井上もやしの日常

ほぼ「つぶやきの墓場」となっております。ブログやSNSが多様化して,ついていけないのでございます。

お月見泥棒

2005-09-19 00:01:14 | Weblog
 昨日は大学の恩師の一周忌法要、今日は元同僚のお母様が亡くなって告別式と、連日、アレルギー性鼻炎の天敵である線香の煙に包まれてくしゃみと鼻水に襲われているもやしです。

 本日は中秋の名月のはず。でも、うっすらと雲がかかっているために、綺麗なお月様は拝めません。空の一部がぼんやりと明るいので、あそこに月があるのかなと思える程度です。お月見の時期になると、「お月見泥棒」という言葉を思い出します。今から20数年前、初めての赴任地が福島県の東白川郡でした。福島県の南端部で、15分も車を走らせば、茨城県の袋田の滝で有名な大子町に突入する場所です。

 お月見の日に近所の子どもたちがこう言っていました。「今日、泥棒に行くから、お菓子用意していて。」と。私は「泥棒…?!」と絶句。詳しく話を聞いてみたらこういうことでした。この地方では、ベランダや縁側に置いてあるお月見のお供え(饅頭、団子、果物など)はお月様に供えるだけでなく、近所の子どもたちが自由に持っていってもいいそうです。それで、子どもたちはお月見の日には大きなポリ袋を持って夕方から徒党を組んで近くの家々を回ってお菓子類を集めているそうです。

 ただ、当時は、私は一人住まいの独身男で月見のお供えをすることもなく、私が住むアパート(当然隣人たちも一人暮らしの独身だからお供えはない)を訪れた子どもたちは「なんだ、何もないや!」と不満を言って帰っていたものです。

 上記の話はふた昔も前の話なので、今も続いているかどうかは分かりません。私の出身地の福島県北部では聞いたことがない風習だったので記憶に残りました。3年程前でしょうか、フジの「めざましテレビ」で北関東(茨城県だったかな?)での「お月見泥棒」が紹介されて他の地区でも同じ風習が続いていることを知りました。ハロウィンの「トリック・オア・トリート(お菓子くれないと、いたずらするよ。)」みたいで愉快ですね!

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4 コメント

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お月見 (徳利屋)
2005-09-19 03:27:34
うちでは8時頃にお月見をしましたが、ちょうど月の辺りだけ雲が切れていて、きれいな月を見ることが出来ました。実にいいものです!「お月見泥棒」の話、実に興味深いです。(今度「コンドルキャット」のネタに使わせてもらうかもしれません…。)
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お月見泥棒の分布は? (もやし)
2005-09-19 09:48:37
 徳利屋さん、コメントありがとうございます。



 そうなんです。不思議な風習なんです。それから、県南にいたときに定年間近の副社長から「八朔(8月の月齢0のとき)祭りには好きな女の人の家に行って自由に**しても無礼講なんだよ。」とも言われました。昭和初期なら許されたのかも知れませんが、強姦罪で捕まっては困るので、さすがにそれは実行に移しませんでした。

 

「お月見泥棒」でネット検索すると、四日市市や浜松市でもこのような習慣があることが分かりました。北関東や福島南部(旧国名「いわき」地区ね。)限定と思っていただけに驚きでした。

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月の朔望に関する習俗 (もやし)
2005-09-20 00:17:55


 思い返しても上記の2つのことには深淵なものを感じます。旧暦8月15日(満月で明るいはず)の十五夜にはまんじゅうを自由にでき、旧暦8月1日の朔の日(新月なので真っ暗なはず)には***(自主規制)を自由にできるっていうのが、子どものお楽しみと大人のお楽しみって感じで非常に面白いです。八朔祭りというのは、昼間に神輿を担いだり笛や太鼓を鳴らして踊るようなことをしたりしていたとしても、夜の部こそお楽しみで、年に一度の公認された夜這いを娯楽の1つと考えていたのでしょうね。だって、月の照らないホントに真っ暗な夜なんだもの。



 うちのお客さんがもう少し大人ならば、太陽暦と太陰暦の説明の際に、この2つの話をするところですが、誤解を生んで変態扱いされると困るので「お月見泥棒」の話しかしていません。
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何を盗むか… (徳利屋)
2005-09-21 01:05:15
奥が深い話になってますね。今の子たちは、おそらく「夜這い」という言葉も知らないのではと思います。平安文学なんか、そのへんを絡めて解説するとけっこうおもしろいのですが、やはり誤解されそうなので話せません。「お月見泥棒」のこと、「コンドルキャット~」の記事にしてみました。
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