波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

第16回『ほんのおつきあい』全記録【その1】

2020年02月17日 | 読書

6人参加で今年初1月26日の読書会。主催者が言うのもなんだが、よく続いています(笑)

MS(女) 全部途中までしか読んでいない(笑)。大学時代に読み再読の『農場の少年』(ワイルダー,ローラ・インガルス著:福音館)、子どもの朝読書で持たせた。小学高学年向き★4。『引き寄せの法則』(エスター・ヒックス、ジェリーヒックス著:SBクリエイティブ)、「強く願えばかなう」(波風先生が前に言っていた)に導く自己啓発本で★4。『嫌われる勇気』(岸見一郎・古賀史健著:ダイヤモンド社)、誰かの期待に応えるために生きてはいけない、全ての悩みは人間関係にあるに納得で★5。

SN(女) 『エトセトラ』(田嶋陽子・袖木麻子著:エトセトラブックス)、大好きでずうっと応援している最強のフェミニスト田嶋陽子の特集。80年代に男尊女卑を反対していたのは彼女一人、テレビは主張を歪めて編集し色物扱い、★4。『愛という名の支配』(田嶋陽子著:新潮文庫)、差別を差別と思っていない日本の文化(医大入試の女子差別、男女平等が世界で下位の日本等)の中、自らの体験で女性に勇気と希望を与えてくれる。心が男では無かったが、小中でスカートを履きたくなくてずうっとスラックスだった自分。★5。『樹海ロード』(苫小牧信金)、自分の実家は大正7年に和歌山から27戸入植し今4戸。そういう地域の状況や歴史を丁寧に取材発行してくれていてさらに無料(笑)で★5。  ※ここで『男女平等』や『男女差別』について体験にもとづいて意見交換。

HH(女) 10年前の直木賞『漂砂のうたう』(木内昇著:集英社)、江戸から明治になり遊郭舞台に元武士と花魁の迫真的で読みやすい小説★5。63頁の『お金のいらない国』(長島龍人著:ネットワーク地球村)、当たり前を疑い価値観変わる★5。理論漫画『資本論』(門井文雄著:かもがわ出版」、難しく厚い資本論のさわり、わかりやすく伝えようとしてくれている★5。『冥界からの電話』(佐藤愛子著:新潮社)、95歳の作者からの渾身のメッセージ★4。『冥土のお客』(佐藤愛子著:青志社)、あの世からのメッセージ、感じさせられ面白く歯切れ良し★5。  ※ここで休憩し波風珈琲タイム。後半3人は【その2】に掲載。

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コメの学習帳28頁目

2020年02月16日 | 【保管】こめの学習帳

裏切りの記憶

何度も思い出してしまう、気まずかったり恥ずかしかったり失敗したりした記憶がいくつかある。少し前に人の話を聞いている時に思い出した、ある友人との記憶もそのひとつである。

小学校の時のこと。何かの集団競技のチームを決めていた。代表者数人がジャンケンをして、勝った代表者から順番に好きな人を指名していく方法をとった。私は代表者の1人で、ジャンケンの結果、最初に指名できることになった。当然、当時とても仲の良かったその友人を選ぶつもりでいたはずだし、彼もそれを期待して、私がジャンケンに勝ったことを喜んでくれていたと思う。私はその喜ぶ顔を見ながら、クラスで最も運動神経の良かった別の人の名前を口にしていた。

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何度思い出しても、なぜ彼を選ばなかったのか分からない。別の友人の名前を口にした時に「しまった!」と思ったことも、彼の落胆した顔も、その後何度も謝ったこともよく覚えているのだが。小学校の時の話とはいえ、記憶が鮮明なだけに、自分は友情よりも実益を選ぶ人間なのだという気持ちが拭えない。そうありたくないと思っているが、今もそうかもしれない。彼とはその一件から10年以上経った後、全くの別件で絶交されてしまい今に至っても連絡を取ることができない。


【波風氏談】コメさんにしては珍しい内容 このブログで、久しぶりに会った時に笑顔であいさつできる関係でいられることが大事なんだ、みたいな言葉(韓国ドラマ『私のおじさん』のイ・ソンジュンの台詞)を思い出した。ひきつるような笑顔しか作れないだろうと思う人が数人いる。

