熊本県の営業部長、ゆるキャラの「くまモン」の大活躍が連日ニュースを賑ぎあわせている。
3月13日は「くまモン」の満3歳の誕生日。市の中心街で盛大な誕生祝いの式典が催された。「くまモン」は熊本の名士。自衛隊音楽隊が先導しての豪華なパレードに大きな拍手が湧き起こる。春の陽を受けた街中がパット明るくなった。
街にはいたるところから「くまモン」が顔を出す。商店街には“「くまモン」誕生祭”の旗がひらめき、さまざまな趣向をこらした「くまモン」が店の入り口やショウウィンドから愛嬌をふりまいている。まさに人気者。
貴金属店のウインドウには、重さ10キロ、時価1億円の黄金の「くまモン」が市中心の繁華街を睥睨し、デパートにはガラス細工の「くまモン」が並べられている。ドイツの有名なガラス工房バカラの作品。1体が2万8千円と表示されていた。
「くまモン」は熊本県の営業部長として郷土物産品を売り込むなど営業活動に大活躍。東北大震災のお見舞いにも駆け付けた。全国をまたにかけての大活躍にその人気は高まるばかり。海外でもその人気にかげりはなく、活躍の場を広げている。
さる6日には、熊本県山鹿市の国指定重要文化財の芝居小屋八千代座で始まった市川海老蔵さんの公演で、歌舞伎デビューを果たした。
この日の「くまモン」は、特注した衣装と獅子頭、足袋姿であらわれ、頭を振り回す連獅子の振り付けを力強く演じ、最後は御愛嬌かバランスを崩して転倒したそうだ。満員の会場は拍手と爆笑に包まれたという。愉快、愉快。
「くまモン」をあしらった菓子や調味料、ストラップなどを含めた経済効果は、国内はもとより東南アジアで人気の高いグリコのヒット商品ポッキーの売上をはるかに上回ったとある。香港の百貨店でも「くまモン」コーナーが常設されたという。
自動車のホンダは4月14日から「くまモン」をイメージした、くまモンカラー黒と赤で染めた車体の小型バイク「モンキー・くまモン」を全国で発売すると発表した。
フランスに本社を置く世界3大通信社の一つAFP通信が、県のPRキャラクター「くまモン」を「九州の農業地域が生んだスーパースター」と紹介する記事を世界各国に配信した。
ジャパン・タイムズに掲載されたその記事は、
日本各県にマスコットがいるが「くまモン」は別格とし、「ケーキから飛行機までどこでも見ることができる。テレビの全国ネットで活躍し、天皇皇后両陛下の前でダンス。」と紹介し、日本銀行の調べとして「この2年間だけで熊本県に商品販売や観光など1230億円以上の経済効果をもたらし、90億円超の広告効果を生んだ」と報道。
さらに、「通常あり得ない経済的成功を納めている」とし、ハローキティやミッキーマウスと並び、マーケティングの研究対象になっていると伝え、成功の要因を「キャラクター使用料を無料にし、地域よりもキャラクーを売り込んだことで全国に拡大。その結果、あらゆる商品に使われるようになった」とした。
「くまモン」はまさに世界に通用する、熊本県のPRキャラ。ますますの活躍を祈っています。がんばれ・頑張れ。