波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

言葉のケイコ【その拾伍】

2020年01月07日 | 【保管】言葉のケイコ

正しく醜い愛のかたち


「愛情を証明するためには、何を捧げればいいいのだろうか?」
これは、沼田まほかる氏の『彼女がその名を知らない鳥たち』の帯に書かれている一文だ。いつまでも過去の男を忘れられない壊れかけた女と、うだつのあがらない中年男の物語。読んでいるとただひたすらに苦しい。登場人物の誰もが、真っ当な人間ではない。人間として正しく醜い。「これを読んでいるおまえはそんなにも綺麗な人間なのか」と問いかけられているような、締め上げられんばかりの苦しさで窒息しそうになる。そんな小説だ。最後まで読むと、帯の一文の意味が重くのしかかってくる。愛が欲しいと訴え続ける相手に、どうすれば愛情を証明できるのか。どんな言葉も行動も、相手が信じなければそれは愛情の証明にならない。これは裏を返せば、どこからどう見ても自分を愛してくれているとわかっているのになぜ人は信じられないのかということだ。わかっていて見ないふりをして。受けて当たり前の愛情を、ありがたがることはない。そのくせいつまでも愛されたいともがく。この醜さこそが人間なのだと、否応なしにつきつけてくる。

何をもって満ち足りるというのか。そんな答えはきっと出ない。何を捧げられても、それが証明にはならないと感じる人間もいる。それでも向き合い続けることが生きていくということなんだと、私はこの一冊に教えられた。

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「つつましき保身」

2020年01月05日 | 日記・エッセイ・コラム

雑誌か何かで目にした歌。数回唱え、後で確かめるつもりで書き残した。作者は朝日短歌の選者だと思う。

 

「つつましき保身」にはっとさせられる。保身だから肩身狭いに違いない。それは仲間や同僚に対してでなく、自分で自分を責めているのだろう。保身のあり方も保身の目的も慎ましいのだろうか。

 

最初は、仕方が無いはずだった保身の習い。誰かを傷つけたり悲しませる習いではない。声高に言いつのりはしないが、皆とともに生きる一庶民でありたいと願ってる、とでも読むのだろうか。前半五七五と後半七七のつながりに再びハッとさせられる。

 

若い時の燃えるような心が色々な理由でいつか静まっていく、だが種火は消えず、そのことを自分はちゃんと知っている、それが自分の誇り。今日は、新年最初の日曜日。( ※画像は、ガラスペンに黒インクで )

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コメの学習帳22頁目

2020年01月03日 | 【保管】こめの学習帳

一年の計


あけましておめでとうございます。

一年の計は元旦にありと言うが、自分の実家から子連れで連れ合いの実家に移動するようになってから、一年の計画を立てるような落ち着きはなくなった。以前は計画を立てていた、というわけでもないが。

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しかしがながら昨年は、何かを達成する時に必要な「継続」について大いなるヒントを得た年であった。それはまさしくこのコラム自体で得たことである。結論的に言えば、「誰かと一緒にやること」である。ここで言えば、それはケイコさんの『言葉のケイコ』のスタートが該当する。このままでは投稿数が追い付かれてしまう!とか、こういう内容を書きたいな、と思うのが書く動機になっているのは確かだった。

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多忙を理由に書けないつもりでいたが、やろうと思えばできるものだったのか…とショックを受けている。実は「誰かと一緒にやる」が何かの継続に良いことは心理学的には明らかになっており、それは金銭的な報酬以上に効果があるそうだ。今回のことはそれを実感した形になった。そう書いておいてまたお休みにならないとも限らないのだが。


【波風氏談】このコラム記事は示唆に富む、というか波風氏の心理を言いあてている。波風氏の「誰かと一緒にやること」が、コメさんであり、ケイコさん。以前は、腹ペコさんであり、凡師さんだった。この方々の協力がなければ続かなかったと思う。この方々の合間合間に書いている気がする。ということで、コメさん、今年もヨロシク 画像は腹ペコさん記事につけた5年ぐらい前のもの。

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今年もヨロシクお願いします。

2020年01月01日 | ご連絡


昨年末、新婚時代から使っていた俎板に思い定めた四文字彫る。還暦すぎても何かと忙しい毎日、三度三度のご飯と合間合間のお茶、心だけは余裕ある贅沢な暮らしがしたい。あたり前がちゃんと通じる暮らしが何より大事。「削り直したら使えると言っていたのに・・・・騙して取り上げ、こんなの彫って」とママヨさん。

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