足の怪我がようやく治って釣りに行けるかと思った矢先の猛暑到来。こりゃ〜今年のトラウトはなし崩し的に終了かな。アブに追われるのも嫌だし。というわけでHPが存在した頃に常設してあった道東釣行案内(サケ科限定)でも。
*2016.08.03 ところどころ追加・修正
【道東って何処よ?】
簡単に言ってしまえば北海道の東部。細かな定義は時と場合によって微妙に異なりますが、オホーツク、根室、釧路、十勝の4振興局管内とするのが一般的でしょう。ただし十勝は、地理条件や気象条件、交通条件が他とは異なる部分が多いため別扱いするケースも少なくありません。ちなみに僕達が最もよく釣りに行くのは釧路で、次いで根室とオホーツク、十勝は札幌方面への移動のついでに寄る程度ということが多くなります。
【道東の魅力は?】
ひとこと「世界屈指のトラウトパラダイス」。数も種類も、こんなにたくさんのトラウト&サーモンが釣れるエリアは、世界中にそう多くはありません。しかも東名阪の大都市圏から飛行機で2時間程度とアクセスが良く、ほぼ自動車限定ですが交通ネットワークが充実しており、ホテルやレストランも探すに事欠かない。ほとんど冗談のような土地です。
【道東で何が釣れる?】
アメマス/道東を代表するトラウト。春は川から海へと下る群れを下流域で狙う。夏は海の群れ(海アメ)をサーフやオフショアから狙う。秋は産卵遡上してきた群れを河川内で狙う、冬は河川内で越冬する群れを中下流域で狙う。というようにほぼ通年釣ることができます。最近は数・型とも下降気味ですが、それでも40〜50cm台を主に、時には80cm級も狙えます。河川上流域等では降海しないエゾイワナを見ることもあります。
ニジマス/5月頃〜10月頃が釣りシーズン。釧路や根室には生息数の少ない河川が多く、サイズも20〜40cmがアベレージとなります。数・型共に狙うならオホーツクや十勝の河川、あるいは定期的に放流の行われているレイクやC&R区間へ足を運ぶのが良いでしょう。なお本州とは異なり北海道の河川やレイクでは、自然繁殖のニジマスが見られます。
ヤマメ・サクラマス/冬場が禁漁の本州河川とは異なり、オホーツク・根室・釧路の河川は6・7月、十勝の河川は5・6月が禁漁となります。9月には産卵に入ってしまうので、実質的な釣りシーズンは夏の一時期のみ。またサクラマスは河川内では全面禁漁ですが、沿岸部では(河口規制等が入る場所を除く)自由に釣ることができ、遡上前の5〜6月に「海サクラ」を狙う人で賑わいます。なお道東のサクラマスはアベレージ40cm程度と小ぶりなのが特徴です。
オショロコマ/河川上流域に主に生息するイワナの一種。知床では河口部から、しかも大量に釣れますが。サイズは15〜20cm程度と小型ですが、稀に40cmを超えるような降海遡上型が釣れます。
ミヤベイワナ/然別湖だけに生息するオショロコマの亜種。春と秋の短い時期にだけ釣りが認められています。サイズは30cm程度がアベレージ。
ヒメマス/屈斜路湖や阿寒湖に生息するベニザケの陸封型です。普段は沖の深場に生息しているため、ルアー&フライで狙って釣れるのは、産卵のため接岸する秋。サイズは30cm程度ですがベニザケ(レッドサーモン)のように赤く色づきセッパリになった雄の魚体には見惚れます。
カラフトマス(ピンクサーモン)/小ぶりなサケで50〜60cmがアベレージ。産卵が迫ると雄はセッパリ体型になります。河川で釣りが認められているのは道東では忠類川(釣獲調査)だけで、期間は7月〜11月の間で定められます。海で遡上前の魚を狙う場合は7月下旬〜9月中旬がシーズン。遡上期には「河口から東西**メートルは釣り禁止」というような河口規制が入る場所があるので注意しましょう。
サケ(シロザケ・アキアジ・チャム・ドッグサーモン)/日本でサケと言えば普通はこの魚のこと。最もポピュラーな種です。サイズは60〜80cmがアベレージ。シーズンはカラフトマスより遅くて9月〜11月あたりがピークです。河川や沿岸での釣りルールはカラフトマスと同様です。
イトウ/道東での生息数は減少しており、ごく稀に顔を見られる程度。狙って釣るなら道北へ行くべきでしょう。
ブラウントラウト/十勝の一部河川やレイクで見かけますが、道南のように広範囲に生息してはいません。
【屈斜路湖と阿寒湖】
道東の二大レイク。どちらも良型のアメマスやニジマス、秋にはヒメマスが狙えます。漁協や地元有志による放流も定期的に行われています。屈斜路湖は結氷してさえいなければ(例年1月頃〜4月頃は結氷)いつでも釣り可能です。阿寒湖では5月1日〜11月30日の間がトラウトフィッシングが可能です。
【阿寒川C&R区間と渚滑川C&R区間】
阿寒川は阿寒湖と同じ漁協が管理しており、5月1日〜10月31日が釣り可能です。また上流部はC&R区間となっています。渚滑川にもC&R区間がありますが、こちらは行政(滝上町)の条例により定められています。釣り可能な期間は5月1日〜11月30日です。どちらの河川にも細かなルールが定められていますので、釣行前に確認が必要です。
【道東の河川管理】
道東に限らず北海道のほとんどの河川やレイクには漁協が存在しません。あっても管理しているのはワカサギだけだったり(笑)そのためほとんどの河川で入漁料や、漁協ごとに異なる規則に縛られずに釣りを楽しむことができます。道東では阿寒湖・阿寒川や塘路湖、忠類川(厳密には漁協ではないけれど)等が数少ない例外。ただし既に述べたようにヤマメ・サクラマスやサケ、カラフトマスに関してだけは北海道の条例でルールが定められています。釣り場の保全という観点では、北海道全域対象のライセンス制とか導入してはどうかという気もしますが...
*次回は交通アクセスとか宿とか温泉とか編の予定です。