波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

教える:パブロ・カザルス

2017年01月18日 | 日記・エッセイ・コラム

昨日のブログ、「教える」につながる、パブロ・カザルス(1876-1973)のドキュメント。自分の感じ方・考え方は「教える」ことを通じ、教える側と教えられる側にどんな意味を持つのか。芸術という得体のしれない営みはどう教えられるのか。興味深かった。ヨーヨーマと違うバッハ『無伴奏チェロ組曲』を聞きたくて探しカザルスに。学生時代、20世紀最大の音楽家の一人、確固とした自主・独立・平和の人なんだと名前だけ知った。未だにちゃんと聞いたことが無い。同じようにスペイン内戦を生きたパブロ・ピカソは画集を開き展覧会にも出かけたのに。

                                                               

チェロの響きは、心を直接刺激する。以前、目の前で弾くのを聞き、突然に動けなくなった。隣の人も、周りの空気も一瞬に止まった。意味不明の快よさ、自分の心の奥底に説明のつかない悲しさや平穏や激情が間違いなくあることを「感じ」た。他の楽器とはちょっと違う感じがする。

パブロ・カザルス(ドキューメンタリー)日本語版

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「ぼくは こう生きている 君はどうか」から探す

2017年01月17日 | 読書

どもが先生に、「先生は、私から何を学びましたか」と質問させたらいい。一人一人の子どものことを考えて来なかった教師には答えられない。駄目な教師ほど、何の疑問もなく子どもを上から見て、自分を真似させようとするなんて文章もあった。教える意味、教える資格、生徒と『教え子』の違い、人間と人間の距離なんか考える。鶴見俊輔さんの息詰まる提言。

摘の文章を、読み終えたばかりの「ぼくは こう生きている 君はどうか」(対談:重松清×鶴見俊輔、潮文庫)から探す。読み終えた「言い残しておくこと」から、読み始めた「教育再定義への試み」から探す。見つけられない。ママヨさんから、「私の人生の半分は、あなたの探し物の時間」と言われる波風氏。この5日間、朝から晩までこの3冊読み、時々除雪し、いつもよりご飯作る。

け持ちの子ども一人一人に、「先生は、私から何を学びましたか」と言ってもらう。前もって回答準備をしてはいけない。こんなこと考えたことも無かった。これでよく、教育とは、教師とは、を口にしてきたものだ。年度末、判押したように「学校生活で何を学んだ?」と聞きそれに疑問持たなかった波風氏。「オマエハ オレカラ ナニオ マナンダノヨ?」という台詞がピタリ似合う教え子の顔が次々と浮かぶ。そうか、この子たちを覚えている、いや忘れられないのはこういうことだったのか。
 当地の小中学校は、今日から3学期始業式。通算43年、そろそろ潮時の波風氏。残る授業はあと2回。さて、さて。


先ほど、公式裏ブログ「波風食堂、準備中です」更新。お題は「天丼つくる」

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【その299】あって何より

2017年01月16日 | 【保管】一寸凡師コラム
あって何より

 昨日、管理人の波風様宅を訪問。年始のご挨拶と凡師ファミリーの近況報告を。電話やメールなど色々なコミュニケーションの方法があるが、やは り“あって話をする”のは別格なような気がする。凡師ファミリーでは、年末の帰省がてら、ご縁のある方々を訪問するのが通例になっている。今回は小凡師く んの城めぐりとあわせ(小凡師くんは歴史好き)大分、福岡、広島、高知、香川へ。日本の広さ、美しさ、人の温かさを感じた“縁征”だった。
 ハガキ好きの凡師が、ハガキに押すハンコ。朱色のワンポイントがとってもgoodで、凡師は必ずハンコを押している。いくつか持っているハンコの中で、お気に入りのハンコがこれ。「あって何より であい 感謝」 今後もますますご縁を大切にしていきたい。
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「言い残しておくこと」(鶴見俊輔著)読む。

2017年01月14日 | 読書

泊3日の仕事から帰ると、「言い残しておくこと」(鶴見俊輔著:09年発行、作品社)届いていた。その日含め2日間読み続けた300頁。一族郎党も育ちも庶民と対極の哲学者なのに、言い分がいちいちストンストンと腑に落ちる。親、国、戦争、軍隊…自分に与えられた動かしがたい境遇で、どう「思想の芯」を形成し、どう妥協し、どう妥協しないで一生を送ったかを立体的に読ませる。こういう研究者、こういう人がいたのだ。スラスラ読め頭が良くなったよう。言葉の選び方、紋切り型でない文章、さすが「文章心得帳」の人。波風立男氏が「言い残しておくこと」真っ盛り年代なのも読ませる原動力なんだろうね。

                  
1章め最初の「おふくろはスターリンなんです」(出自・家族)から始まり、「間違い主義の効用」(「べ平連」)、「原爆から始める戦後史」の3部20章。まず、インタビュー回答、次に註釈、そして“メモラビリア”なる関連する言葉の抜粋。同じ内容を違う言葉で並べてもらい理解が進む。この複線的というか立体的表現に感心。こんなの初めて【「孤独のグルメ」的感動】「鶴見俊輔」入門はこれで決まりだね。年末に買い積ん読中の「戦後日本の大衆文化史」(84年)と「教育再定義」(10年)も、スラスラでありますように。

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第141回/主題

2017年01月14日 | 【保管】腹ペコ日記

 楽しみにしていた「3月のライオン」のアニメ化。羽海野ファンかつ新房監督ファンである腹ペコ家にとって、絶対に見なければならないアニメである。しかしなかなか見る時間がとれず、最初の4話までしか見れていない。

 

 よくコンビ間で、どのクリエイターにも一貫して考えたいテーマがあるらしいこと、それぞれのクリエイターのテーマは何かということをよく議論するのだが、羽海野さんのテーマは、「努力」あるいは「努力と才能」だろう、というところで落ち着いている。ちなみに、西尾維新は「才能」、是枝監督は「家族」あるいは「家族と愛」ではないか、と考えている。

 

 翻って、ある意味クリエイターであるところの我々のテーマは何なのか。相方さんのテーマは、「人間関係」あるいは「人間関係の中での成長」みたいなものにあるように見える。腹ペコ自身のテーマは、自分では「学び合いの場づくり」だと思っているが、他者からはどう見えるのか。まずは相方さんに聞いてみようと思う。

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