ご近所の柿がやけに落葉が早く、柿も柔らかくなってしまい干し柿が作れないと嘆いていた件、どうやら落葉病らしいとあたりをつけました。要するに葉の裏側の気孔からカビが侵入し、落葉させてしまうらしい。で、落ち葉の中で越冬して翌年の5〜6月、開花期に胞子を飛散させて空気感染し、病気が広がるという仕組みで、やはり放置された柿の木が増えると感染が広がるという悪循環が起こるようです。事情はわが家でも同様のようで、たしかに以前よりも落葉が早く、現在は葉が半分くらいに減ってしまっていますし、落葉の色も紅葉しないで茶色になっています。防除をしっかりやって柿を出荷している某さんの柿の木は、まだ葉っぱが青々と茂っています(*1)から、ほぼ間違いないでしょう。
対策としては、越冬する元となる落ち葉を燃やしてしまうこと。昔ながらの落ち葉焚きが最も有効なのですね。ただ、感染源となる放置樹が空き家にある以上、空気感染は防げない。次の対策としては、開花期となる5〜6月にジマンダイセン等の殺菌剤を用いて防除することでしょうか。
柿の落葉が早いと嘆いていたご近所の老人には、この仕組みをメモして話をすることで、少なくとも二軒で協力して対策をすることはできるでしょう。なんとかうまく対策をして、美味しい平核無(ひらたねなし)柿の収穫を維持したいものです。
(*1): 参考までに、昨日(25日)の様子です。周囲に放置された柿の木がないのが幸いしているのかもしれません。
【追補】
落葉病の広がりが温暖化と関係があるのかという点については、開花期に高温多湿傾向があると、落ち葉での胞子形成〜飛散が活発化することが考えられます。おそらくは高齢化や空き家の増加などの社会的原因で放置された柿の木が増えていることが大きな原因と考えられますが、その他の背景には温暖化の要因もあるのかもしれません。
今年は暖冬なのに、近くの柿の木がはやばやと落葉しています。
そういうこともあるのですね。
ただ この前 温泉に行ったときに あちらこちらに柿の様子を見ましたが
かなりの割合で 実がなく葉も落ちています。
広範囲に感染しているのかな。
渋柿は結構だいじょうぶなのも 不思議。
近年の異常気象によって いろんな影響があると思いますが
もう 昔に戻ることはなく 怖いですね。
明日の記事に こちらの 詳しく書かれている記事をリンクさせてください。
>例年なら、柿の葉が落ちるのは11月3日頃と、私の脳内カレンダーはそうなっているの... への返信
コメントありがとうございます。そうなんです。11月の文化の日あたり、晩秋の陽だまりに紅葉した柿の葉がきれい、というのが以前の記憶なのですが、最近なんだか様子が違ってきているようです。
>病気ですか... への返信
コメントありがとうございます。柿の産地の防除暦などを参考にいろいろ調べてみましたが、落葉病というのは柿の栽培にとっては最重要ポイントの一つになっているようです。対策としては、晩秋の落葉の焼却処理と開花期の抗菌剤の散布が決め手のようです。山形県の庄内地方も、庄内柿というブランド柿の産地ですが、やはり落葉病対策に力を入れているようです。
記事へのリンクの件、了解です。わかりやすさのためにだいぶ単純化していますが、どうぞご利用ください。