全国あちこちで夏日訪れて暑い暑いというニュースを最近聞いた。当地ではチャンチャンコ着て背丸め石油ストーブで暖取る3連休初日。今月中旬以来、ご飯と読書と睡眠で1日を三分割できる暮らしぶり。
前作の続編『冬虫夏草』(梨木果歩著:新潮社)読み終わる。秋色増す山奥舞台に冒険し、人と人でない者が魂を交感する。前作『家守奇譚』と同じく、語彙の選択といい、文の長さ、文章のリズムが生む香るような文体に魅了される。小説というのは実に面白いウソを本当のことのように書いてあるもの、それだけのことなのに心動かせられるものだなあ。登場人物や話の筋を説明しても何の意味もない。言葉による創造で、豊かな想像を可能にしてくれる一冊。
今週のNHKEテレ『趣味どき!本の道しるべ』で飛田和緒さん(料理家)の本棚に、この梨木さんの2冊の本が並んでいた。好きな本として『富士日記』と絵本『てぶくろ』を紹介していた。ママヨさんと、似たような読書だね、身近な人に思えて来るねと笑った。この絵本は古くなっても捨てられず、身近で『富士日記』読んだ人はママヨさんしかまだ知らない。
怪奇譚という言葉浮かんだらちょうど2年前の今頃、新宿の花園神社と向かいの紀伊国屋書店1階(実に不思議なものを並べて売っている)に漂っていた何とも不穏な空気を思い出した 『伊丹十三の本』(新潮社)を真面目に楽しく読む。世の中にはこういう人がいる、花森安治さんとは才能の質が違う破格の人 1パック200円(税抜き)の煮アナゴ、9割がた「安物買いの・・・」と覚悟しながらアナゴ丼作り何と1割の美味当てる。次の日残っていた全部(2パック)を買って来てもらう。