波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

短い話   №11

2012年04月13日 | 新聞掲載

 以前、新任の中学校で張り切っていた頃、先生の話が長くて生徒や親がPhoto 困っているようです、とPTA会長さんから言われた。さりげない口調だが、目が真剣だから間違いなく大勢を代表した直訴だった。
  全校集会で、「私の話が長過ぎて何を言いたいのかわからないという変な噂が学校周辺で広がっています」と真剣に切り出したら生徒の顔が上がった。「北海道で2番目ぐらいに話の短い校長になってみせます」と決意表明した。生徒は、本当かなあ?という顔つきだったが拍手してくれた。

 市内の小学校から、そこの校長先生の話が長くて、集会前に児童用トイレが大混雑して困っている、という噂も入ってきた。話の短い前任校長の評判が急上昇しているらしい。子どもたちからのシンプルかつ強烈な授業評価だ。いつ終わるかわからない壇上からの話を、身もだえして我慢しているかわいそうな幼い姿を想像した。

 その後私は、「えっ、もう終わり?」と言われるあいさつに努めてきた。立場上、修行の成果を披露する機会は少なくない。だが、「若い時のあの迫力はどしたの先生。随分話も短かくなったけど、身体どっか悪いんでないの?」と、今は大人になった教え子たちから温かく冷やかされる。
 今月から地元の大学で教えている。困ったことは、授業、いや講義1コマの時間が小中学校の倍ぐらいもあることだ。(4/12 北海道新聞)

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果たして、大学の「90分授業」は妥当なのか。一方的な講義の90分で、1日4~5コマなら絶望的な感じすら。学問を超え修験者の道場だ。立男の大学時代も90分だった。学ぶ価値観も、学ぶ方法も、子どもの忍耐力も変わっているはずなのだが…と、波風教授はつくづく思うのであった。

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【その55】アンバランスな弱い自分

2012年04月12日 | 【保管】一寸凡師コラム

  靴底がすり減ってるせいか、「えっ、こんなところで?」というような場所でも転びそうになる。(凡師のPhoto住んでいる所は、まだ雪がある。日中は路面が見るようになってきたが、朝晩は凍っていることが多い。)周りの人は涼しい顔で歩いているのに、凡師だけ緊張感が溢れる顔。普段「緊張感が足りない」とよく言われるが、そんな人達にはぜひ「凡師の通勤」を見てもらいたい。バランスをとろうと必死でもがく姿を。

 さて、新年度が始まり何かと大忙しの日々。朝の仕事タイムもフル稼働。ついこの間までは、「外は真っ暗」で、隠れて何か悪さをしているような「ちょっとしたドキドキ感」とか、「まだまだ時間はたっぷりあるぜ!」といった「心の余裕」があった。凡師的には非常にバランスの取れた状態。しかし最近は、仕事開始時にはカーテンからうっすらと明かりが見え、「ドキドキ感」や「特別感413 」は皆無。それどころか、「もう朝だ! もう時間がない! どうしよう!」という「心の焦り」が大半を占めている。これは非常にアンバランスな状態だ。この時期から冬までの間、心と健康のバランスをとって「朝仕事」を遂行するには、2時ぐらいから起きて活動するか、時計をきちんと見て「焦る心」を静めるしかない。

滑る靴底にとってはいい季節だが、凡師流朝仕事には向かない季節。

だって、外が明るかったら、遊びたくなるんだもの・・・。

バランスをとるのは、本当に難しい。

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「多雪」

2012年04月11日 | 日記・エッセイ・コラム

 天気予報用語、雪が多く積もるの意味、用例に「多雪地域では、なだれに注意」、「厳寒、多雪に注意」と確かな筋のインターネットに。ホッとした。ママヨさんに「こんな言葉使うかなあ?」と言われたからだ。退職あいさつ状のハガキ印刷を終わった後だった。「多雪、厳寒だった今冬」という書き出し。
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 大雪(たいせつ)は雪が激しく降り始める11月頃の季節を表す用語、大雪(おおゆき)は多く降る雪の量だと知った。ママヨさんは「大雪」がふさわしいと思ったのだ。
    立男は「多」の字形が、上から降り積もる感じで迷いはなかった。大雪は牧歌的、多雪は苦難の厳しい情感が漂う。

