普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

子供に夢を

2009-05-01 18:15:16 | 政策、社会情勢

 昨夜のテレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」で元の福武書店で現在は教育環境に対応する商品・サービスを中心に展開しているベネッセコーポレーションとしての紹介がありました。
 その中のやりとりの中で、私にとって気になる発言が幾つかありました。
社長の福武總一郎さん:今の会社の抱えている問題は子供に夢がないこと、そして考え方の多様性のために焦点が絞りきれないことだ。
キャスターの小谷真生子さん:日本は少子化で人口が減る一方、世界の人口が増えるので、企業の競争力が落ちるばかりだか、その対応は?
福武さん:企業のIT化と生産性を上げること、そして教育関係のサービスを海外にも提供することだ。
アドバイザーの斎藤精一郎さん:子供に夢がないのは世の中に多くの仕事があることを知らないからで、これらに触れるチャンスを与えることだ。

 年寄りの私がまた昔の話しを持ち出すと、反発を感じる方もおられるかも判りませんが、ご辛抱のうえ付き合って下さい。
・子供に夢がない
 今でも思い出すのは、詩人のサトウハチローさん、作家の佐藤愛子さんのお父さんの佐藤紅緑さんの少年小説「あゝ玉杯に花うけて」、「一直線」、「少年讃歌」、「英雄行進曲」です。
 その中には苦学して東大に進むもの、職人の道を歩むものなど色々な、進路が示され、そのタイトルを見れば判る様に少年に夢をあたえるものばかりで、それが持て囃されたのは、当時の子供に皆夢があったからと思います。
 当時は私の家などは極端でしたが、今に比べると国も家も貧乏でしたから、夢が持てたのだと思います。
 政治家でも、歌手でも職人でも、何かをして人や社会に立つ喜びを感じ生き甲斐とするような教育と、(介護関係者の賃金を増やすなど)、それに報いる社会環境を作る政治が必要な気がします。 
 その点でNHKは批判の多い政治絡みの特別番組より、「あしたをつかめ~平成若者仕事図鑑」や「プロフェショナル」の方が子供たちに夢を与える番組として優れていますし、遥かに世の中の役にたつと思います。
 そして民放でも地方で頑張っている人達の紹介など、是非この種の番組をもっと増やして貰いたいものです。
 
・子供の考え方の多様性
 子供に取って、テレビ、ゲーム、メール、インターネットなど、あらゆる方向から情報が入ってくるので、考え方に色々あるのは当然です。
 戦前の子供の情報源は、本とやっと流行り始めたラジオ位でした。
 だから本好きな子は佐藤紅緑さんの小説や、講談本から大人の本まで読み漁り、自然と読解力をつけてきました。
 学校でも学ぶことは全て新鮮で、多くの子供たちも興味を持って素直に授業を受けていましたし、読解力のお蔭で教師の説明の理解したと思います。
 その点から言えば今の教師は大変ですね。
 今もし家庭が貧乏だったとして、上記の内家庭でテレビを制限、ゲーム、メール、インターネットなど禁止か制限する変わり本を読ませるとして、どれだけ子供の将来のために実害があるでしょう。

・日本企業競争力の低下と日本の貧困化
 小谷さんは、日本は少子化、世界の人口増加が日本企業のの競争力減の原因と言っていましたが、現状は極端に低い賃金の膨大な人口を持つ中国企業のため日本企業の競争力が落ちています。
 私は寝言のように、中国の台頭→日本の競争力の低下→低賃金で何時でも切れる非正規社員の増加→日本全体の平均賃金の低下→日本の貧困化を言って来ましたが、今それが残念ながら現実に成り掛かっているようです。
 このような判り切ったこと言えるのは、無責任な素人だから言えることで、政治家もマスコミもこの様な景気の悪い話は、余程のことで無い限り言えないのでしょう。
 然し日本は市場経済中心主義の恩恵で一時期「一億総中流意識」を持てるほどの成功しましたし、今後もこのやり方を進めるしかないような気がしますが、一体どうなるのでしょう。

[日本再出発の原点に帰ってみませんか]
 私は所謂、貧乏人の子沢山の家に生れましたが、物が溢れた日本の中で、最近のDVや家庭内殺人、子供に夢がないなどの話しを聞くと、昔の子供と今の子供のどちらが幸福か考え込みんでしまいます。
 勿論日本は今より更に経済的に発展することも大切ですが、そろそろ幸福とはなにか、誰かが言ってように、今のような厳しい経済環境の中では、幸福度の観点からも物事を判断する必要もあるような気がします。
 経済面でも日本が得意だった、家族的経営、チームワークなどの長所を活かし、それに付随する短所を現代風に修正するなど、戦後の原点に戻って考え直す必要もあるような気がします。
 取り上げた問題が大きすぎで、言い足りないこともばかりですが、どうぞ私の考え方の趣旨をご判読下さい。なおよければ下記の文章も覗いてみて下さい。

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参照:貧乏人の子沢山有用論 
       
貧乏人は不幸か
        平凡でも一生懸命な先生・貧乏はよいことだ