今月号も作ることができた(喜)のは、読書交流会を発刊日にして配ろうと決めているから。老境生活者は、自らを戒めるルールを作らなければ、ただボーッとテレビ観ている暮らしに転落しかねない。だが、「予定は予定、それがどうした?」でやっていたら、今日の読書会で紹介予定の本を読み終えられないことになってしまった。
仕方ない。今日は、「途中まで読んだ本と、買って一度も開いてない本を紹介します。なぜこれを読もうとしたかというと・・・」でいくしかない。
もう月末。読書交流会が明後日で、波風新聞発行日が近づいて、知人の写真展に行かなくてはならなくて、延長して借りている本の期日が過ぎても読了できないのが3冊も。
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暗くなったら「今日はこれで終わり(後は、ご飯食べて寝るだけ)」の暮らし方が、一日を短くしているのは確か。だが、責任ある仕事はないから「終わらない」とか「たまってる」でもストレスが全く無い。予定は予定だからそれがどうした?の日々はなんて素敵なんだろう(笑)。
もしかしたら、こんな時間の感覚を確かめたかったのかもしれない。日記の予定欄には書いて無いけれど、アマゾンの空き箱見ているうちに作りたくなった壁掛け時計。きっちりでなく曖昧で思いつくままに時を刻むような手触りを実感したかったのかもしれない。
この「段ボール時計」は、裏に百均製の時計ユニット(クォーツ)貼りつけてあるのでコチコチと時間を刻んでる 『ヤクザの幹部やめて、ウドン屋はじめました』(廣末登著:新潮社)発注、「なぜ、うどんだったのか」をどうしても知りたくて。
(11/20から続く)
波風立男 自分の明日のために読んだ『親の介護をしないとだめですか』(吉田潮著:KKベスシリーズ)。65歳で認知症スタートの誇り高き元新聞記者の父親との介護記録。トンチンカンで、ウンコだらけで、奥さんの情につけ込む特養生活、実にリアルな人生の結末と介護のされ方を考えさせられ★★★★★。『老境まんが』(山田英生編:ちくま文庫)、収録の14作品は全て傑作でだいたい読んでいたが、『老境』という精神生活を自分と重ねる。つげ忠夫と水木しげるの宮本武蔵の晩年は笑いながらも悲しい、文庫本形式が狭っ苦しいので★★★★。同じシリーズの『貧乏マンガ』『ビブリオマンガ文庫』も、昭和の貴重なマンガ多数で決して売らない・捨てない貴重本。SKさん愛読の東京バンドワゴンシリーズから『へい・ジュード』(小路幸也著:集英社)、図書館から借りてくる。※以上で交流終了。その後、以下の2つの話題でおしゃべり。
読んでみたくなった一冊
ママヨ 『私の中の男の子』(山崎ナオコーラ)・・・作者に興味
MS(女) 『怒り』(吉田修一)・・・読んだ方たちの会話を聞いていて。
SK(男) 『十二国記』(小野不由美)・・・ファンタジーに興味
YN(男) 『稼業』(向谷匡史)
SN(女) 『私の中の男の子』『身近な虫たちの華麗な生き方』(稲垣栄洋・小堀文彦』
KK(女) 小路幸也さんのシリーズ
波風立男 何て言ったか忘れ、記録もありません(涙)
無人島に持っていく一冊とは【宿題】
ママヨ 万葉集
MS(女) 国語辞典
SK(男) 食べられる野菜の本
YN(男) 漫画『サバイバル』(サイトウタカオ)
SN(女) 昔の明星や平凡の付録の歌集
KK(女) 『サラダ記念日』
波風立男 『富士日記』(武田百合子)か、内田百けん。
【宿題】国語の授業(小説や物語を扱う)で楽しかった、楽しくなかった思い出とは?次回(11/24)に交流します 今日の朝日新聞文芸面)に、「十二国記 18年越しの熱狂」の記事。人が人として生きるまっとうな道とは何か、人を信じるとは何かの太いテーマと巧みなストーリー、ファンタジーのハードルを越えれば絶対にはまる、と書いてある。
(11/18記事から続く)
