(明治時代、辻美人のキャプションのついた写真)
思いがけない事実が過去の記録、文献資料や絵画や写真から目に入ってくる。帰納法的に具体的な資料を追う。書かれた言葉の衝撃があり、写真などの衝撃がある。近代沖縄、近世の沖縄が少しづつ違った顔を見せ始める。あれもこれもとやらざるをえないところで、足元を見る。対話は頭の整理になる。ご一緒に資料逍遥を . . . 本文を読む
湿原に建つ北国のラブホテルを真ん中に据えた7つの物語が、網の目のように絡んで、人間の生きる哀歓が浮かび上がる。ラブホテルが生き物のように誕生し、衰微し捨て置かれる。さらっと読んだが、桜木さんは巧妙に物語をしつらえたのである。作家の構成力と人間の心や関係性の微妙な綾まで描いていくその描写力に驚く。さりげなく引きずり込む物語、人間の属性の核になるものをさらりと料理にして出された感じでもある。人と人の関 . . . 本文を読む