読売新聞の、民主党の細野豪志幹事長代理は14日、BSフジの番組で、検察審査会について、「閉鎖的と言われる検察に一般の判断を持ち込むこと自体は悪くない。一方で人民裁判も怖い。証拠に基づいて判断されるべきだが、そうでない面も若干懸念される」と語った。の記事がネット上で賛否それぞれの意見が出ているようです。
私もこれに就いての事実を調べて見ました。
(なお極東ブログさんが審査会の報告の内容を紹介されていたので、コピペさせて頂きました。)
第2 検察審査会の判断
1 直接的証拠
(1)04年分の収支報告書を提出する前に、被疑者に報告・相談等した旨のBの供述
(2)05年分の収支報告書を提出する前に、被疑者に説明し、了承を得ている旨のCの供述
2 被疑者は、いずれの年の収支報告書についても、その提出前に確認することなく、担当者において収入も支出もすべて真実ありのまま記載していると信じて、了承していた旨の供述をしているが、きわめて不合理、不自然で信用できない。
3 被疑者が否認していても、以下の状況証拠が認められる。
(1)被疑者からの4億円を原資として土地を購入した事実を隠蔽(いんぺい)するため、銀行への融資申込書や約束手形に被疑者自らが署名、押印をし、陸山会の定期預金を担保に金利(年額約450万円)を支払ってまで銀行融資を受けている等の執拗(しつよう)な偽装工作をしている。
(2)土地代金を全額支払っているのに、土地の売り主との間で不動産引渡し完了確認書(04年10月29日完了)や05年度分の固定資産税を陸山会で負担するとの合意書を取り交わしてまで本登記を翌年にずらしている。
(3)上記の諸工作は被疑者が多額の資金を有していると周囲に疑われ、マスコミ等に騒がれないための手段と推測される。
(4)絶対権力者である被疑者に無断で、A、B、Cらが本件のような資金の流れの隠蔽工作等をする必要も理由もない。
これらを総合すれば、被疑者とA、B、Cらとの共謀を認定することは可能である。
4 更に、共謀に関する諸判例に照らしても、絶大な指揮命令権限を有する被疑者の地位とA、B、Cらの立場や上記の状況証拠を総合考慮すれば、被疑者に共謀共同正犯が成立するとの認定が可能である。
要旨中のAは小沢氏の元公設第1秘書・大久保隆規被告、Bは陸山会元事務担当者で衆院議員の石川知裕被告、Cは同会元事務担当者の池田光智被告
ここまでは審査会として考えた証拠を上げ、それに就いての(少なくとも当否は別として)判断をしていますので、細野さんの言うように「証拠に基づいた判断」しています。
細野さんの発言では、検察がこの程度の証拠では裁判で勝てる見込みはないと判断して起訴を見送ったのに、その証拠を改めて持ち出したのがおかしいと言いたいようです。
それに対して検察審査会は裁判の勝ち負けは別として、裁判にも掛けて真実を明らかにすべきと判断したのだと思います。
その考えが次の報告に表されています。
5 政治資金規正法の趣旨・目的は、政治資金の流れを広く国民に公開し、その是非についての判断を国民に任せ、これによって民主政治の健全な発展に寄与することにある。
(1)「秘書に任せていた」と言えば、政治家本人の責任は問われなくて良いのか。
(2)近時、「政治家とカネ」にまつわる政治不信が高まっている状況下にもあり、市民目線からは許し難い。
6 上記1ないし3のような直接的証拠と状況証拠があって、被疑者の共謀共同正犯の成立が強く推認され、上記5の政治資金規正法の趣旨・目的・世情等に照らして、本件事案については、被疑者を起訴して公開の場(裁判所)で真実の事実関係と責任の所在を明らかにすべきである。これこそが善良な市民としての感覚である。よって、上記趣旨の通り議決する。
細野さんの発言は5と6の内容を取り上げて、人民裁判だと言いたかったようです。
詰まり、検察が小沢さんが被疑者としての証拠では裁判の勝てないと判断した、その証拠程度のことで小沢さんを裁判に引っ張りだして、例え小沢さんが勝ったとしても、その受けるダメージは果てしなとことを言いたかったのでしょう。
然しこれは第三者の眼から見ると限りなくクロに近い疑惑を招く行為をした政治家が甘んじて受けねばならないことのような気がします。
また審査会は議決をするだけで、実際の裁判は検察の役に検察の経験のない弁護士が就くとしても、裁判官はプロなので人民裁判とは全く異なるものです。
然し逆に限りなくクロに近いと言われている、小沢さんに対して検察審査会が再審の決議が出来ないとすれば、審査会の役割が問われることになると思います。
以上を考えると細野さんの発言は、検察が動き始めたときの民主党内の検察批判、検察が起訴断念をすると検察支持と言う、何よりも小沢さんと民主党防衛の動きに繋がるもので、少なくとも政権与党の副幹事長の発言としては穏当な発言とは言えない と思います。
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