昨日のフジテレビの新報道「新報道2001」の各党幹事長の討論、「参院選特集」としてNHK朝の各党幹事長の討論、夜の各党政策責任者の討論を梯子しましたとき、気付いたことを纏めて見ました。
・自民党の石破さん
自民党はフジテレビには石破さん、NHKの朝には茂木幹事長代理、夜にはまた石破さんが出ていました。
然し肝心の幹事長の「顔が怖い」大島さんは「大島隠し作戦」とやらで彼の出番はありませんでした。
真っ当な意見を持っている大島さんを隠すなど元政権与党としてはけち臭さ過ぎると思います。
その理由が、党の党のイメージを良くするためと言うのなら、私が何時も書くように、国民の多くから見放された党の体質とイメージを一変すべき思うのですが、今となってはもう手遅れです。
それにしても石破さんは普天間基地問題など専門の安全保障始め政策に詳しいこと、独特の物言いながらも説得力のあることなど考えると、何故、自民党が彼を総裁にしなかったのか、何故石破さん自身が立候補をしなかったのかと首を捻りたくなります。
討論では政権与党として民主党は国民新党以外は全て野党の討論なので民主党の公約の批判が中心になりました。
その中で特に印象に残ったのを取り上げてみます。
・後期高齢者医療制度の改革が何故進まないのか?
衆院選の民主党の公約:「後期高齢者医療制度を廃止、国民皆保険を守る、国民健康保険の負担増は国が支援」
当時の政府関係者は同制度の対象者の約70%の経費負担が軽くなると言っていました。
多分その70%に入っている私の場合を考えても、保険料も少なくなりましたし、個人負担もそれまでの2割が1割になりました。
長妻さんは大臣就任後この制度にも良い所があるのに気付き、この制度を変更すれば多くの加入者の負担が増す事、そうしない為には多くの税金を投入しなければならないことを知って、この改革を先送りにしていると思います。
これが問題になったのは、後期高齢者と言う差別的とも取れる表現と、当時コテンパンに批判されていた年金から天引きと言う国民の気持ちを逆撫でにするやり方だったと思います。
家内に言わせれば自動払込の手続きをするより年金天引きの方が手軽で良いといっていました。
要するに、このやり方に野党が飛びつき、政府のアラを探し回っていた、マスコミが無批判にそれを煽ったというのが真相だと思います。
今回の公約:後期高齢者医療制度は廃止し、13年度から新しい高齢者医療制度をスタートさせる
詰まり野党時代に差別的と批判していた制度を名前を変えてスタートすることになったようです。
・年金改革が何故進まないのか
前回の民主党の公約:消費税を財源とする「最低保障年金」を創設。すべての人が7万円以上の年金を受け取れるようにする。
今回の公約:年金制度の一元化、月額7万円の最低保障年金を実現するためにも、税制改革を実施
民主党は消費税の4年間は上げないと公約していること。
しかも年金の基本的な部分は、消費税率5%に相当する税収全てを年金財源とすること、それに対して払ってない人が得するなどの批判など面倒な年金制度改革は(問題山積の厚労省では)始めから先送りしているようです。
民主党の玄葉政調会長は、NHKの番組では、「従来の民主党案にあまりこだわらずに、幅広の超党派の議論ができるような原則にさせてもらう」と述べていました。
これをどう取るかは色々あると思いますが、公約から見ても全く進展していないとと考え合わせて、悪く取れば投げ出しとも取れる発言のようにも聞こえます。
・子ども手当て、農家の戸別所得保障制度
民主党が経済成長を目指すのなら、上記のようなその大半が貯金に回るかも知れない資金を直接成長に結びつくことに回すべきだとの自民・公明の主張に対して、民主の枝野幹事長、玄番政調会長さんともども「上記の金は民主党が進めている事業仕分けなどの無駄排除から得た資金を使うもので、経済成長に要する金とは出所が違うのだ」と苦しい答弁をしていました。
この発言は当初の上記の政策が経済成長に資するものだとの説明を否定した発言です。
また筋論から考えて、今の苦しい財政状況では資金の出所はどこであれ、その大半を経済成長へ重点的に注ぎこむべき だと思うのですが。
・真面目で率直な民主党の若手政治家
私が昨日みた討論会に出席した枝野さん、玄番さんは、今や民主党政権の癌状態になっている普天間基地問題などを含んで、各党の攻撃にあって苦しい答弁をしていましたが、その真面目で率直な態度には好感が持てました。
討論会での野党の人も同じような気持ちだったのか、彼らに同情する発言もありました。
この様な討論会の様子では、国会での審議も紆余曲折があってもいずれは落ち着く時に落ち着くような気がしました。
この気持ちは民主党の野党時代に、テレビで同党の若手政治家の議論を聴いていて、感じたのと同じ気持ちです。( もっとも彼らが党に帰って、当の方針が政局本位に変わってがっかりしたものですが。)
私は日本の為にも率直で真面目で良く勉強する民主党の若手政治家が是非党の中心になることを願っています。
・少数政党の役割
率直と言えば「立ち上がれ日本」の与謝野さんが「今のデフレ状態は中国などの新興国の台頭によるもので、解決が難しいことを率直に認めるのが大切だ」と言っていました。
まさに私が寝言の様に言ってきた事、そしてこのような国民に受けの悪いからと?大切なことを言わない経済学者を嘆いていたことです。
私は真面目な与謝野さんの発言を心待ちにしていたのですが、何しろ少数政党のために発言の時間は限られていたのは残念でした。
マスコミ主催の討論番組でも、同党の平沼さんが民主の「消費税の超党派の議論」の提案にに自民・公明・みんなの党などが反対する中で、自党は参加すると言っていましたが、やはり与謝野さんと同じ様に一言居士のような発言の機会しか与えられませんでした。
新聞の各党の公約を見ても「立ち上がれ日本」は民主・自民の公約に3分の1にも満たないスペースしか与えられていません。
これは国民新党、みんなの党、新党改革も同じです。
然し、彼らは国民新党を除いては政権党としての責任もなく、文句を言えば直ぐに前のことを持ち出される自民党と違って、何でも思い切ったことが言われます。
その立場を活かしてずけずけと正論を出して貰いたいものです。
そして特に参院戦では少しでも議席を増やして、かっての緑風会的な第三勢力を目指して貰いたいと思っています。
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