今朝の読売テレビの「ウェークアップ!ぷらす」では今問題になっている消費税増税に就いて、賛成の立場の橘木俊詔(同志社大学教授・経済学)さんと、と反対の立場の高橋洋一(嘉悦大学教授・元内閣参事官)さんの間の議論は聞き応えがありました。
然しこの議論の間で一番引っ掛かったのは、高橋さんが今の日本の経済界の沈滞の原因をリーマンショック以来のデフレと簡単に説明したことと、それに対して橘木さんも、同席した岩井奉信(日本大学教授・政治学)さんも何のコメントをしなかった事です。
高橋さんは小泉改革の際の竹中さんのブレーンとして活躍した、「増税する前に、まず政府の無駄な出費を減らすことを主張する上げ潮派の論客」として知られています。
上げ潮派は、増税を先送りしイノベーションや金融緩和などにより経済成長を高めれば、税収が自然増となりプライマリーバランスの黒字化が達成できると主張している。そうです。
上げ潮派の高橋さんが今の不景気を米国のリーマンショックの所為にしたいのは判りますが、彼らのような考え方で今の日本の深刻な経済問題が解決できそうには思えません。
私はリーマンショックは高橋さんの主張の金融緩和しすぎた挙げ句のバブルの崩壊であって、その根本的な原因とそれにより起こった現象は、自由主義経済・グローバル化の時代に中国などの新興国の台頭に伴う日本企業の競争力の低下→非正規社員採用の増加による経費節減→格差社会の発生→米国バブルの崩壊による→大量の非正規社員のリストラ→社会格差の拡大→この対応を妨げる膨大な国債
と思っています。
つまり高橋さんの言うリーマンショックが日本経済の沈滞の原因ではなくて、本当の原因は弱みを抱えた日本経済であり、今の経済環境はリーマンショックが引き金で起こった長引く経済の沈滞と言う現象であると捉えるべきだと思います。
私は21日の「日本の中小企業が韓国から買収される?」でも書いたのですが、竹中さんも「ウェークアップ!ぷらす」出演の学者も、このような深刻な現実を何故無視するのでしょう。
この中国、インドなどの新興国の台頭と日本企業の競争力低下という厳しい現実を無視していては、これと言った日本経済の再建策は経済学者から出て来ないのは当然です。
専門の学者でも考えつかない経済の再建策を素人の私に名案がある訳はありませんが、今まで次のような思いつきを書いて来ました。
・米国追随一辺倒で良いのか、自由主義経済の見直しの必要性の有無、天然資源の枯渇、少子化などの基本的問題研究の為のシンクタンクの設立
・日本の金融機関は日本のバブルの崩壊の経験から警戒していたのに、何故、日本政府が米国の住宅バブルに対して米国政府と国内の企業に警報を送らなかったのか? (結果は日本の金融機関は持ちこたえために円の高騰、それが輸出企業の一層の競争力低下と言う皮肉な結果になりました。)
・優秀な外国からの人材導入のための大学改革
・政・官・学・企業の一体の日本株式会社化
海外への売り込み
技術の安全保障体制の確立
環境のよく似た韓国の経済の活況の分析とその結果の日本企業への指導(前述の米国のバブルのへの対応など)
逆に以上のようなことに対して企業からの提案
(政・官・学、特に企業の経営者が必ずしも優秀な人ばかりではないので、自由主義経済の中で相互補完すべきと言うのが、私の日本株式会社化の考え方は基本です。)
・飽和状態の内需拡大も大切だが、輸出産業の強化も図るべき
・ばら蒔きの金があれば社会福祉設備の増強
正直言って私の思いつきは対症療法てきなものも多いと思います。
経済学者は自分の立場を護るあまり自分の説に都合の悪い事に目をつぶるなど、学者としての資質に欠けると思うし、日本の将来の経済に就いてこれと言った提言など出来ないと思うのですが。
多摩大学名誉学長の中谷巌 さんは竹中さん達と協力して構造改革を推進をして来ましたが、後に新自由主義や市場原理主義との決別を表明しました。
私はどの経済学者も中谷さんのように、その立場に囚われず、率直にそして真っ正面から現実を捉えて、日本国民に明るい希望を与えるような前向きな提案をして貰いたいと願っています。
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