図書館から『武田百合子対談集』(中央公論新社)借りて読む。定年退職直後に読んだ『富士日記』(中公文庫・上中下)がとにかく面白かった。再就職という予想外の人生選択してしまったが、満を持して暮らし方に興味・関心・意欲を持っていた時期。日々の些細な出来事や身近な人々への痛烈な感覚、生き生きした言葉に目を見張った。今回、この日記の出発点や背景を打者に語り興味深く読んだ。知的さ可愛らしさ、したたかさ、再確認。
折々に、この著者のを読む。飽きず再読に耐える。この対談集も初版発行が昨年秋で、『富士日記を読む』(中央公論新社編)というのも同時期刊行され、根強いファンがいてその裾野が途切れないのを知る。
かたや、「戦後文学」なるくくりは今や本好き老人の記憶にしか存在しない。開高健や安岡章太郎らの比較的知られた本も探すとなると意外に苦労し、大江健三郎も例外では無い。『純文学』は『純喫茶』以上に死語、読む人がいないのだ。なんとか文学賞でやっと息ついでる感の出版業界。
武田百合子さん(氏でも呼び捨てでもなく、この敬称が一番ふさわしい)を、本好きな方々に紹介してきたが、読んだという話は聞かない。『富士日記』は富士の裾野の暮らしの記録だし、昔の『日記』が面白いはずがない、と思うのが普通だ。
ママヨさんが、立男君があんまり言うから手には取ってくれた。未だ感想を聞いたことはない。昨日何か読みながらクスクス笑っているので覗いたら『日日雑記』だった。
草創期のアニメ『空飛ぶ幽霊船』(1969年:東映動画)見る。子ども向けとは思えない、今の世相に直結する社会批判と半世紀前(波風立男君、高3時代)の動画技術に驚く公式裏ブログ『芸に笑う』で更新。