先週の土曜日に北海道大学で大学院生向けの講義をしてきました。
内容は、「臨床生薬学」です。この「生薬」(しょうやく)とは、漢方薬の中に使いっています素材、薬用に使います植物等の事を言います。ですから広い意味ではハーブも入りますし、サプリメントで使っています植物もここに入ります。
私の余市にあります薬草園の植物の1年の変化等をお見せしたりして、その生薬の特徴や良し悪しの鑑別などをお話をしました。
その中で今の医療を取り巻く問題点等を話を致しました。そして現場での矛盾や問題点も・・・・
- 自分で風邪だと思い、風邪薬を服用したい。(きっと風邪薬を説明されて飲まれる事が多いかと思いますが、風邪に似た病気は沢山あり、それを区別する鑑別がポイントになります)
- 薬が効いていないけど、継続して飲まれている(本当は違う病気であったり、薬の種類が合って無い)
- 薬を飲んでいるけど、本当は飲まなくとも他の治療法や生活の改善で治る(例えば、糖尿病や高血圧、高尿酸・・・、これらは生活を改善をして薬物治療をしないと治りません)
- 昔は感染症が多く抗生物質等が主役であった。しかし、今の時代は循環器疾患や免疫の病気が大半で、病院の薬物治療では限界がある。
医療も規制緩和で、薬は何時でも何処でも手に入りやすくなりました。そして、何処で何を買おうとも自己責任の時代にもなりました。 どのタイミングで、病院に行くのか、近所の薬屋で薬を購入するのか・・・・。そして、どの病院に、どのドクターに、そしてどの薬剤師に・・・・・。これも運や賭け、リスクコントロールの中に入ります。 年末ジャンボの宝くじを買うのにも似ていますね
最後に学生さんにこんな話を致しました。
「皆さんの学費や生活費の大半は親御さんからの援助に思います。きっと社会人になり就職をしましたら、ご恩返しを考えていると思います。皆さんは、どんな方法を考えていますか? 初任給で食事に誘ったり、お財布や服などのプレゼントを考えたりします。その方法の一つに考えて欲しい物があります。折角、大学で医学・薬学の知識を勉強させていただきました。その知識を使って親御さんの健康管理をし、薬を使わなくとも良い健康な状態にし、もし治療をする事になっても必要最低限の量の薬と期間で治してください。大学に行かせていただいた知識を使っての親孝行です。自分も大切な家族もその知識で健康に出来ないのでしたら、他人の患者さんを治せません。」