普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

憲法9条と安全保障

2009-05-05 12:11:04 | 憲法

 私は殆ど全てのブロガーの方達と同様に、政治家、マスコミ、評論家などそれを職業にしている人達の批判はしても、原則としてブログに登場する人達の批判をしたことはありませんし、私のブログにに対する批判的なコメントも、私の主張に反するTBも余程不真面目な物で無い限り全て削除しないことにしています。
 然し今日は私の原則を破って、天木直人さんのブログの
「護憲派は安保議論から逃げてはいけない」
について気付いたことを取り上げたいと思います
 何故なら天木さんは「9条ネット」と言う政治団体に属し政治家を目指しておられること、そのテーマが国の安全保障と言う重大なテーマであること、そして彼は外交の専門家だからです。

 天木さんは主として「たかじんのそこまで言って委員会」で安倍さんと議論した経過に就いて、自分の意見を書いています。
 私は当日は丁度寄り合いがあったために見ることは出来ませんでしたが、幸いに
「ぼやきくっくり」さん
が何時もの様に、番組の経過を詳細に書いておられますので、それを参考にさせて頂きました。

[自分の意見と違うことにも耳を傾けよう]
  最初に天木さんの文章の中で引っ掛かった小さなこを書いて見たいと思います。
・「平和憲法で日本が守れるか」などと平和主義者に対するタカ派の罵声へ、スタジオに集まっているサクラのような観客の多くが拍手をする。
 私の属している英字新聞輪読会には多くの小母さん達がいますが、皆が問題意識を持つ人ばかりで、しかも「たかじん」の番組を欠かさず見ているそうです。
 その番組に参加する一般の人達も多分似た様な人達ばかりと思います。
 その様な人達をサクラと一言で片づけて良いのでしょうか。
 これはハト派、タカ派に限らないと思いますが、自分の主張に都合の良いことばかり、耳を傾け、多分殆ど大部分を占める健全な人達の意見を気に入らないからと言って排除していたら、世の中からかけ離れた存在になると思います。
 自分の主張に殉ずる気持ちなら仕方がありませんが、自分の主張を他に受け入れて貰いたいのなら、もう一度考え直す必要があるのではないでしょうか。

[護憲派は安保議論から逃げてはいけない]
  護憲派は安保論議から逃げてはならない。 各論で保守・タカ派の矛盾を打ち負かさなければならない。
 大賛成。
 護憲派の人々は福島瑞穂さんのように何時も原理、原則ばかり振り回して、何でも反対を唱えていますが、是非、現実を見てどうすれば良いか具体案を示すべきです。
 そうで無いと社民党のように絶滅危惧種のようになって行くと思います。
 「各論で保守・タカ派の矛盾を打ち負かす」のは良いですが、ハト派側の主張の各論へのタカ派からの攻撃に耐えるように、現実的な対応策を考えるべきだと思います。
 先にとりあげた、「ぼやきくっくり」さんも、「たかじん」での天木さんの主張に矛盾の多いことを指摘されていましたが。

[安全保障のための外交と武力]
・攻撃されているのは決して平和主義者のほうではないということである。実は追い込まれているのはタカ派だ。
 私は以下に書くように、今の様に厳しい情勢では、追い込まれているのは護憲派もタカ派も同じで、日本の安全保障に関して言えば、どちらもギリギリの選択を迫られていると思います。
 強いて言えば、日本はいざと言う時天木さんの専門の外交でことに当たり、それでも止むを得ないときに、武力を如何に行使すべか否かやその方策を考えるべきで、タカ派の人達も同じことを主張しているとて思います。
 これをハト派の言うように、今の国際事情のなかで、外交一本槍で日本の安全保障など考えるにはリスクが大き過ぎると思います。

[日米関係の見直しと外交力]
・米国は国益に合致しなければ、日本の為に米軍を動かす事はない。
・米国は日本が役に立たないとなれば見捨てる。
・軍事力で国を守るための核武装が必要だが、米国はそれを認めない、そして日本は世界の孤児になる

 天木さんの言う様に最近の米国の日本軽視を見ればその様なこともあり得る気がしますし、私もブログで日本の利益のための米国との関係の見直しの必要性を何度も書いてきました。
 然し、米国が自国の利益になるように動くのは当然のことですから、日本は日本のために日米関係をどうすればよいかタカ派も護憲派も考えるべきだと思います。
 いずれにしても日本で一番問題なのは、天木さん専門の外交力を如何に強化するかです。 
 今までは米国一辺倒で傍目には、日本の外交戦略も戦術も全く見えて来ませんでした。 
 当面の相手は煮ても焼いても食えない反日教育、一党独裁の国中国、なにかあれば反日政策で国の統一を計ろうとする韓国、そして不法占領した北方4島を手放そうとしないロシヤ、そして核をちらつかせてその3国と日本を手玉にとる北朝鮮。
 追い込まれているのはハト派の主張の唯一のよりどころの外交だと思います。
 外交の専門家の天木さんは、米国と一線を画した、武力のない日本が如何に外交力を発揮して行くかの青写真を国民に見せるべきだと思います。
 そして天木さんが最後に書いた、
 国際政治の現実は、ますますタカ派に不利に動いていく。馬鹿でない限り、最後は憲法9条のありがたさに気づく事になる。
 だけでは国民は納得しないと思います。


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