リンク切れ、閉店等ありましたので「北海道遠征リンク集」を修正しました。帯広「かかし」の閉店は実に残念。阿寒湖「owl」はコーナーを設けていたユック民芸店が閉店したため、現在次の店舗?(コーナー?)開設に向け準備中です。今年こそは北海道行きたいな〜。
久々の本シリーズ。今回は「つべつ西洋軒」。網走川上流部に位置する津別町の市街地に三代続けて暖簾を守る老舗、そして大人気の食堂。名前こそ西洋軒ですが、洋食屋というよりは和食と中華を主体とした大衆食堂といった方がしっくり来ます。網走川はもちろん、阿寒湖も、女満別空港も近いので、釣りの途中に寄る機会も多い店です。
メニューはいろいろありますが個人的イチオシ、そして店を代表するのが塩ラーメン(写真中段)。郷愁さそう透明なスープ、でも出汁はしっかり出ています。海の香りは具のワカメのせいか、それともコンブを使っているのでしょうか。具や麺の構成は何のてらいもありませんが、そこがいい。いつも安心して完食できます。昨今のゴテゴテしたラーメンが嫌いな僕には、こういうのが最高!
餃子はもっちり厚めの皮で、人によって好みの分かれるタイプ。僕は好きですよ。写真はないけれど豚丼も店の自慢で、個人的にはこれまで食べた中で3本の指に入ります。また焼きそばを頼むと熱々の鉄板で供され、こってりソース味、隅には一口ライスが添えられています。名古屋圏の人間としては、ついでに鉄板に卵を落としてほしいところ。頼んだらやってくれるかなぁ(笑)
競争のあまりない土地柄のせいか、価格はちょっとだけ高め。といってもほとんどが1000円前後なので、納得できる範囲でしょう。なお使用した写真は数年前のものばかりなので、今は若干変わっている部分があるかもしれません。
ここの若主人は釣りも好きらしく、話を振るとけっこう乗っかってきてくれます。それも愉しみのひとつです。
▲カウンターに並べられた極上素材たち。ヨダレが〜。
釧路は炉端焼き発祥の地と言われています。元祖はその名も「炉ばた」という店だというのが定説ですが、他にも数え切れない程の炉端焼き店があります。そんな中でも名店の一つに数えられるのが「万年青」(おもと)です。場所は「末広」と呼ばれる繁華街の一角。ラビスタ釧路川、パコ釧路などのシティホテルからも近い場所です。客席は囲炉裏を囲むように配されたコの字型のカウンターと、小さな小上がり。20人も入れば超満員かという感じ。しかも地元客を主にいつも賑わっています。
万年青のメニューは豊富。焼き物は魚の干物(炉端焼きはふつう生魚よりも干物がメイン)、野菜、肉等々。そして釧路市民が熱愛し年中食べるおでん、刺し身、さらにはお茶漬けやおにぎり、豚丼などのご飯物。全メニュー制覇しようと思うと1ヶ月位通わなくてはならないかもしれません(笑)
▲味付け豚、ニシン開き、アスパラ。どれも巨大。ニシンは40cm超。
そんな中でも僕達のお薦めをいくつか。まずは焼き物。魚貝では、ニシンの開き(一夜干し)。本州ではあまり見かけることがないだろうけれど、脂ノリノリながら嫌味がなく、淡白なホッケ以上に好きという声もちらほら。そしてシシャモ一夜干し。もちろん道東で水揚げされた本物のシシャモです。ぜひオスを食べてみてください、卵はなくとも身の味の良さにびっくりするから。秋限定ですが生サンマも外せません。地元でメンメと呼ばれるキンキ一夜干しは、値段は高いですがさすがの美味。食べ終わったアラで作ってくれる吸い物がまた絶品です。
▲焼き上がりの味付け豚。3〜4人以上で頼みたい。
焼き物で忘れてならないのが味付け豚。醤油だれに軽く漬け込んだ、400gはあろうかという分厚いロースを炭焼きし、一口大にカットして出されます。豚焼も釧路の居酒屋では超定番メニューなのですが、ここのはひとクラス上の味わいです。野菜ならばアスパラ。太くて瑞々しくて美味くて、夢に出てきそう。
刺し身は季節により異なりますが、ツブがあればぜひ。おでんは北海道らしくフキやワラビ、タケノコ(ネマガリタケ)はいかが。山菜のおでんって癖になりますよ。ご飯物では焼きサケとイクラたっぷりのサケ親子茶漬け。
▲噂の玉子焼き。あのフライパンはあと何年使えるのか?
そしてもうひとつ、メニューには載っていないのに一番人気だという玉子焼き。ごく普通の美味しい玉子焼きなんですが、年季の入りまくったフライパンで焼く姿に見惚れます。
お値段は釧路市民に言わせれば「高い!」らしいのですが、名古屋圏の相場からすれば一般的。っていうか味と量を考えればリーズナブルかも。またお品書きに価格が載っていませんが、店の方に聞けば教えてくれるし、腹一杯に飲んで食べて1人5000~7000円ってところです。せっかく訪れた道東、これくらいの贅沢はいいでしょ?
