波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

この頃の思い

2025年02月05日 | 日記・エッセイ・コラム

なんでも無いことは流行に従う、大事なことは道徳に従う、芸術のことは自分に従う。映画『東京物語』の小津安二郎監督を辿ったTVドキュメント(初回放送2023.12.2「生誕120年・没後60年 小津安二郎は生きている」)にあった言葉。波風氏は未だ5作しかこの監督の映画を観ていないが、きりっとした画面構成で家族の日常風景を淡々と描いている映像に強い印象が残っている。この言葉、波風氏なら、なんでも無いことは自分に従い、大事なことは暮らしに従い、芸術のことは内心の響きに従いたい、となるな。

 

映画の主人公が寝入る前に読む文庫本『木』に触発され、波風氏も読み始める。「秋に見たとき、檜は尋常だった・・・・あれは寛ぎの時期に当たるものだったろうか。はげしい夏の生活を終え、蓄積すべきものはすでに十分に満ち、冬を迎えるまでの暫時を安らいで寛いでいた姿」で立ち止まる。俺の季節は今、秋なのだろうか冬なのだろうか。木は春を迎えるが、俺は間違いなく冬に枯れる。少し年上の知人が、コロナから脳梗塞にかかり入院生活、未だ言葉を発しないと聞いた。まったく病気知らずの健康体を口にしていた昨年秋。秋予定の脳ドックを今月にした。

 

この国はあと何年持つのだろう。『教育改革』という言葉が昔はやったが、今は教育破綻に限りなく近づいている気持ち。学校は楽しく、先生は頼りになり、親は教育をつくる主人公、という子どもをないがしろにしない希望が未だ残っているが、この必死さがいつまで続けられるのか。繰り返しになるが、先生のなり手がいないという重大さを真剣に根本的に扱わないこの国は今後も存在できるだろうか?
芸能界人の性加害問題が騒がれ、巨大新聞やTVが情報操作を商売する体制だと知っただけでは何も解決しない。大事なことを情報化しないのがマスコミ・メディアの仕事としたら世の中のことは自分で感じ考えるしかない。憤らず頭を正常にしておく必要がある。だから、淡々と本を読む。


今日は、2025.2.5。波風氏は「ニコニコの日」と名付けた。今日の公式裏ブログ『2025.2.5』でどのくらいニコニコできたのかを記録中。波風的には「4月3日」は「おじさんの日」、「8月3日」は「おばさんの日」 残りが少なくなると不安になるモノは、珈琲、ウドンと、「まだいっぱいあるでしょ。どうして買って来るの!」と叱られるチューブの辛子とワサビ、歯ブラシ・・・。今日、2週間ぶりにウドン打つ。

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いき≦センス<カッコいい

2025年02月01日 | ご連絡

(2/28ブログ記事『いき≦センス』から続く)
分かるようで分からない『いき』と『センス』と『カッコいい』の解き明かしもこれで終わりにしたい。考えるほどモヤモヤするが出口見えず、「なぜそれを考えるのか?」の方が大事に思えてきた。前回、『いき』(粋)と『センス』(感覚)の違いを考えた。後者は面白さを感じる心の余裕、前者は歴史的定義持つ様子だから使い方も語意の範囲も違う。結論から書くと、『カッコいい』(格好いい)はそれらを含めてもっと広い範囲の素敵に感じるヒト・モノ・コトでないかなあ。

 

人生は失敗の連続だけどそれでも生き続けるのは、前よりもカッコいい反省と失敗をするためという韓国ドラマ(『ただ愛する仲』だったと思う)のお婆さんの印象的なセリフがある。自分が納得出来る出会いや発見に対する感じ方だ。話は少し飛ぶが、詩は既に知っていることの中に未知のものが割り込んだ状態の表現(吉野弘著『詩のすすめ』から)とあり、これを体現できるのがセンスで、感じられるのがカッコよさじゃないかな。つまり、粋を含めて言葉にできない(=説明できない)理由は、本質が『詩』(ポエム)の体験だからだ。例えばだが、自分が好きな絵は絶対に詩を感じる、というか言葉に出来ない何か、それは詩と言うしかないものだ。

 

映画『PERFACT DAYS』が好きか嫌いかの分岐点は、説明不可の『詩』的体験を有意義な価値と思えるかどうかにある。映画のドラマ性や主人公の過去の深読みはほぼ意味が無い。波風氏は思った、カッコいい人生だ。寝る前に古本屋で100円で買った文庫本を(幸田文著の随筆集『木』)をスタンドの灯りで読む映像に惚れぼれする。波風氏の義弟が校長退職後に公園トイレの掃除を仕事にしていた、心から「カッコいいなあ」と思った。なかなかできないことだし、妹が「偉い」と言って弁当作って持たせるのもカッコいい。
ブログ記事『いき  センス  カッコいい』を書いたのは、73歳を前に自分で納得のいく自分らしさ、面白さを感じる余裕を持ち続けたいからだ。


映画の文庫本を買って読んでいる(笑)。幸田文の随筆で父露伴の厳しい掃除の躾け、とりわけ水仕事は生半可な奴には任せられないのところが忘れられない。娘文の文章、なんて粋でセンスよくて格好よいのだろう ママヨさん酢飯担当、波風氏海苔巻き担当(マグロ、サーモン、帆立、胡瓜、卵焼き)の昼食で少し早めの節分画像は坪内和夫さんのイラスト。たぶんハガキ大だと思うが大きく感じる。

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