末期の眼に(死にのぞむ心に)、人生のすべてを一瞬のきらめく光の中で悟ったのだろうか。あるがままの自分が静かに人知れず散っていく、それを感情を交えず見つめる良寛。昔、国語の授業でそんなことを考えた、いやそんなふうに教えてもらったのだろうか。前に水上勉著「良寛」を読んだのに内容をほとんど覚えていない。
先日、通夜に出席。葬儀委員長から亡くなられた方の紹介があった。手慣れた話芸を聞かされたようで少し白けてしまった。「散る」際というのは、亡くなった方だけでなく、取り巻く人々の「うら」と「おもて」も無意識のうちに見せてしまう場なのだろう。
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