今日のジャケ画は、The Kinks
「Arthur - Or The Decline And Fall Of The British Empire」
69年発表作品、
邦題「アーサー、もしくは大英帝国の衰退ならびに滅亡」。
キンクスとしては初のロックオペラとなったこの作品。
当初考えていたロックと映像とのコラボレーション
=テレビドラマでの映像展開という構想も惜しくも頓挫してしまい、
またこの作品よりも先に発表されたザ・フーのロックオペラ「トミー」に
注目が集まったこともあって、
この作品は商業的には失敗してしまったそうで。。。
この映像とのコラボレーションが実現していたらと思うと残念でなりません。
アルバム自体はトータルコンセプトアルバムということで
このアルバム名の通りの(?)ビクトリア王朝時代から第2次世界大戦後の
英国の状態と暮らしぶりを描いています。
物語の中心的人物はロンドン郊外に住む
アーサー・モーガンとその妻ローズの一家。
一家は第2次世界大戦後、英国が衰退していくのに失望し、
オーストラリアへ移住しようと思っているのでした。。。
ライナーによると、このアーサーと妻ローズは、
レイの義兄にあたる人物とその妻をモデルとしてて、
ファーストネームも同じだそうですね♪
レイは学生時代の頃、アーサー宅に下宿していたそうで
本当の父子のような関係を築く間柄だったそうです。
自分と縁のある実在の人物を物語の主人公にしてしまう
レイのセンス、大好きです♪
さて曲のほうはというと、一段とロック寄りのサウンドになりました。
この中では1曲目の「ヴィクトリア」が広く知られる曲かと思います。
また「オーストラリア」という曲では
後半にフリー演奏のような箇所もあったりします。
その名から察する通り(?)、
オーストラリアに移住すれば階級差別もなく自由なんだと、
遠き地に思いを馳せる曲です。
そして第2次世界大戦で英国は大きな被害を受けてしまいましたが
その当時の首相「チャーチル元首相」のことをうたった曲もあります。
「ミスター・チャーチル・セッズ」という曲ですが
戦争によって大打撃を受けてしまった当時の辛さをうたった曲です。
ブルースロックのサウンドが味わい深さを増してます。
個人的に好きな曲は「シャングリ・ラ」ですね。
歌詞はというと、厳しい社会で暮らすことの大変さをうたった歌詞ですが
サウンドはというとソフトにサイケな感じでとても好きです。
ちなみにライナーによるとレイの義兄アーサーは、
移住先のオーストラリアで73年に惜しくも亡くなってしまったそうですが
彼は生前、キンクスのアルバムの中では
この作品を特に気に入ってくれてたそうですね(^^)
レイにとっては本当の父のような存在だったアーサーへの
親孝行作品とも呼べるかも?!(^^)