志情(しなさき)の海へ

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嘉手納文化センターへ「劇団うない」の「悲運花」を観にきました‼️

2019-05-13 05:39:16 | 女だけのうちなー芝居劇団「うない」
舞踊に現代劇に、民謡に活躍していますね🎵
舞踊も、前狂言の郭の一夜、そして悲運花と、若手と中堅役者がしっかりと芸を見せています。もう少し具体的に触れますね。後援会の皆さんが頑張っています。

郭の一夜が前狂言で笑えた。落差が、いきり立つ妻とゆったりとした色艶のあるジュリとの成り立たない争いなど、またジュリングワの少女のまだあどけない愛らしい姿は十二分に耳目を引き付けた。写実の力、リアリティが迫ってくる場面に、心臓がドキンとした。













「悲運花」は劇の構成としては新しい。まず最初にある村で村のみやらびたち4,5人が登場し噂話を歌で語り合う。
村の次郎良の兄がある男性を殺めようとした罪とがにあったということなど、歌とせりふがよくつかめないところがある。
 そこで若い男女の掛け合いがある。マルミの古謝渚が恋人を待ちながら歌う。そこへ祖慶しのぶ演じる次郎良がやってくる。
歌で思いを伝えながら、「いつまでも変わらないね」と言い合う。所払いになってこの村に移ってきたいきさつを聞くマルミに以前首里の大中で大工をして評判だった兄とその美しかった恋人のことを話す。
 過去の事柄が次ぎの場面である。
 笛の音色
 ある村でウサ小が恋人の加那を待っている所へウサ小へ横恋慕しているカミジャーがやってくる。ウサ小を思っていると告白する。加那と婚約していると話すと、婚約だけでお互いにしなさきを交わしていないのだな、とカミジャーは強引にウサ小をレイプする。しばらくして加那がやってくる。カミジャーに犯されてウサ小に「恨みてもどうしょうもない、いっしょにやっていこう」と呼びかけるが、ウサ小は身を恥じて逃げる。「あまり思い詰めないで」と慰める加那だがー。「思いは変わらない。わかってほしい。元のように語ってほしい」と呼びかけるがー。早く来ればこんな事にならなかったと謝るがー、ウサ小は立ち去る。「ウサ小との仲をわかっていて、こんな事を」男と男の争い、怒りでカミジャーを殺そうとする加那、横たわるカミジャー。殺害されたのだろうか?
 笛の音色
 こんな事情でーー。公事に罪を届けて、三月ほど牢にこめられ所払いになった。ウサ小はいなくなってしまった。加那は気が触れたように探し回ったが探せなかった。その後結婚もせずにいる。どうもカミジャーがウサ小を連れ去ったのらしい
 笛の音色
 村の家で加那がウサ小の「アヒー、助きてぃとぅらしー」の声で飛び起きる。ウサ小の思いを歌で語る加那。夢の中で助けてほしいとないている。夢は疲れているからだからー。ウサ小がいなくなって3年になるよ。ほかで幸せにくるしているかもしれないよ、とあんまーが諭すが、幸せなら助けてと夢に出てくるのはなぜか。
次は次郎良が「まるみー」と呼びかける。夢。朝食をたべず仕事にでる加那、イモの朝ごはん。
  そうした家族の所へ村を訪ねてウサ小が逃げてくる。身体を病んでいる様子。

  加那と再開したウサ小はしばらく一緒に暮らすことになる。
そこへウサ小を捜し求めて父親がやってくる。そしてカミジャーも。家の中を物色する。カミジャーから逃れて恋人たちは逃げる。しかし海岸端から島(沖縄)の外へと逃れようとする所にやってくるカミジャーー。船を捜すためにウサ小を残したその場で再び悪夢が繰り返される。無理やりウサ小を引き戻そうとするカミジャーにジーファーで抵抗するが、自らを刺してしまう。そこへやってきた加那。加那に
  刃を向けるカミジャー、身を守ろうとして刺される。「決して心から自分を慕うことがなかったウサ小だった」と語る男の無念の心は、執念なのか。妄執の鬼になる男。追い詰められる二人。
  二人を追いかけてくる家族、実はウサ小は加那の子を身ごもっていたのだ。あの世で結ばれ幸せになることを祈るあんまーとスー。
泊阿嘉の最後の場面が蘇る。悲運花の題名そのままに息絶える恋人たちの悲劇で物語は閉じる。
  救いがない物語だ。なぜ愛し合う恋人たちが引き裂かれ悲劇の憂き目に合わなければならなかったのか?一人の男の恋慕である。無理強いで思いを遂げて一人の女性の人生を狂わせた男の情念(パッション)。
  「気がかりだったんだよ」とカミジャーが言葉をかける。「やーといかんむん」「ちゃーしんいかんでぃなー」「やーくるすん」「じーふぁーでカミジャーを殺そうとするウサ小だが、自らをジーファで傷つけてしまう。泣き叫ぶ男に刃で挑むカミジャー。
「まぁーまりわったー苦しめたら肝ふじゅが」「ウサ小は心から愛してくれなかった。殺すつもりはなかった」恨みの鬼になるカミジャーは加那まで手をかけてしまう。

 アヒー、ウサ小を追いかけてくる次郎良とマルミ、アンマーとスー。カナーヒーの子供が授かっていたんだよ。とマルミ。そこで主題歌(?)が流れる。歌唱はいい。互いの愛を信じた二人へのたむけの歌。「アヒー」の大きな叫びで幕が下りる。
  整理しないで覚書である。

  物語は新しい。完璧な悲劇になっている。一人の人物の存在によって人生が一変させられた若い恋人たちの人生の悪夢である。ストーカーのような男の妄執ゆえに犠牲になった若者たちの悲劇。昨今のストーカー殺人事件を彷彿させる。痛ましい。虐待から逃れられない者たちの叫びのような物語。救いがない。作者の中曽根さんの関係性への厳しい眼差しの産物でもあるのだろう。人間の過剰な感情が破壊していくものがあること。心理劇であり、それゆえに苦しむ他者の存在。関係性の淵にある闇と光の綾!もう少し掘り下げたい。テキストがないのでせりふがわかりづらい点があった。(誤字脱字後で訂正を)


 舞台の中身に関しては具体的に批評を書いていきます。劇団うないをサポートしているからゆえに、少し厳しく今夜にでも。













































































































































































































































































































































  



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