普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

鳩山さんの言う米国に依存し続ける安全保障

2010-06-07 15:32:26 | 外交・安全保障

 鳩山さんの両院議員総会での発言には、頷けるところ、首を捻るところなどさまざまな印象を受けましたが、一つだけ気になるところがありました。
 米国依存の安全保障の問題です。
 戦前派の私としては、大きな失意の中で辞任表明した鳩山さんを更に批判するのに大きな抵抗がありますが、日本の将来に取って重要なことなので敢えて取り上げてみました。
 鳩山さんは、
 米国に依存し続ける安全保障をこれから50年、100年、続けていいとは思いません。そこのところもぜひ皆さん、ご理解をいただいて、だから鳩山が「何としても少しでも県外に」と思ってきた、その思いをご理解を願えればと思っています。その中に私は今回の普天間の本質が宿っている、そのように思っています。 (中略)
 皆さん、私はしばしば「宇宙人」だと言われています。それは私なりに勝手に解釈すれば、今の日本の姿ではなく5年、10年、20年、何か先の姿を国民の皆さんに常に申し上げているから、「何を言っているか分からんよ」、そのように国民の皆さんにあるいはそのように映っているのではないか、そのように思っています。
 そしてその例として、地域主権、「新しい公共」を上げ、 東アジアの共同体の話もそうです。今すぐという話ではありません。でも必ずその時代がくるんです。
と話していました。
 私も日本と米国の在り方についてブログで書いたことがありました。
  「石油問題と米国との関係の見直し
の[永久に米国に依存してゆくのか] (08年1月投稿。)です。
・世界の歴史で見るように世界を制覇した国々は必ず何時かは滅びるか、衰えるのは、間違いない。
・米国も多くの不安要因を持っているし、世界からみれば必ずしも好感を得ていない。
・歴史の中で、米国は最悪の国として描かれる可能性もある。
 核兵器を開発して全世界に広めた国。
 その核兵器を使用した最初の国。
 二次大戦後、世界で一番余計によその国で戦争をした国。
 折角出来た国連で一番拒否権を発動した国。
 処理の難しいテロリズムを誘発させ拡散させた国。
・若しその様な評判の悪い米国がぽしゃった時、それに頼りきった日本の世界における立場はどうなるか。外交方針は。どうして国を護るのか。
 (米国の)民主党優勢などの国内問題、中国の台頭などの国外の情勢の変化に応じて、米国の動きが少し変わってきていること、そしてその例として、
 死に体のブッシュ政権、イラク情勢の悪化、北朝鮮への経済制裁解除、慰安婦問題に見る中国系住民の影響力増大、米国と中国の経済的結びつきの増大、米国経済を支えてきた、住宅バブルの雲行きの悪化など挙げた。
(経済問題の記述は省略)
 
詰まり円安ドル高が示すように、米国の経済上の地位の低下の傾向が今後も続くかもしれないことだ。
  詰まり米国は世界で唯一のリーダーでは無くなったのだ。
 日本は米国の属国かと一部では良く言われる。
 それは、日本が事実上の米国の軍事保護国であり、その上輸出しか道のない日本の最大のお客様だったから米国の意志を無視出来なかったのだ。
 事態は変わった。
 中国、インドなどアジア諸国の台頭で米国は唯一の最大のお客様の国ではなくなった。
  その点では今までのような米国の貿易面での高圧的な要求に屈しなくても済む様になった。
 軍事保護国の状態はここ暫くは続くかも知れないが、世界の情勢はこの必要性が次第になくなるような形勢だ。
 然し、米国との関係の見直しは素人考えでも、国の基本的な行方決める問題で、米国だけなく中国その他の国への反響も大きいので、大袈裟に議論するべき問題でなくて、秘密の内に粛々と進めるべきだろう。
 唯、問題が大きいからと言って、世界情勢や米国の立場の変化を考えると、どちらへ進むから知れないが、惰性で米国追随のまま放っておける問題ではないと思う
 それこそ石油問題のように、その場になって慌てふためかなくてよいように、米国との関係のあり方を研究するのにはシンクタンクが一番適した機関だと思うのだが。

 素人の私の意見など幼稚なものですが、今後の日米関係の見直しの必要性に就いては鳩山さんとは同じです。
 違うのは鳩山さんがその考えをそのまま緊急を要する普天間基地問題の解決に適用してしまったこと。
 私はこの問題は「米国だけなく中国その他の国への反響も大きいので、大袈裟に議論するべき問題でなくて、秘密の内にに粛々と進めるべきで、その為のシンクタンクの設置」を提案したことです。
 勿論、私の言うシンクタンクで討議すべきことは、米国や中国などの将来の動き、それに対する日本の在り方、そのための必要あれば自衛隊の強化とそれに及ぼす経済への影響、憲法改正の必要性などなど、難しい問題が控えていることだけは良く判ります。
  日本人は長期的、大局的なそして複雑な考え方をするのは苦手のようです。
  然し、今回のような普天間基地の移転問題には、この観点からの対処法を取らねば、鳩山さんのように取り返しがつかないほどの大失敗をしてしまうことになります。
  外国の眼から言えば日本の大失敗です。
  ここは政府 、与野党を問わず、今後また同じような問題で慌てなくて済むように日米の在り方について良く良く考えるべきだと思うのですが。

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参照:カテゴリー→「その場限りの政治」シリーズ