ママヨ 前会KKさん紹介の『怒り』(読了4人)。読み出すと止められない(読んだ方々、大きくうなづく)。避けていた社会の不条理を突きつけられた。真剣に生きている姿、捨て鉢な心が守りたい人との出会いで変わる、読み終わった後に「何とかならないのか」という『怒り』が湧いた。親として自分の子のことを考える立場で読んだ★★★★★。「読み終わってとにかく悲しかった」(KK)、「ハッピーエンドで終わって欲しかった、モヤモヤが残る」(SK)。2冊目は『身近な虫たちの華麗な生き方』(稲垣栄洋・小堀文彦著:ちくま文庫)、山の中で育ち虫は身近。日本人のように虫を大事にする民族は珍しいことを知った。虫嫌いのYさんにも知って欲しいが、もっと早くから身近な生き物のことを知っておけば良かった★★★★★。前会後MSさんから借りた『カロリー早わかり』、本当にわかりやすい(笑)★★★★★。
YN(男) 18年ぶり新刊の壮大なファンタジー『十二国記』(小野不由美著:新潮社)、システムと描写がしっかりしている、現実と虚構の狭間を描く作者の世界観に圧倒されつつ魅了される。★★★★=漢字が難しいから(笑)。「ファンタジーをずうっと読んで来たが、この会では初めて紹介されとても嬉しかった。理由は無いが出しづらかったから(笑)。上橋菜穂子の『鹿の王』を読もうと思った。」(ママヨ)。
SN(女) 現役総長が語る『稼業 頭角の哲学』(向谷匡史著:青志社)、トラブルは会話で決着する、法やルールで解決できない事柄にヤクザの立つ位置、いち早い被災地の炊き出し・・・知らない世界を教えてくれるが、本当にアブナイところを書いていないのもあって★★★★。小5で読んだ『レ・ミゼラブル ああ無情』(ビクトルユーゴ著)、ヤクザもジャンバルジャンも確かに悪いことをしたがちゃんと捕まり、それと比較にならない今の政権与党の悪党どもがのほほんと偉そうにしているのは悲しいし怒りでいっぱい★★★★★。清志郎の絵と写真を詰め込んだ『忌野清志郎の世界』(ぴあ)、音楽も美術も希有の才能、若い死が本当に惜しい★★★★★。 ※次回の(下)に続く。
良い本です、読んで下さいと、教え子が『任侠学園』(今野敏著:中公文庫)送ってくれた。『ぼくがいま、死について思うこと』(椎名誠)や『老人の美学』(筒井康隆)なんかを読んでいる場合でないですよ、と言われた感じ(笑)「今日は絶対に筆で字を書くぞ、絶対だからな」と毎朝決意して1ヶ月になる(涙)
『2020波風カレンダー』の10ヶ月分出来た。嬉しい。
うちのともちゃん(お料理上手編)
久しぶりに親子丼を食べた。作ったのはともちゃん。母の日に続き、私の誕生日だからと作ってくれた。鶏肉とタマネギ、卵。それにめんつゆ。小5の頃から作っているともちゃんの得意料理。学校のクラブで習ったと初めて作ってくれたときからずっと味が変わらない、安定の美味しさ。大きな背中を丸めて、ずっと愛用している子ども用の包丁を使って作る姿も愛おしい。できたてを食べて、「やっぱりこれが一番美味しい」と言うと、「でしょうね」と返された。麺派のともちゃんは丼物をあまり好まないが、自分の腕には絶対の自信がある。可愛い。
共働きの家に生まれたともちゃんが最初に料理をしたのは小2だった。仕事に追われるママが留守の間に、自分で包丁とガスを使ってパスタと野菜炒めを作る。帰った私は驚いて、「ともちゃんが作ったの?」と大騒ぎ。ひとしきり騒いで全部食べて(全体的に固かったけどきちんと食べられる味!)、それから約束した。「危ないから今後ママがいないときには包丁やガスを使ってはいけない」と。息子の天才的な料理の才能を発見できて嬉しい。でもこれは危険なことだと言い聞かせ、ママも反省した。その後小5で解禁になるまでひとりでは包丁もガスも使わなかったともちゃん。だけどずっと料理したかったのだそう。
料理の基本。誰かのために作るから美味しくなる。さすが、ともちゃん。
いいですね、親子丼。高校生の息子さんがお母さんの誕生日に作ってくれるって凄くないですか【波風談】