普通のおっさんの溜め息

戦前派から若い世代の人たちへの申し送りです。政治、社会、教育など批判だけでなく、「前向きの提案」も聞いて下さい。

原発問題の本質は・東京電力かそれとも

2011-04-17 11:33:31 | 電力、原発

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[マスコミへお願い]
 福島原発事故に関連して、マスコミ゛ではまるで日本の原発総てに問題があるかの様な議論が行われています。
 然し公平に見て今回の大事故が福島原発や東京電力特有のものか、原発全体に亙るものか分けて考えるべきだと思います。
 何故なら、仮に原発反対の立場から言っても、今すぐ全国の原発総てを止める訳にはいけないのですから。
 今までは新聞、テレビは国民へ与える影響を考えてか、福島原発や東京電力への直接批判は避けているようでしたが、「事故レベル7」の発表と言う最悪の事態になった今、今回の事故の本質を究明しなければ、国民の不安を増す事になるような気がします。
 それで原発の運営の直接の当事者の視点からの問題の解析も必要だと思ってこの提言をしました。
[核と言う超危険物を扱う設備の建設・運転・保全の在り方]
・経済的に許し得る限りの最新の技術を採用して建設すること
・運転・保全が協力して徹底的に原発の運転とメンテナンスをすること
・建設後も設備を経済的に許し得る限り改善して絶えず考え得る最強の原発にすること
・そのため建設後明らかになった技術や、日常的に危険に曝されている運転、保全に携わる人達の改善の意見を取り入れること
 このことに就いては当然過ぎることで、誰も異論のないことと思います。
 問題はこの当たり前過ぎることが行われて来たか否かです。
[一般の製造業での取り組みと原発の取り組み?]
・一般の製造業では他社との厳しい競争社会ですから最新の技術を取り入れるのは当然として、それを補う物として改善活動など自主管理活動で、現場からの提案を受け入れ、そしてその前提としての従業員のやる気や問題意識を高めるための人事管理を強化してきました。
 その一方では関係企業の間でも出来る限りの情報交換をして来ました。
 電力業界は事実上の独占企業で技術上の秘密を護る必要はないのですから、この情報交換はもっと頻繁に行われて居たはずです(と元製造業にいた私は思うのですが。) 増して核と言う超危険物を扱う原発同志の情報交換は常識的に考えても当然だと思いますが果たしてどうでしょうか。。
[報道やネット情報による福島第一の動き]
・福島第一はWikipediaによればGEから教えて貰いながらの建設だったそうです。
 当然にあちこちから不具合なところが出てくる筈で、運転・保全からも必ず改善の意見はあった筈ですがどう処理されたのでしょう。
・これもWikiでの記述ですが、福島第二では配管材料としてのステンレス鋼のSUS304からを応力腐食割れな強いSUS316に替えたそうですが、福島第一はどうしたのでしょう。(今回の事故で放射性のある水漏れの可能性が高く、それ現場を悩ませています。)
・女川で津波を考慮して立地を15メートル高くした。福島第二では緊急発電機を原子炉の建屋に設置した。
 福島第一の運転・保全の人達は上記の情報を聞いて、津波による建屋のある水漏れの危険性に気付き、今更建屋をどうする訳にも行かないので、緊急電源装置の入っているタービン建屋の耐水性の強化を考えた筈です。
 何故なら水漏れの結果がどんな恐ろしいことになるかは皆知っている筈ですから。
 然しネット情報では、建屋の配管の貫通部の水漏れ対策の提案に対して、費用が掛かり過ぎると言う理由で提案を拒否されたそうですが、果たして事実は。
 タービン建屋の浸水の事実だけははっきりしていますが。
 一方徹底的なメンテナンスの必要性に関しては、
・1号機の耐用年数を越えての運転を許可する条件で、政府機関が上記の強化を指示した数週間後に、福島第1原発で新たに33機器で点検漏れが見つかったことが報告されたことは経済産業省の記録に残っています。
・なおネット上ではどこかの保全関係者が書いたと見られる「耐用年数を超えた1号機でも定期検査の期間の延長を図っている」と言う、保全管理者としては信じられないレポートを見ました。
[東京電力の体質]
 私は福島原発の事故に報道を見て私の元保全技術者・管理者の感から東京電力の体質が、現場のメンテナンスに大きく影響しているのではないかと思って調べて見ました。
 事実はWikipediaの「原子力 事故」(現在消滅)では全国の原発の事故の約3割は東電の柏崎と福島原発の事故と、その隠蔽の記事を見ました。
 その後の報道や雑誌の記述から、東京電力の自衛隊や消防に一日二食のごろ寝の取り扱い、ユーザー側にも相談しない計画停電の発表などなどのお役所体質、本店と現場の離反、本店側からの現場に対する一方的な事故対策の指示などなど、元保全担当者から見れば、唯でさえ厳しい現場、原発と言う密閉社会の中で、事故の起こる前から現場の運転、保全の人達が如何に苦労しているか判るような気がします。
 製造現場では自主管理活動で、現場の個人の意欲を高め、その能力を引き出そうてしているのに。
 然し以上は総て乏しい情報の中での私の推測が入っていますし、現場出身の私の現場贔屓の傾向もあるかも知れません。
 マスコミは、一度現場の運転、保全の人達の立場に立って(勿論その批判も含めて)福島原発の問題を解析してみては如何でしょうか。
 そしてどの範囲までが福島原発の特有の問題なのか、全国の原発が抱えている問題はどの範囲か、を明らかにして頂くことが原発問題の本質を突く一助にはなると思うのですが。


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