映画『地下鉄に乗って』
(メトロにのって)を観た。
原作は浅田次郎。
彼の長編小説の映画化。
小説は1994年に
徳間書店から刊行され
第16回(1995年)吉川英治文学新人賞を受賞した。
内容は、過去と現在を
地下鉄を通じて行き来し、
家族の過去をたどる男を描いた作品。
堤真一、岡本綾が主演だ。
主人公の小沼真次は、
女性用下着を売り歩く
セールスマンだが、
真次の父親である小沼佐吉は、
世界的に有名な
「小沼グループ」の創立者であり、
真次はその御曹司であった。
真次は父親の母や兄への
傲慢な態度に反発し、
高校卒業後、家を飛び出していたのだ。
ある夜、永田町の地下鉄の階段を上ると、
そこには30年前の1964年(昭和39年)の
風景が広がっていた。(東京オリンピックの年)
そこで真次は、在りし日の兄を目撃する。
その後真次は、同僚であり
恋人でもある軽部みち子と共に、
現実と過去を行き来しながら、
兄の過去、そして、
父の生き様を目撃してゆく。
「鉄道員」(ぽっぽや) で
浅田ワールドの虜になった。
「月のしずく」でも涙した。
現実かまぼろしか、
はたまた、タイムスリップか。
浅田ワールドは心にぬくもりをくれた。
この作品も、父親からこどもへと
受け継がれる心が描かれている。
幼くして、父を失った私だから、
こんな作品は大好きだ。
しかし、期待しすぎた。
主演は良いとして他の俳優が、、、。
それと、恋人との悲しい結末。
外国映画では、タイムスリップしても
歴史を変えないのに(むしろ痛快になるのに)
この物語は、人の歴史を変えた。
命、そのものが生まれなかったことになった。
生命のリレー。
生命のバトンタッチの方ばかり
個人的に描いて欲しいと
望んでいたので
少し、イヤ随分凹んだ。
この記事を書きながら
「猫」のCD「地下鉄に乗って」を
聴いている。
「猫」は、昔のフォーク・グーループ。
もちろん、とっくに解散している。
大昔、吉田拓郎の前座として
よくコンサートに出ていた。
今は、こっちの「地下鉄に乗って」の方が
懐かしく、
また新鮮に聴けるし
心が癒される。
「猫」には「雪」という名曲もある。
そんな季節も近い。
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