波風立男氏の生活と意見

老人暮らしのトキドキ絵日記

小説『水を縫う』を読む。

2021年09月20日 | 読書

 

書館から借りた『水を縫う』(寺地はるな著:集英社)。この夏、この作者のを4冊読み、これが一番主題も話の筋もわかりやすかった。昨年度の中高入試(国語)で一番使われた小説。個性的だがごく普通の人物の言動と関係を的確な言葉でぐいぐい読ませる。どこにでもある家族もそれなりに色々あり、当然ひと揉めしつつ、「ひとりひとり違って良い」というかそれ以外に道は無いのだということを考えさせられる。難しい話を易しく、いや優しく展開させる作者の感性に唸る。

 

のウェディングドレスを手作りする弟が軸になって話は進む。これに、母親、祖母、別れた父親、その友人がからむ。この6人が中心になるオムニバスのような全6章。世の中の『普通』と少し違うところで自分を支えているようでいて、それが一番大事な普通なのだと思ったりする。一見して家族小説だが、6人の「私と私以外の人たちとの他には無い『普通』の関係」が主題だろう。健全な家庭小説とも言える。映画化なら山田洋次監督かな。

 

母の言葉が心に残る。「七十過ぎたら、もういつどうなるかわからへんよ」、「あの子(娘や孫)には失敗する権利がある」、「人の一生が1本の映画だとしたら、私の映画はあと何分ぐらい残っているのだろう。後半であることは疑いようも無いけど(この後、子ども時代から憧れていた水泳の教室に入会)」。『敬老』が、する方でなくされる方になってハタと立ち止まらせる。
ラストの辺り、小説を読んでいて久しぶりに気持ち良く目頭が熱くなった。★5(5段階で)


「・・・本来は弱い弱い、しかし弱いからこそ、様々な戦略と工夫で逆境を乗り越え、逆境をプラスに転換してきた。どんな環境であっても、必ず花を咲かせて実を結び、種を残す。これが雑草の行き方である」(身近な雑草の愉快な生き方)(稲垣栄洋著:ちくま文庫)、ママヨさんおすすめの一冊、そして昨年度の入試問題で一番使われた説明文。胃カメラ前後に開く。

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時計に はまって さあ大変 ♪

2021年09月17日 | 図工・調理

 

拾って来たドングリを壁掛け時計にはめる。

壁と同色だから目立たず正確に動いてくれて重宝しているが、10年超えたので少し飽きていた。

茶色に変色したドングリ、台に穴彫って埋め込む。

ママヨさんに見せたら、「緑色でなければ面白くないでしょう」という、納得し絵の具で何とかする。

ついでに針も茶と灰でシックに彩色。

手作りはこういういい加減さが妙味だ。

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青いドングリを描く

2021年09月16日 | 図工・調理

今月初めに拾ってつい最近まで緑色だったドングリ。錆びた金工作業台に載せて描く。実と台の対比が面白いなあと思った。クレパスとミリペンと色鉛筆で。スケッチボードは紙よりも引っ掻いたり伸ばしたりできるから嬉しい。

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波風さんち

2021年09月15日 | 図工・調理

好きな建築家の本を読んでいたら家のイラストの頁、面白いなあと思っているうちに自分も描いていた(笑)。畑に植えたのを思い出しながら書いていたら止められなくなった。少量多品種だが、いつの間にこんなに増やしたのかなあ。家の前の畑と煉瓦道を描きながら、「これがなければ我が家も波風食堂前も寂しかったなあ。」と波風氏は思った。昨日から『描く』のが億劫でなくなっている、嬉しい。

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吾亦紅を描く

2021年09月14日 | 図工・調理

知人から分けていただき、3年かかってやっと花をつけてくれた吾亦紅(われもこう)。この花と枝が作る空間が素敵だ。細くて儚げ(はかなげ)なのに確固として無駄のない存在を表現する。
上はクレパスを塗っては引っ掻いて作り「何だか違うな」と思い、下の鉛筆・色鉛筆で描き、「やっぱり違うなあ」と思いながら終えた。それでもこの前拾ってきた団栗も描けたので今日は良い日だ(笑)。

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