普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

中国が貝になった北朝鮮の核実験

2009-05-30 10:46:06 | 教育問題

 今迄、何かと北朝鮮を庇ってきた中国もさすがに今回の北朝鮮の核実験の対応では困っているようです。
 産経新聞はその社説の「北核実験:「中国が貝になった」日本政府「今度こそ制裁?」
で概略次のように報じています。
 
北朝鮮の核実験をめぐり、国際社会による制裁の成否のカギを握る中国が「沈黙」を続けている。日本政府は、国連安全保障理事会の決議内容などで中国との協調を図るため、麻生太郎首相と中国首脳との電話会談を申し入れているが、回答はない。政府内には「北朝鮮をかばい続けてきた中国も、今回は困っている」(外務省幹部)との観測や、中国が対北経済・金融制裁へとかじを切るのではないかとの期待感も出てきた。
 中国は現在、必死に世界各国の対北朝鮮への対応方針を情報収集・分析しているところだとの見立てだ。電話首脳会談に関しては、日本だけでなく他の国ともやっていないという。
 中国と北朝鮮は表向き「血の友誼」と呼ばれる同盟関係にある。4月の長距離弾道ミサイル発射の際も、中国は国連安保理決議に反対し、法的拘束力のない議長声明での対北非難に落ち着いた。
 ただ、その同盟関係は微妙で、「中国は議長国を務める6カ国協議からの脱退を宣言され、反対していた核実験も強行されてメンツをつぶされ、ミサイル発射時とは比べものにならないほど怒っている」。(外務省幹部)
 ミサイル発射のときは、北が「人工衛星」を主張したためかばうことができた。だが、今回は核実験成功を祝う大会まで開催しており、正当化しようがない。また、国際社会でともに孤立してまで北をかばうメリットもない。
 今回、中国はすでに安保理での決議自体は認めており、焦点はどこまで強い内容の決議にできるかだ。
 (決議が) 「実行できるかどうかは、北と地続きで国境を接する中国の「本気度」次第だ。

[私の意見]
 私は北朝鮮の核実験と日本と中国
で、
・実効性のある制裁決議案を作成には北朝鮮に強い影響力を持つ中国の協力が欠かせないこと
・その中国は主催する6ヶ国協議不参加や、前から警告を無視して核実験をした北朝鮮からメンツを潰された
・それなのに北朝鮮に一番大きな影響力がある中国が、また国連の非難決議に対して慎重姿勢を取り始めた
のは何故かと書きました。
 ネット上では、中国が暴走する北朝鮮を利用して、アジア外交の主導権を取ろうとする陰謀ではないか、果ては今回の核実験は中国の差し金だと言う意見まで出ているようです。

 然し、今回の北朝鮮の核実験に限っては産経の社説の言葉を借りれば、流石の中国も北朝鮮との間の「血の友誼」に綻びが出ても暴走する北朝鮮にお灸を据えるか、独裁国家には珍しく北朝鮮を非難する一部のマスコミと、中国が北朝鮮に馬鹿にされたことに怒っている(かも知れない)国民感情を無視しても北朝鮮を庇い続けるか、難しい決断に迫られているのでしょう。

 今の情勢は外務省幹部の観測のように、日本としては当面は中国が何らかの制裁に加わるのを期待しながら、静観するしかないのかも知れません。
 然し中国は何でもオープンな日本と違って独裁国家ですから、今、本当に何を考えているか、そしてどの方向に向けて動きだすのか、その時になって見なければ判りません。
 日本は中国がどう動いても良い様に日本独自の外交方針はしっかり立てて置くべきだと思います。
 私の意見は、今まで通りに米国、韓国と緊密な連携を取る一方、(政府と暗黙の連携を取りながら)外野席で「他国からの攻撃の抑止力としての」先制攻撃的な軍備を備えることの必要性の議論をオープンに進めて、北朝鮮は勿論、中国とそれから前回ミサイル発射の時の様に変節するかも知れない米国を牽制しつ続けるべきだと思うのですが。(*注記)
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*注記:今朝の読売テレビの「ウェークアップ!ぷらす」では北朝鮮通の石丸次郎さん(アジアプレス、ジャーナリスト)が先制攻撃など言っていては、中国や韓国を警戒されるだけだと言って居ましたが、私の言う「政府との暗黙の連携」と言うのは、政府は表向きは「先制攻撃」など完全に否定するが、前防衛庁長官の中谷さん達には、外野でこの論議を盛んにさせるとと言う意味です。