
沖縄出身の一世や二世の方々、お隣の方は90歳、楽しげにステージをご覧になった。始めにラジオ体操があり、そしてアメリカの国家に合わせて皆で踊り、そしてハワイ州の州歌を歌う。それから、沖縄民謡を歌詞を見ながら歌い、その後で劇団うないの公演となった。
花岡尚子、棚原由里子、祖慶しのぶの 「くんのーら」が優雅に先陣を切った。品のいい3人のコンビネーションはとてもよかった。
次に比嘉一恵さんの「武の舞」、それが息をのむすごさである。一恵さんが『男型』を演じるその型の基本が見事にそこにあった。空手、棒術を使った張りのある演武に拍手喝采である
続いて「通い船」はうない独特のコミカルでリズム感のある踊りだが、久米ひさ子、嘉陽田早苗の ベテランコンビの面白さがはじけた。
続いて渡嘉敷流の「加那よ天川」だが、尚子さんと由里子さんが、独特なふりを見せ軽やかに踊った。花岡尚子さんは男踊りを得意として、「うない」では二枚目役である
五番目が「芭蕉布」、沖縄の国家とも称される歌に間 好子が振付けた踊りは優雅で、音楽が泣かせる。澤井毎里子さんがソロで歌った。それでより一層、思い入れが深くなった。会場は拍手がひときわ大きくなった。
団長、中曽根律子さんのウチナーグチの挨拶があり、澤井さんがギターと三線、フルートの音色に合わせてご自分の作詞作曲歌「アカギノイノリ」を歌った。しみじみとした味わいのある歌である。
この老人ホームはハワイ州が建立し、カトリック協会が運営している老人クラブのようなセンターである。みなさん、熱心にいろいろと気を遣ってくださった。女性たちの連携が年をとってもほほえましいハワイである。軽やかな優しさがこぼれるセンターでは「かじやでぃふう」を熱心に踊る老人クラブのみなさんの姿もあった。いいね。最後のカチャーシーもよかったね。
さてハワイ沖縄会館でのリハは、背景幕がかけられない状態の中、舞台セットに実際の芭蕉を切って美術に使用するなど、面白い試みがなされた。みなさんの温かさで舞台は生きてくる。安冨祖流のサンダー先生の御苦労に頭が下がる。
コラボレーションやチームワークの醍醐味が総合芸術の創造現場にあふれていた。
当山久三さんの御子孫の方もご覧になっていた。何人かのみなさんの感想をうかがった。良かったとの声が多かった。乙姫をしっている方もいて、なつかしいひと時になった。一世、二世、三世、そして四世、五世の時代である。ハワイに沖縄がそのままあること、に驚く。