波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

波風食堂のお客さん……「我が酒嗜好今昔記」

2011年04月13日 | 日記・エッセイ・コラム
Photo 初めての酒は小学3年。焼酎だ。昼寝後、のどの渇きをいやそうと、茶だんすに何気なくあったコップを一気に。親父の飲みかけだ。とてつもなくまずかった。が、酔わなかったのは何故だ?~今に続く、物事をよく確認しない性格。
 
 自分の意思で飲んだのは高2。当時高級なVSOPの水割り(なんで水割り?)暴れる友がいたが、よく停学にならなかったものだ
。~周りに流されているのに変に自分に自信(酒が強いのでは)持つ。

 「親父みたいな大酒飲みに決してならない」と心に念じつつ、父親のDNAは見事に体に引き継ぎ、右肩上がりに増える酒量
~自分を律することのできない「自分に甘い」体質も。
 
 九州男児の義弟。好きなのは芋焼酎の「さつま白波」。つきあいでグラスをともにしたが鼻につーんと来るのに違和感。「これがいいんだ。」と言われたが・・・。時を経て、バーボン・ウイスキー・日本酒・ワイン・泡盛と変遷し、糖尿病対策で行き着いたのが「つんとくるやつ」
~こうあらねばならないという意識と行動が強く許容量が少なく、融通が利かない(度量が狭い)
 
  互いの距離を縮める「飲みにケーション」、人に迷惑をかけない「酒に飲まれるな」、自律の心で「百薬の長」、数々の失敗と後悔「わかっちゃいるけどやめられない」。飲み方に批判的だが、酒肴の工夫をしてくれる飲めない妻と今夜も一杯、未だわかり得ない酒嗜好。
                                                                                  4月12日  花池 嵐                                                           
 
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突然ですが、「波風食堂」を思いつきで本日開店。旧知の友、花池さんが訪ねてくれた。「一寸凡師コラム」に時々、コメントを寄せてくれていた。「今度、遊びにおいでよ」と言っていたら、素敵なコラムを書いてくれた。そんなこんなで不定期開店の食堂に。売りはお客さん自身の持ち寄るコラム。店主の立男がただ器に移し替え、皆で食べる店。
このブログを読んでいただいている方に、「波風食堂」へのご来店(コラムのお願い)をいたします。字数多くて500字ぐらい。ペンネームで。謝礼は「なみかぜたてお鉛筆」1本…これ、本当です。掲載は投稿日から1週間以内めどに。原稿送信はここから 間違いなく届きます。
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たのしみは

2011年04月12日 | 日記・エッセイ・コラム
  • たのしみは紙をひろげてとる筆の思ひの外に能くかけし時Photo_2
    たのしみは妻子(めこ)むつまじくうちつどひ頭(かしら)ならべて物をくふ時
    たのしみは朝おきいでゝ昨日まで無(なか)りし花の咲ける見る時
    たのしみはそゞろ讀(よみ)ゆく書(ふみ)の中に我とひとしき人をみし時
    たのしみは錢なくなりてわびをるに人の來(きた)りて錢くれし時
    たのしみは心をおかぬ友どちと笑ひかたりて腹をよるとき
    たのしみは人も訪ひこず事もなく心をいれて書(ふみ)を見る時
    たのしみはつねに好める燒豆腐うまく煮(に)たてゝ食(くは)せけるとき
    たのしみは小豆の飯の冷(ひえ)たるを茶漬(ちやづけ)てふ物になしてくふ時
    たのしみは田づらに行(ゆき)しわらは等が耒(すき)鍬(くは)とりて歸りくる時
    たのしみは衾(ふすま)かづきて物がたりいひをるうちに寝入(ねいり)たるとき
    たのしみはほしかりし物錢ぶくろうちかたぶけてかひえたるとき
    たのしみはいやなる人の來たりしが長くもをらでかへりけるとき

 

 独楽吟の52首から思いつくままに。最後の歌、大いに笑う。

 子と、妻とのつつましい生活、学問への態度、友との交わり…日常の幸せをこんなふうに素敵に表現する凄さ。押しつけない普通の言葉、短い表現で。江戸時代、福井で生まれ56歳の生涯を福井で閉じる。殿様が教えを請いに来たという教養と品性。金品をこんなふうに、感謝と思いやりをあんなふうに…自己をここまで客観化できる知性に感嘆。

 

 私なりに、身辺雑記を読み書きするうち、好悪の基準も何となく。

 まず、等身大の「わたし」の息吹や匂いを大事にする、何より「自由」で気楽で、飾らず卑下自慢せず、体験事実をもとに嘘書かず。読み手に負担をかける固有名詞、特に外来語、借りものの言葉、とりわけ業界用語を使わず済ませたい。

 

 

 あらゆる表現に品性宿る。生きることは表現し続けることだから文品、人品の品定めは避けがたい。しかし、上手い下手はプロの話だ。素人は素人なりに「文は人なり」を忘れず、それを「たのしみ」の修行の一つだと思えばよいのではないか。

           たのしみは百日(ももか)ひねれど成らぬ歌のふとおもしろく出(いで)きぬる時

 

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橘 曙覧(たちばな の あけみ)江戸時代の歌人。本HP掲載の歌は、「独楽吟」(どくらくぎん)より。すべて「たのしみは」で始まる52首の歌から。正岡子規が、源実朝以来の傑出した歌人と高く評し、「清貧の歌人」として文学史上に。クリントン大統領のあいさつで使われた「たのしみは朝おきでて昨日まで無かりし花の咲ける見るとき」は有名

