平湯・福地・新平湯・新穂高、北アルプスの麓、岐阜県側に4つの温泉地が集まる奥飛騨温泉郷。そこを代表する立ち寄り温泉施設が「ひらゆの森」です。場所は平湯温泉の南のはずれ。安房峠道路（安房トンネル）岐阜県口からもすぐ近くです。泉質は含硫黄ナトリウム・カルシウム・マグネシウム炭酸水素塩泉。湯船には大量の湯の花が漂い、ほど良い硫化水素臭。湯の色は無色透明が基本ですが、日によって、湯船によっては白や青白に濁っていることも。浴感はさっぱり系。ツルツル・ポカポカという類ではありませんが、万人受けのするいわば「温泉らしい温泉」です。湯量が毎分600リットルと豊富なので、もちろん循環消毒なしの掛け流し。源泉温度が高いため沢水を加水していますが、そのデメリットは感じられません。
もうひとつの魅力が施設の造作。美しく広々とした森の中に受付・物販棟、入浴棟、レストラン棟、宿泊棟などを分散させ、畳敷きの渡り廊下でつないで（広すぎて歩き疲れるという意見も・笑）います。どの建物も木の風合いを生かした民芸調。この雰囲気だけで惚れ惚れしてしまいます。浴場は、内湯が野太い柱・梁が印象的なレトロ空間。露天は男女合わせて16もの湯船があり、湯温や色合いがそれぞれ微妙に異なってお気に入りを見つける楽しみがあります。他に宿泊者専用の貸切風呂等があり、駐車場には無料の足湯も。休憩棟は全面に床暖房が敷かれ、寒い時期の昼寝はまさに極楽。またレストラン「もみの木」は飛騨牛焼肉を筆頭に、郷土の素材・料理が充実しています。鍵の開け閉めごとに100円飲み込まれるロッカーだけは感心しませんが（無料の脱衣篭等もあり）。
これで入浴料500円は、どう考えても安い！岐阜県内の立ち寄り温泉の中では、僕的にはここがイチオシ。大人気施設ゆえ混みがちではありますが、それでも施設の広さからか、館内に入ってしまえば窮屈さを感じたことはありません。
＜勝手に通信簿 C to AAA＞
泉質 湯量と質に圧倒される AAA
施設 森林浴気分も時間旅行気分も味わえる AA＋
食事 飛騨牛が美味、他のメニューもまずまず AA