さらにこの店、夜は17時頃から朝は5時までというロングラン営業。食事をしに早めに行くも良し、シメとして深夜に軽くお茶漬けもよし。使い勝手が非常によろしいのです。店の雰囲気も素晴らしいし、きっと気に入ってもらえると思います。
▲窓の向こうにシマフクロウがやってくる♪ロビー
▲川べりの寝湯。湯温はぬるめでグッスリ眠れる(笑)
▲噂の朝食。写真は数年前の6月。ウド、ネマガリタケ、コゴミ、アスパラ等々の野菜と山菜たっぷり!
道東への釣行時、安価で使い勝手の良いビジネスホテルに泊まることの多い僕達ですが、たまにはちょっと奮発した宿を選ぶこともあります。その中で最も気に入っているのが中標津町養老牛温泉の「湯宿だいいち」です。
養老牛温泉というのは中標津市街地から20kmほど西(摩周湖方面)へ向かった、牧草地の中にある温泉郷。温泉郷といっても今や宿は2軒しかなくさびれまくりですが、ここで北海道屈指の人気宿として頑張っているのが「だいいち」です。
建物は山荘風。何度も増改築を繰り返した結果、外観はいくぶんカオスな表情になっています。ロビー回りの内装は、やはり山荘風。シンプルな造作だけれど広く、窓が大きく、中央に大きな囲炉裏テーブルが置かれ、とても和みます。またご主人の趣味を反映したオーディオルームが最近新設されたり、リクライニングチェア付きラウンジがあったり、ヤマメ釣り道具を貸してくれたりと、おもてなしにも創意工夫が感じられます。
客室はデザイナーズ旅館のテイストをあしらった、小奇麗だけれど居心地の良いもの。和室あり洋室あり和洋室ありメゾネットありと、ひと部屋ひと部屋趣が異なるのが楽しいですね。宿の裏手を流れる渓流(モシベツ川)を多くの部屋から眺められるのも嬉しい。もちろん露天風呂付き客室もあります。手元に良い写真がないので、館内の様子は宿のサイトでご確認ください。
気になる風呂は、男女大浴場がひとつずつ。内風呂はヒノキやヒバを多用し木の香り豊かで、トラディショナルなテイストの空間。露天風呂はモシベツ川に面して設けられた開放的な空間で、岩風呂、丸太風呂、川が目の前の寝湯、源泉ミストサウナなど多彩な浴槽が楽しめます。また男女別露天風呂の双方から混浴露天風呂に入れる設計となっています。
泉質はナトリウム・カルシウム・塩化物硫酸塩泉。複数の自家源泉を持ち、適宜ブレンドしてるようです。心地良い硫化水素臭が感じられ、肌あたりはまろやかです。源泉温度が高いので加水の可能性はありますが、循環ろ過・消毒なしの掛け流しです。
食事は道東の海の幸山の幸をふんだんに活かした懐石。料理人の腕も確かで、特別に目新しいものや凝ったものはなくても、いつも安心の美味しさです。
そんな「だいいち」の中でも、僕達が特に魅力に感じているところが2点。
ひとつはロビー前にやってくるシマフクロウ。ロビー前にはモシベツ川が流れ、その畔に生簀を置いて毎日ヤマメ数尾を放ち、森に自生するシマフクロウが自由に食べられるようにしているのです。基本は夜、時には朝や昼にもシマフクロウがやってきて、宿泊客はロビー越しに食事風景を眺めることができます。野生の生き物相手なので毎日必ず来るとは限りませんが、昨今では5割以上の確率で見られるようです。宿のスタッフが来訪に気づくと、就寝時以外は館内放送で教えてもらえます。北海道にしか生息しておらず、その数も200羽に満たないとされる天然記念物シマフクロウがこんなにも身近な存在なのは、北海道でも「だいいち」だけでしょう。他にもエゾリスやクロテンなど多種多様な野生動物がロビー前にやってきます。
もうひとつの魅力が朝食。「だいいち」の朝食はいわゆるブッフェスタイルで和洋好きな料理を食べられるのですが、料理の1点1店が凄い。季節の野菜や山菜(もちろん天然物!)をふんだんに使った手作りの惣菜が所狭しと並びます。特に素材の豊富な春から初夏に行くと、感動できること間違い無し。また養老牛で作られる超クリーミーな牛乳や、自家製のジャムもあります。「だいいち」は夕食もけっこうボリューミーなのですが、その量を控えてでも朝食に腹いっぱい食べるのが正解です。また朝食が終わる頃にはロビーで餅つきが行われ、チェックアウト時に作りたて大福がもらえます。
というように部屋も風呂もその他も超充実している「だいいち」。1人1泊1,5000円程度からと道東にしてはお値段は高めですが、それ以上の価値がありますよ。屈斜路湖や忠類川、中標津空港や女満別空港にも思いのほか近く、釣りの拠点にもしやすいと思います。ただこの宿に泊まるとそれ自体が楽しくて、釣りのことなんか忘れそうではありますが(笑)