体長は雄10~13mm、雌11~14mm。分布は、日本(本州・四国・九州・大隅諸島)・台湾・東南アジア・中国・朝鮮半島・極東ロシアということなんですが、本州でも確認されているところはごく僅かです。ルリモンハナバチ(瑠璃紋花蜂)ともいいます。

 ノアザミで吸蜜中。ナミルリモンハナバチは、コシブトハナバチ類(スジボソフトハナバチ)やケブカハナバチ類の巣に寄生(労働寄生)し、幼虫は巣に貯えられた花粉などを横取りして育つという珍しい生態をしています。寄生のために卵の数が制限されることも数が増えない理由の様です。

 ブルービーは、10〜15分ごとに吸蜜に訪れますが、数十秒しかいません。しかも吸蜜の間は素早く細かく動きます。マクロレンズなのでフードの先からブルービーまでは10センチもありません。猛暑の中、中腰で息を止めて撮影します。かなりハードな撮影なので1時間半が限界です。

 今回は二日続けて撮影にでかけました。初日の最高気温は33度、山上は27度。二日目は最高気温が35度、山上は29度。時折涼しい風も吹きますが、撮影時に炎天下に出ると焼けるような暑さです。

 頭をノアザミに突っ込んで、長い口吻で吸蜜します。ノアザミは総苞が粘つきますが、ノハラアザミは乾いています。

 蜜源の蜜の量が少ないためか頻繁に場所を変えるので追うのが大変です。

 他には小さなハナアブも訪れますが、ブルービーが来ると逃げます。

 翅の色は飴色ですが、見る角度によっては青く見えます。

 ジャノメチョウ(蛇目蝶)も吸蜜に来ました。ノアザミ、ヒメジョオンなどの花の蜜を吸いますが、樹液・獣糞・腐果にも訪れます。タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科ジャノメチョウ属。

 正午のチャイムが鳴ったので帰ります。途中のワイナリーのブドウ畑から松代方面の眺め。奥に菅平高原と根子岳と四阿山。両山とも拙書に載せています。長野県の天然記念物のミヤマモンキチョウが生息します。撮影してブログにアップしているので、右上の検索窓に「ミヤマモンキチョウ」と入力しブログ内検索をプルダウンで選ぶと該当する記事が出てきます。手前の奇妙山と尼厳山(あまかざりやま)は、山城の跡があり、古くは修験の山です。これらも拙書に載せていますが、ハイカーに人気の里山です。

■ナミルリモンハナバチ(波瑠璃紋花蜂)幸せを呼ぶ青い蜂ブルービー(Blue Bee):YouTubeで見るを選んでフルスクリーンでご覧ください。


「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、都合によりリンク先の楽天ブログに移転しました。

インスタグラムはこちらをクリックツイッターはこちらをクリックYouTubeはこちらをクリック。米子大瀑布、絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ・キバネツノトンボ・北信流など。これからどんどんアップしていきます。
 
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『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
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