立男の文章基準の参考書、「エッセーの書き方」(日本エッセイストクラブ:岩波書店)一昨年の入院中、やせて体中痛く、身体をぐるぐる回しながら読んだ記憶の本。あの体重を今欲しい。

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白い道  №3

2011年04月08日 | 新聞掲載

  「君たちには気になる異性がいるかな?
 私の場合は、中三の秋に転校してきた女生徒がそうだった。内気だからPhoto_4 口もきけず、同じ高校なのに何一つ接点を作れなかった。その分、一方的に想いがふくらんだ。
 それは、高3が間近な初春の日暮れだった。帰りの生徒玄関で、偶然彼女と二人きりになった。夢で見た光景が現実になった。だがいきなりすぎた。困ったと思った。玄関からは道が三つに分かれる。右は雨や吹雪の日に使うバスの停留所へ、真ん中は友だちとにぎやかに帰るいつもの道、そして左が彼女の行く雪原の一本道だ。
 私の選んだ道はどれだと思う?今は笑えるが、その時は何かに触れたら破裂するような心境だった。自分の力で解決するしかない真剣勝負の時を迎えたのだ。たぶん、冷たい空気で息を整えたと思う。四〇年後の今も思い出せるのは、満天に広がる見事な星々と、その下に輝いていた白い道だ」
    右の文章は、私が全校生徒向けに書いている「週刊 校長室新聞」からの抜粋である。選んだ道はまだ内緒です。あなたならどの道を選ぶ?と尋ねると生徒の顔に笑みが浮かびます。
 先生や親は、これが思春期の顔でしたというふうなすてきな表情で答えてくれる。春待つときめきを探すように、白い道に続く今までの長い道のりを振り返るように。                                                                                                                        【平成23年4月8日/朝刊】

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後日談。勇気を出して左側を選び、交際を申し込んだ。私は、そんなことのできた自分が嬉しかった。家に帰るのがもったいなくて、用もないのに遠回りして帰った。その時の思い出が、満天の星と白い道だ。
  次の日、彼女の家に来るよう言われた。私に両親から話しがあるという。母親から、「高校生らしいガラス張りの健全な交際」の注意事項がついてOKを申し渡された。正座して聞いた。だが交際は1年もたたずに終わった。永い片思いで、彼女を必要以上に美化しすぎたせいだった。幼かった。

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岩飛びペンギン

2011年04月08日 | 日記・エッセイ・コラム
 眉に飾り羽根の岩飛びペンギン。岩場に住みヨチヨチ歩きでPhoto_251 なく両足で飛び跳ねる。相当攻撃的な性格。だが身長60㎝前後、体重4㎏前後と小柄だから、動物園では他種類のペンギンと一緒に飼われ、餌取りで力負けも多いらしい。プライドが高い割に弱いんだ。ところが、夫婦の絆は強く、鳥類では珍しく2年続くつがいが58%もいると研究者。他を知らないから比べられないが動物界の結婚事情はなかなか激しいようだ。そういえば、あのオシドリの夫婦仲も人間界のモラルで判断すると実は相当なものらしい。
 
 ひげ剃りの鏡に映る丸顔。目に光はまだあるが還暦間近の疲れは隠せない。めっきり増えた白髪の鬢(びん)も目立つこの頃…こんな顔の奴どっかで見たな、ペンギンでこんなのいたなあ、あれは眉毛だったかと立男。…勝手そうでどこか哀愁漂う風貌と動作。小石をせっせと集めて来る雄がもてて、それを使って巣作りに励む雌というのも親近感湧く。この岩飛びペンギン、あの旭山動物園にもいるらしいから今度あいさつしてこよう。柵の内側で「らしく」勤務する態度、夫婦共働きで和合の雰囲気の研修に。
 
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右の画像(岩飛びペンギン)動きます。「きつねうどん」の「きつね」を、前出4/4「てっぱんごはん」の要領で作成し★★★★☆。うどんはもちろん「下川うどん」だ。2度使ったコンブを最終的に甘辛い佃煮にするも可。昨日の夕、同レシピで「玉子丼」★★★★☆。ご飯の量多すぎたのが…。暇な時に作りおく出汁とかえしで10分クッキング。「料理は食べる工作」を実感中。
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【その6】 本が好き

2011年04月07日 | 【保管】一寸凡師コラム

6    凡師は自称「本好き」である。好きなジャンルや好きな作家がいる訳でもなく、ただその時興味が沸いた本を、ゆっくり時間をかけて読むスタイル。集中して読んだり、読み切るのが苦手な凡師は「読書好き」とは言えないのだろう。


    もしかしたら、本を手にし、本を開く行動そのものが好きなのかも知れない。また、集中力の無さか、はたまた飽きっぽい性格からか、一冊の本を続けて読むことがなかなかできない。内容にもよるのだが、複数の本を並行して読んでいることが少なくない。たまに本棚を見ると、しおりが挟まった「読んでる途中の本」が何冊も出てくる。久しぶりに見ると面白そうだなと感じ、また読み始めるのだが、内容を忘れてるので、もう一度最初から読む・・・。読んでる途中でまた、別の本を読みたくなって…。こんな事を繰り替えす凡師は、作者からすると相当失礼な読者なのだろう。


    雪解けが進み、気温の上がる4月。ポカポカ陽気の中でゆったりと本を開き、気づいたら居眠りしてた…、そんな休日の過ごし方もいいなあと思える季節になった。現在、読んでる本の数は4冊。「本好き」としては、マイペースでページをめくり続けたい。

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  本HP常連コラムニスト凡師さんの木曜コラム。コメント受付中。匿名、ペンネーム歓迎。下の赤字「コメント」をクリックしどうぞ【BY波風立男】<xbody></xbody>

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