 「日本語 語感の辞典」(中村明著:岩波書店)は、こんな時のための一冊だが役立ったことがない(笑)ただただ、言葉は厳密な意味を持つと同時に、情緒的な印象を与えるのだということを多くの例で学ぶ楽しい読み物。繰り返すが、今年の雪は、誰が何と言おうと大でなく、多だ。

イラストは、あいさつ状に描いたもの。4月から働いている学校。昨日初めての授業。緊張した。学生の方々も緊張していた感じ。この年齢になると、緊張もなかなか味なものだ(笑)ドキドキをワクワクに…は若者だけのものでない。右下の「2012ギャラリー」更新。新作2枚展示。

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凡師のつぶやき(教科書編)

2012年04月07日 | 【保管】一寸凡師コラム

Photo_3   荒馬さんからお手紙

 凡師は私にもったいない旦那様です。私は、過激派ですが「あの凡師さんの奥さんだから…」ということで、仕事をした職場で良い思いをさせてもらいました。凡師効果は絶大です。
 彼は愚痴も悪口も言いません。私なら堪らず文句を言う、その何百倍の時間を待つことができる人です。
 彼は、楽しみを見つける天才です。ただのポジティブシンキングではなく、辛さを乗り越えるための、問題を解決させるための楽しみ方を知っている人です。
 彼は、自分が大好きです。実はこれはすごく大切な事なのだと気づかせてくれました。自分を大事にできない人は、人様のことを大事に考えたり、物を大切にしたり、できないのだと思います。
 主人は、孝行息子です。あんなに自然に孝行ができたり、愛情を示すことができる主人を尊敬しています。
 
 私たちの息子2人は、主人が大好きです。お父さんっ子です。母親は妊婦の時に一足早く親になり、得できる部分が多いですが、父親は大変です。他のご家庭の話を聞くと、「お母さんじゃないとダメなのよ。だから大変」と聞きますが、我が家は、そんな言葉を発したことがありません。本気で嫉妬する時もあるくらいです、最近では、下の子も、主人の「ただいま」で大きく反応し、目も嬉しそうにします。これまた嫉妬です。
 上の子も明らかに違います。主人がどれだけ子育てに関わってくれているか、子どもにどれだけ響いているのかがよく分かります。感謝です。 
 息子達が、ずっと、お父さんっ子で居られる環境作りが私の仕事となりそうです。

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【その54】 隙間コラム 第2章

2012年04月05日 | 【保管】一寸凡師コラム

Photo  新年度が始まり、管理人さま(日頃大変お世話になっている関係で敬称あり)よりPhoto_2 「コラム継続可」のありがたいお言葉を頂戴。本コラムも無事「第2章」に突入。どの辺が第2章なのかというと、①執筆用のパソコンが新しくなった ②執筆用のワープロソフトが新しくなった ③ 執筆する書斎周りが一新された ④荒馬さんから「頭がいい人の文章の書き方」(小泉十三と日本語倶楽部 著 河出書房新社)という本を紹介された、というあたりで、コラムの内容は特に変わらない。

    隙間コラムスタート時に管理人さまより言われた「自由に、修行のつもりで執筆を!」という部分を大切に、今後も邁進したい。また、コラムに時折顔を出していた「荒馬さん」が実は人気で、登場を期待する声も多い。そのため、第2章でも「荒馬さん」ネタをチョイチョイ織り交ぜながら、生活に役立つ情報を中心にお届けしたい。

本コラムをお読みの皆様、凡師ワールド第2章にもゆる~くお付き合いを!

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