普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

民主党・出向は天下りではない?

2010-06-23 16:27:15 | 菅内閣

 昨日の9党の党首の討論会でみんなの党の渡辺喜美さんが国家公務員:再就職指針、現役の天下り容認 改革に逆行 近く閣議決定の記事の載った毎日新聞を振りかざして、民主党の天下り禁止の公約に反すると、菅さんを非難していました。

[天下りと出向は違う?]
 事実は朝日新聞の官僚の退職管理方針、閣議決定 定年までの環境整備
によると、
 菅内閣は22日の閣議で、国家公務員の退職管理基本方針を閣議決定した。幹部職員を対象とした「専門スタッフ職」の新設や、独立行政法人や公益法人への出向枠拡大などが柱だ。衆院選マニフェストに掲げた「天下りあっせん禁止」で行き場のなくなった公務員が、定年まで働ける環境を整備するのが狙い。
 独法、公益法人、民間企業への出向という現役の「天下り」枠の拡大は、省庁の新規採用枠の確保と人件費の抑制を図るための措置だ。鳩山内閣は、独法役員が公務員OBの場合は後任を公募する方針を昨年秋に打ち出しているが、今回の措置に伴い、大臣の任命で出向させる場合は公募の対象外とする。公益法人への出向は、公共性の高い法人で増やすとしている。
 ただ、民主党は「事業仕分け」などで独法廃止を含めた抜本的な見直しに取り組んでおり、整合性が問われそうだ。国会審議では自民党が、幹部職員を対象にした専門スタッフ職を「高給の窓際族」、独法への役員出向を「大臣お墨付きの天下りだ」と批判している。
など問題含みの決定のようです。
 普通のおっさんを自認する私も、省庁の新規採用枠の抑制と人件費の増大それと公務員の士気の低下に繋がる教条的な「天下り禁止」などあり得ないと思っていたので、今回のような閣議決定がでるのは当然だと思います。
 しかし、これには外野からみても次の問題があると思います。
・普通の企業の場合では、出向者の給与と出先機関の給与の差が仮にあるときは、出身企業がその差額の穴埋めをしても、それなりの節減になると思いますが、政府からの出向先が政府から補助金でている機関の場合、出向者の給与も実質的に補助金で賄う結果になれば、出向を天下りと言い換えただけとなり、野党からの攻撃受けることになるでしょう。
・それともう一つは出向先の合理化の問題です。
 私は徹底的に合理化した政府の外部団体へ天下りを容認すべきと主張してきました。
 仮に出向先が実務を担当する係員と天下り(菅政権で言えば出向)の高給官僚の数が同数か殆ど変わらないときは、いくら民主党政府でもこれを「出向」とは言えないと思います
 外部機関を徹底的のに合理化すれば、そこに天下りしても野党、マスコミ、世論の批判は少なくて済みますが、膨大な数の機関の合理化には長い時間を要します。
 然し民主党政権は普天間基地問題のように、「天下り禁止」を野党時代から寝言のように言ってきました。
 今になって単純な天下り禁止では、どうもならなくなり、郵政のときは政治家が指名したから「天下りではない」と財務省のトップを入れ、今回は「出向」と言いくるめるしかありません。
 いずれにしても普天間基地問題と同じように、時間が掛かっても問題の少ない外部機関に出向をさせ、そうでないところは合理化を進めて成果の上がったところへ出向させるしか、「天下り禁止」の公約の責任を取る しかありません。

[政府と関係機関の合理化対策]
・政府の会計制度を企業並みに
省庁と関係機関の人達のやる気を高めること→そのために原価意識を高めること→そのためには現在の会計制度を企業並みに変更すること
 詰まり企業では固定費として扱われている公務員経費や施設の経費およびそれらと変動費との割合を明らかにすること
・公務員の意見や提案を積極的に採用
 問題意識や、やる気を持った公務員や従業員の意見や提案を積極的に採用すること
 事業仕分けでJICAが取り上げられたとき、そこの仕事を手伝っていたときに聞いた話しを思いだしました。
 折角設備を作ったのにメンテナンスが悪くてそのまま放置されたとか、援助先の政府の言う通りに設備を作ったのが現地の反発に逢い反日感情が生れた。
 地域が纏まっていないところに設置された研修センターに学んだ研修生が反日、または嫌日になって帰国した。
 外務省が外交上の理由で漁業しかない国の参加をJICAの工業技術関係の研修コースに参加させるように押しつけてきた
などなど、実際に仕事をしているJICAの人達の意見を聞く事も大切と思うのですが。
・外部団体の調査による徹底的に合理化
 会計検査院のほか日本能率協会などの民間の生産性向上専門の機関を関係団体に(1~数週間)投入して、徹底的に問題点を指摘して貰うこと
 事業仕分けも良いですが、短時間に机の上ですることでは成果はそれなりしかないのは当然です。
 一般企業ではコピー機、コンピューターなど事務機の導入で、場所に依っては事務の労力が約50%も削減になりましたが、それに伴う省庁の合理化は聞いたことがありません。
 然し日本人は真面目ですから、その浮いた時間を何か別の仕事を作ってでもやろうとしますが、その中に無駄なものもある筈です。
・官僚の抵抗の排除
 公務員や従業員からの積極提案や実施した省庁や機関へ天下りを優先させること、逆には前政権の時のように、出先機関統合でゼロ回答するような省庁や機関に対しては天下り禁止は勿論、予算も締め上げること
(これに対しては前政権のときとは逆に強い世論の支持が得られると思います。)

 石原都知事も自慢していた会計制度の見直し、公務員の原価意識、問題意識の向上、公務員の能力の発揮とその意見の積極的な採用。 (これは今まで政治主導の名で政務三役が何でもやろうししてきたやり方の真反対のやり方です。)
 政府と関係機関の徹底的な合理化と天下り禁止の公約実施との整合性、官僚の抵抗の排除など、難しい問題ばかりですが民主党は与党としての信頼を保つためには、何とかこの難しい問題を乗り切るほかないと思います。

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