幕府御典医である桂川国端と桜子の婚儀で始まり、磐音とおこんの祝言で終わった前巻に続き、佐伯泰英著『居眠り磐音江戸双紙』シリーズ第25巻『白桐ノ夢』を読みました。
第1章「殴られ屋」。季節は初夏です。西国武者修行中の松平辰平から書状が届き、目録を得たとのこと。ライバル利次郎は、焦ります。道場改築に携わった大工の棟梁の銀五郎が、磐音とおこんの子どもが生まれたときのためにと、桐の苗木を持って来ます。薄紫の桐の花はきれいですが、牡丹や椿同様ポトリと落ちる様を武士が好むかどうか。まあ、大平の世ですから、ぜんぜん気にしなくなっているかもしれませんが(^o^)/

江戸城に出仕した鐘四郎は、西の丸の主、世嗣家基から磐音に伝言を託されます。途中で見かけた殴られ屋・向田源兵衛の大道芸は、見事な技量でした。
第2章「鰻の出前」。江戸城に宮戸川の鰻料理を届ける。御典医・桂川国端さんの職務利用による密輸大作戦は、悪ノリついでにデザートの桜餅まで調達することに。おかげで桜餅屋の気の強~い娘も、乱暴武家を退散させることができました。そして本番の密輸大作戦は大成功です。しかし、よくバレなかったものですね。西の丸のセキュリティ・チェック体制は、相当に甘そうです。それでは、雑賀衆が自由に入り込むのも無理はありません。
第3章「武左衛門の哀しみ」。本章は、過日のテレビ番組「陽炎の辻3」で放送された回の原作です。番組の脚本は、色々な都合上、そうとうに改変されていたようですが、基本的なところ~竹村武左衛門が怪我をして寝込んでおり、品川柳次郎と磐音の幸せの到来に比べ、日雇い浪人暮らしをすねて家族を泣かせますが、娘の早苗が奉公をすることには反対する~は踏襲しております。ただし、原作の方が内容は豊富で、おこん、おえい、お佐紀、品川の幾代らの深川めぐり船遊びと宮戸川の鰻のグルメ旅という賑やかな趣向も加わっております。
第4章「西の丸の怪」。速水左近が西の丸に乱波集団が入り込んだことを知らせます。一方、今津屋には、縫箔修行に出た姉おそめに代わり、妹おはつが奉公にあがることになります。向田源兵衛と旧藩の武士たちとの抗争に出くわしたおこんとおえい、お佐紀らの一行の件といい、新婚の桂川桜子さんのストレス解決といい、周辺のエピソードにも事欠きません。
しかし、母親の胎内で百年の時を過ごし、生まれて二年ですでに老人の相貌とは、現代のクローン技術もびっくりの怪事です。作者はあくまでも講談調エンターテインメントに徹するつもりのようで、どうやら見かけの合理性さえも蹴飛ばしているようですなあ(^o^)/
第5章「穏田村の戦い」。佐々木道場恒例の勝ち抜き戦は順調に進み、竹村武左衛門の娘・早苗の奉公先は、おこんのやや子の誕生時の女手不足を想定して、尚武館佐々木道場と決まります。武左衛門の同意も得て、雨降って地固まる風の結末。ただし、武左衛門氏、TVでは少々大人げなく泣きすぎでした
そして始まった乱波集団との闘争に、忠犬白山も大活躍です。とても昼寝が趣味の平和主義の大型犬とは思えません。さらに所を変えて江戸城西の丸百間廊下での闘争が描かれます。ここでは、弥助と霧子らと共に、奸三郎丸多面を倒してまずは敵の意図を斥けます。そして幕切れは、向田源兵衛と旧藩士との闘争に磐音が立ち合い。作者の通例からして、たぶんこの人物も、後に重要な役割で再登場することになるのでしょう。おこんさん、すっかり落ち着いて、武家の嫁の立場がしっくりとくるようになりました。
第1章「殴られ屋」。季節は初夏です。西国武者修行中の松平辰平から書状が届き、目録を得たとのこと。ライバル利次郎は、焦ります。道場改築に携わった大工の棟梁の銀五郎が、磐音とおこんの子どもが生まれたときのためにと、桐の苗木を持って来ます。薄紫の桐の花はきれいですが、牡丹や椿同様ポトリと落ちる様を武士が好むかどうか。まあ、大平の世ですから、ぜんぜん気にしなくなっているかもしれませんが(^o^)/

江戸城に出仕した鐘四郎は、西の丸の主、世嗣家基から磐音に伝言を託されます。途中で見かけた殴られ屋・向田源兵衛の大道芸は、見事な技量でした。
第2章「鰻の出前」。江戸城に宮戸川の鰻料理を届ける。御典医・桂川国端さんの職務利用による密輸大作戦は、悪ノリついでにデザートの桜餅まで調達することに。おかげで桜餅屋の気の強~い娘も、乱暴武家を退散させることができました。そして本番の密輸大作戦は大成功です。しかし、よくバレなかったものですね。西の丸のセキュリティ・チェック体制は、相当に甘そうです。それでは、雑賀衆が自由に入り込むのも無理はありません。
第3章「武左衛門の哀しみ」。本章は、過日のテレビ番組「陽炎の辻3」で放送された回の原作です。番組の脚本は、色々な都合上、そうとうに改変されていたようですが、基本的なところ~竹村武左衛門が怪我をして寝込んでおり、品川柳次郎と磐音の幸せの到来に比べ、日雇い浪人暮らしをすねて家族を泣かせますが、娘の早苗が奉公をすることには反対する~は踏襲しております。ただし、原作の方が内容は豊富で、おこん、おえい、お佐紀、品川の幾代らの深川めぐり船遊びと宮戸川の鰻のグルメ旅という賑やかな趣向も加わっております。
第4章「西の丸の怪」。速水左近が西の丸に乱波集団が入り込んだことを知らせます。一方、今津屋には、縫箔修行に出た姉おそめに代わり、妹おはつが奉公にあがることになります。向田源兵衛と旧藩の武士たちとの抗争に出くわしたおこんとおえい、お佐紀らの一行の件といい、新婚の桂川桜子さんのストレス解決といい、周辺のエピソードにも事欠きません。
しかし、母親の胎内で百年の時を過ごし、生まれて二年ですでに老人の相貌とは、現代のクローン技術もびっくりの怪事です。作者はあくまでも講談調エンターテインメントに徹するつもりのようで、どうやら見かけの合理性さえも蹴飛ばしているようですなあ(^o^)/
第5章「穏田村の戦い」。佐々木道場恒例の勝ち抜き戦は順調に進み、竹村武左衛門の娘・早苗の奉公先は、おこんのやや子の誕生時の女手不足を想定して、尚武館佐々木道場と決まります。武左衛門の同意も得て、雨降って地固まる風の結末。ただし、武左衛門氏、TVでは少々大人げなく泣きすぎでした
そして始まった乱波集団との闘争に、忠犬白山も大活躍です。とても昼寝が趣味の平和主義の大型犬とは思えません。さらに所を変えて江戸城西の丸百間廊下での闘争が描かれます。ここでは、弥助と霧子らと共に、奸三郎丸多面を倒してまずは敵の意図を斥けます。そして幕切れは、向田源兵衛と旧藩士との闘争に磐音が立ち合い。作者の通例からして、たぶんこの人物も、後に重要な役割で再登場することになるのでしょう。おこんさん、すっかり落ち着いて、武家の嫁の立場がしっくりとくるようになりました。