私が時々覗いているホームページにビル・トッテンさんのコラムがあります。
彼は反米・親日の傾向がある帰化した米国人で彼一流のユニークな持論を持っているようです。
昨日読んだ彼の意見はユニーク過ぎて必ずしも全て賛成とは行きませんが示唆に富んだ文章なのでその概要を紹介します。
持続可能な経済とは
人類が直面する問題
・今まで全世界の人口倍増するまでに要した時間は平均で3万年以上だが、直近ではたったの39年で2倍に増えたのに、人間はその人口を養うための石油や鉄鉱石などの天然資源魚や木のような再生可能な資源など地球には十分な余裕があると言う昔からの考え方をなかなか変えられない。
・有限である地球で、その上に住む人類が永遠に人口を増やしたり、一人あたりの生産量や消費を無限に増やすことはありえない。有限の中で永遠の成長という概念はおかしい。
・アメリカは世界人口の5%を占めるに過ぎないが、天然資源の実に33%を消費していることを考えると、13億の中国が成長により米国なみの消費をすることはあり得ない。
解決策は豊かな国が、浪費をやめて質素な暮らしに戻る以外にはない。
グローバルの意味するもの
・グローバル化は国を超えて、法律の及ばない所の活動だ。グローバルの名の下に、最も賃金の安い国で生産し、最も環境規制の緩い国に工場を移す。グローバル・ビジネスとは「無法商売」だ。アメリカは国連、IMF、世界銀行、WTOなどを作り、グローバルという名の下でその国の政府が国民を保護できないような状況をもたらしている。
今後の日本の在り方
・日本はまず日本の歴史を振り返るべきだ。ギリシャ、ローマ、イギリス、米国と欧米の覇権が移り変わる間、日本が独立国として文化や芸術を守り通してきた。日本人はもっとこの歴史に誇りと自信を持つべきだ。
・日本の価値観の根底にあるのは、人間は自然の一部であり他の生き物との調和を説く古神道に、仏教、儒教、武士道など、聖徳太子の時代から精神的な教えに基づいて国家を運営し、幸福な国を作ってきた。
・戦後GHQ今までの日本式の教育を取り払い、日本人はは遅れている、西洋式にしなければいけない、と思い込ませてきた。アメリカが衰退している今、その真似をやめて捨て去った価値観や伝統を取り戻す時だ。
・アメリカの教えの基本である聖書は、神は地球を人間のために造ったのだから、使い放題にしても良いというものだ。しかし、日本古来の考えは、人間は生きとし生けるものの一つに過ぎない、だから共存共栄、調和の中で暮らしていかなければいけないと言うのが、日本の古くからの価値観だった。
・西洋の、特にアメリカの価値観に基づまく、お金持ちになること、そのために成長を追い求める社会はもはや持続不可能だ。私たちは方向転換をしない限り、今後も日本の経済、我々の生活は悪くなる一方であろう。
・日本の長い歴史を振り返ると、日本人が質素な生活に戻ることは抵抗があるかもしれないがそれほど難しくない。昭和の時代には、今のような使い捨て文化はなかった。ごく最近まで、日本人は物を大切にし、修理して繰り返し使う文化、価値観を持った国民だったからだ。持続可能な社会、持続可能な経済に戻るためには、使い捨ての文化から物を長く大切に使うこと始めるべきだ。そうすれば、日本の将来はそれほど暗くはないと私は信じている。
[私の意見]
現状に即した政治を
トッテンさんの意見は細かい所は除いて大筋は賛成ですが、これは鳩山さんの地球の生命を護ると言う意見や温室効果ガス25%削減と同じで、例え正論であっても世界各国が同意しなければ、日本だけが貧乏籤を引くことになります。
問題は鳩山さんの意見と同じようにその発信力と世界を納得させる政治力が必要となりますが、まだ世界をリードしている米国や中国を始めとする途上国を納得させられる力は日本は(米国以外の?)どこ国にもありそうにありません。
だから日本としては、現状に即して日本はどうすべきかを考える必要があると思います。
その適例が人的資源しかない日本の少子化の問題で、世界から見れば人口が激増しているのだから、せめて日本だけは人口を減少は眼を瞑ろうと言う訳には行きません。
グローバル化の問題
グローバル化については、狭い国土を持つ日本は、広大な国土を持つ米国、中国、ロシヤ、インド、ブラジルなどと比べると最初から大きなハンデを持っています。
そしてその国は経済がグローバル化しても領土は決して他国に開放しようとはしません。
然しそうは言っても日本は成熟した国でしかも少子化が進む国ですから、鳩山政権の言うような内需拡大だけでは足らずに、他国との競争に打ち勝って輸出で外貨を稼いでなんとかしなければならない国ですからグローバル化反対と孤立することは出来ません。
そして問題なのは中国を始めとする大きな領土と膨大なそして低収入の人口を持つ国の台頭→日本の相対的な競争力の低下→非正規社員の増加等によるコスト削減→国の平均給与の低下→国の貧困化です。
それを止まるのはかっての韓国や台湾のように、相手国の給与の増加に伴う競争力の低下と言うバランスに待つしかありません。
然し中国、インドなどは膨大かつ低賃金の人口を持っているので、どこまでバランスが取れるか、つまり日本の貧困化がどこまで進めばバランスが止まるか判りません。
それでトッテンさんの言うように(彼の説の資源の有限化だけでなく)、否応なしに平均的な日本人は貧しい生活を強いられるかも知れないと思います。 (上記の概要には省略しましたが、彼はキャピタルゲインへの課税の強化、相続税、贈与税を昭和の時代の税率に戻して貧富の差を無くせと言っています。)
もしその様な時が来れば、日本人は彼の言うような考え方を物を大切に扱う考え方の切り替えが必要になって来るかも知れないしその心構えだけはしておく必要があると思います。
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