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この頃のこと【立春】

2020年02月13日 | 日記・エッセイ・コラム

春(2月4日~18日)。「暖冬 クマも目を覚ます」と気の毒な新聞記事。寝不足でイライラし、冬眠から覚めたら新陳代謝を上げるために食べるフキノトウも未だ無いだろうしなあ  野村克也氏ご逝去。努力で作り上げた人生観・野球観にもとづく、分かりやすく鋭く優しい、含蓄のある言葉が好きだった。根底に豊かな言葉の才能と努力を感じていた 京に送るマスクとハンドジェル求め6軒目で運良く箱入りゲット。トイレットペーパー不足で難渋した50年前のオイルショック思い出す 食後、ウツラウツラしながら読む。「他者と自分との区別を忘れる境地、それを『我が儘一杯』を働く」犬によって二葉亭四迷は体験した。その渾然一如の世界は幸福という気分をもたらした」と俳人の坪内稔典先生。我が儘を愛しあう関係が幸福の一つの原型と。ここの加減が難しいんだよなあ 原中也と同棲し小林秀雄の元に去ったった女性、後年の聞き書き収録した本があるのを知り取り寄せて読む。偶然、先週の朝日『天声人語』に詩壇の芥川賞と呼ばれる『中原中也賞』 巡る文章。恋敵の小林がこの賞創設で金品含めて尽力したことは書いてなかった。


薄く雪の積もった玄関前駐車スペースの除雪。「こんな楽に(今年が)終わるはず無い」と思いつつ「どうかずーっと続きますように」と願いながら オイルショック後しばらく、母親がトイレットペーパーを大量に保管していた。笑っていたが、今なら気持ちがわかる。

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言葉のケイコ【その廿拾】

2020年02月11日 | 【保管】言葉のケイコ

愛ある節分


「もういいんじゃない」と、ともちゃんに言われた。節分の恵方巻きの海苔が噛み切りづらかったといいうから、「じゃあ来年は違うスーパーの恵方巻きを買ってみようか」と提案したら。豆まきも恵方巻きも、高校生のともちゃんにとっては面倒くさいもの、ということか。そりゃあそうかもしれないなと、ショックを受けつつも冷静に考える。もともと我が家の恵方巻きに特別な意味なんてない。ただ単に食いしん坊の私が、太巻きを一本丸かじりするという贅沢を実現したかっただけだ。とはいえ、もう7~8年は続けているささやかなイベント。ともちゃんと並んで黙々と願掛けをしながら食べる。たった数分間のそれを、私は楽しみにしていたのだ。もうやめようかということを考えた瞬間から、それはどうにもかけがえのないもののように思えてくる。それまでは特別なものなんかじゃなかったのに。

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だからきっと私は来年もまた恵方巻きを買ってしまう。優しいともちゃんは結局付き合ってくれるだろう。それを試したい、というママのワガママ。いいじゃない、1年に一度くらい。ともちゃんの健やかな成長と幸せを祈りながら太巻きをかじる。贅沢なのは太巻きの丸かじりじゃなく、こういう時間を過ごせることなのだと、春を迎えた日に思う。


【波風氏談】『言葉のケイコ』も早20回。この頃は、前半と後半の2段落に定まってきた。コメさんは、はじめ、中、終わりの3段落。波風氏はずーうっと3段落。まとまりのある文章表現の時に、各人の体質というか身についたリズムでそんなフォームになるのだなあ イラストは床に散った桜の花びら。これを描いてもうすぐ1年になるのかか。

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自立と依存

2020年02月10日 | 新聞感想

 

のコラム(2/8朝日朝刊「折々のことば」)、先月腹ペコさんが送ってくれた教育論文にあった「『自立』とは依存先を増やすこと」と同じ意味だなと思った。腹ペコさんは「人間的自立は他者との共生や個人を支える社会の仕組みがあってはじめて成り立つもの」と続ける。「自立」と「依存」は狭い意味では相容れない言葉、むしろ正反対の意味だが、表裏一体につかまえて初めて正確な意味になるというのが面白い。

立の条件とは、「支え合いのネットワークをいつでも使える用意が出来ていること」であり、「支える社会の仕組み」のことだ、に共感する。競争に負ける側、評価される側、安心の地に入れてもらえない側に身を置くほど、自立と依存の一体的な希望を得るのは至難だ。明日どう暮らしてよいかがわからない絶望の時、他者を怨み、自分に失望し希望の光は見えない。競争社会に生きているうちにいつしか狭く悲しい「自助自立」を当然視してしまうものだ。こういう「依存自立」の光は闇の中の灯火。こういう言葉も「支え合いのネットワーク」を構成している要素なのだ。


このブログを始めて10年(正確には今年の12月)。言葉で繋がる他者(社会)との回路だ。昨日の裏ブログ『切れ味』で、包丁研ぎを習慣にしようかなと書いたが、禁煙14年とこのブログ10年の継続実績が頭にあった。

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